『FF』生みの親・坂口博信氏が、ボツになったドット絵ゲーム企画の画像を公開。『オクトパストラベラー』に似てる

ゲームクリエイターの坂口博信氏は1月2日、「断念したドット絵企画」のものだというスクリーンショットをTwitterにて公開した。もう作品として世に出ることはないようだが、ファンの大きな反響を呼んでいる。

ゲームクリエイターの坂口博信氏は1月2日、「断念したドット絵企画」のものだというスクリーンショットをTwitterにて公開した。もう作品として世に出ることはないようだが、ファンの大きな反響を呼んでいる。

坂口氏は、『ファイナルファンタジー』シリーズの生みの親として知られるゲームクリエイターだ。スクウェア・エニックスにて多数の作品に携わったのち、2004年に独立しミストウォーカーを設立。『ブルードラゴン』や『ラストストーリー』『テラバトル』などを手がけ、昨年にはジオラマのフィールドと3DCGのキャラクターを組み合わせた新作RPG『FANTASIAN』をリリースしている。


『FANTASIAN』は前後編に分けてApple Arcade向けに配信され、2021年のApp Store Awardsにて「ベストApple Arcadeゲーム」を受賞。同作がひと段落つき、坂口氏の今後の動向が注目されていたなか、年が明けて「断念したドット絵企画」のスクリーンショットが公開された。カエルが主人公の作品だったという。

スクリーンショットでは、川の側に3体のキャラクターがおり、先頭に立つのがそのカエルだろう。そして後ろにはロボットと山羊らしきキャラクターがいる。風景も含め確かにドット絵で描かれているが、被写界深度の要素を取り入れた奥行きを感じさせる表現が特徴的。ぼやけて見える遠景には大きな街があるようだ。ゴッドレイなどのエフェクトも入れられ、川の水に関しては3Dで制作されているように見える。

『オクトパストラベラー』


こうしたビジュアル表現は、スクウェア・エニックスのRPG『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)』の「HD-2D」グラフィックを彷彿とさせる。というより、実際のところ強い繋がりが感じられる。たとえば、両端に写る岩は、同作のコーストランド地方などでみられる岩に、中央の草の生えた地面は、フラットランド地方のものにそっくりだ。中央に生えたやや大きな木も、同一と思われるものが確認できる。

このスクリーンショットについて坂口氏は、実際のゲーム画面であるとは述べていない。そのため、『オクトパストラベラー』のアセットを拝借して制作した、新作のコンセプトアートだったのかもしれない。あるいは、そもそもそうした企画は存在せず、ファンを楽しませるためだけに制作した画像だった可能性もあるだろう。

坂口氏は「主人公はもちろんカエルw」とコメントしている。なぜ“もちろん”なのかはっきりしないものの、昨年11月には『クロノ・トリガー』に登場するカエルをイメージしたキャラクターを、『FF14』にて作成した様子を公開。ファンからリクエストされたものだったそうだ。また『FF』シリーズにおいても、カエルは魔法トードなどで馴染み深い。


いずれにせよ、今後この作品の開発が進められることはないようだ。ただツイートには、坂口氏が同企画を断念したことを残念がる人や、諦めないでとお願いする人、またカエルが主人公のゲームに期待を寄せる人など、多数のコメントが寄せられている。もちろん『オクトパストラベラー』との類似点を指摘する人もみられる。

坂口氏は、2022年は“休暇の年”になる予定だと語っている(4Gamer)。そのため、新たな作品が今年発表されることはないかもしれない。一方、同氏は昨年から『FF14』にハマっており、Twitterにはその様子を日々投稿(関連記事)。今年はそうした活動が捗ることになりそうだ。

ちなみにHD-2Dを採用する新作としては、タクティクスRPG『トライアングルストラテジー』がNintendo Switch向けに3月4日発売予定だ。また、『HD-2D版 ドラゴンクエストIII』も開発中である。




※ The English version of this article is available here

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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