『Battlefield 2042』にはノンバイナリーのスペシャリストが参戦する。爆発物とウィングスーツを操る「サンダンス」のジェンダーが明らかに


Battlefield 2042』に登場するスペシャリストの一人について、意外なところからプロフィールが明らかになったようだ。『Battlefield 2042』では、従来のクラス制に代わり、スペシャリストと呼ばれるキャラクターを選択してプレイする。各スペシャリストは、それぞれ固有の専門技能と特性をひとつずつ保有。自身の戦略に合ったスペシャリストを4人まで選択することで、自分だけの分隊を構成することができる。ローンチ時点では10種類のスペシャリストが実装されているようだ。 

現時点で発表されているスペシャリストの一人がエマ・ロジエ、コードネーム「サンダンス」だ。フランス陸軍の兵士でありながら、パリの巨大犯罪シンジケート構成員としての過去ももつ人物だ。専門技能として「スマート・エクスプローシブ」をもっており、爆発物を扱う技術に秀でている。拡散グレネードやマイクロドローンなどを活用し、対象を破壊することを得意としているようだ。さらに特性として「ウィングスーツ」を保有。ムササビのような装備を広げて滑空し、遠距離の敵を襲撃することができる。 
 

 
日本語版の公式サイト説明を見ると、サンダンスの説明にはとりたてて引っかかるところはない。しかし英語圏のユーザーは、サンダンスの説明についてあるポイントを発見したようだ。それはサンダンスを指す説明の人称代名詞が「they/them」であるということ。「they/them」は「彼ら・彼女ら」を指すほか、近年では性別が定まらない対象やノンバイナリーの人物を指す代名詞としても用いられる。 

あるユーザーはサンダンスを指して「they/them」と記述してあることから、開発者に対しサンダンスのジェンダーがノンバイナリーであるのかと尋ねた。この質問に対しては、Electronic ArtsのリードコミュニティマネージャーのAdam Freeman氏が回答。ユーザーの質問に対し、「はい。サンダンスはノンバイナリーです」とリプライを送っている。 
 

 
FPSにおけるキャラクターがジェンダーインクルーシブとなるのは近年顕著な傾向だ。『Battlefield 2042』と同じくElectronic Arts作品である『Apex Legends』では、レジェンドのひとりブラッドハウンドがノンバイナリーである。またUbisoftの『レインボーシックス シージ』では、トランス女性であるオサがこの夏に実装された。各社とも、自社IPキャラクターのジェンダーについてはさまざまな方向性を模索している最中のようだ。『Battlefield 2042』はキャンペーンモードが搭載されず、登場キャラクターのパーソナリティが深く開示される作品ではない。またElectronic Artsがこうしたジェンダーを強く主張しているわけでもない。しかしながら、こうしたキャラクター紹介の人称から当人の性自認が明かされるのは、英語圏ならではの興味深い事例といえそうだ。そうした要素に敏感なユーザーが多いということだろう。 

『Battlefield 2042』は、PC/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに11月19日に発売予定。