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大人気マルチ探索オープンワールド『Big Walk』、実は約6年もかけて作られていた。誕生のきっかけは、対戦ゲームの「試合開始前ロビー」
『Big Walk』の開発元House Houseに向けたインタビューにて、同作が6年をかけて制作されたものであることが明かされた。そのほか制作における裏話などが語られている。

House Houseが手がけ、Panicが8月4日にリリースした協力型アドベンチャーゲーム『Big Walk』。リリース後から人気を博した本作について、ゲームジャーナリストのJason Schreier氏がHouse HouseのプログラマーであるNico Disseldorp氏にインタビューを実施。本作は約6年もかけて練り上げられた作品であることなどが明かされている。
『Big Walk』は最大12人でのマルチプレイが楽しめる協力型アドベンチャーゲームだ。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS5/Nintendo Switch 2で、ゲーム内の日本語表示にも対応する。プレイヤーは、3つの球で構成された、トリのような生物を操作して、さまざまなチャレンジやパズルが待ち受けるオープンワールドを協力しながら探検していく。
本作は8月4日にリリースされて以後さっそく人気を博し、Steamユーザーレビューでは約1万件のレビューのうち97%の好評率で「圧倒的に好評」を獲得。また発売1週間足らずで売上本数が100万本を突破するなど、広く人気を博している。

本作を開発するHouse Houseは、『Untitled Goose Game 〜いたずらガチョウがやって来た!〜』を手がけたことでも知られる、オーストラリアの開発スタジオだ。今回はそんなHouse Houseにてプログラミングを担当しているNico Disseldorp氏にBloombergのJason Schreier氏がインタビューを実施。開発に至った経緯や裏話などが明かされている。
House Houseは2019年9月に『Untitled Goose Game』をリリース。同作は2019年12月までに100万本を売り上げるヒットを記録した。一方で世界的には新型コロナウイルスの流行によるパンデミック、いわゆる“コロナ禍”が発生し始めた時期だ。幸いHouse Houseは『Untitled Goose Game』のヒットにより経営難には陥らなかったものの、コロナ禍を起因とする行動制限の影響は受けていたようだ。

コロナ禍では、Disseldorp氏たちスタジオのメンバーはオンラインでゲームをする機会が増えたという。その中では、チーム対戦型ゲームなどに実装されている、「試合開始前ロビー」の存在に注目し始めたそうだ。このことについてDisseldorp氏は、「ビデオゲームという枠組みがちょっと脇に追いやられる瞬間」が好きだったと語っている。ロビーで飛び跳ねたり、ジェスチャーをしたりして交流しようとする行為が、House Houseのメンバーたちにとっては楽しく価値あるコミュニケーションであると判断されたのだろう。
そしてパンデミックにおいてはZoom会議の回数も増えていたという。大人数で通話している最中に、少人数で少しばかり会話したいと思うこともあったようで、それが「近接ボイスチャット機能をゲーム内空間に採用する」というアイデアのもとになったようだ。

パンデミックが続く中で作られたプロトタイプは、木々やカラフルな物体があるだけの、近接ボイスチャットが可能な世界だったという。その時点では歩くこと以外は出来なかったものの、探索中に遅れた人がいればその人を待つような、“ハイキング”のような雰囲気が醸成されたという。誰かが足を踏み外して崖から落ちて合流を目指す時にはハプニングや愉快な出来事もあったといい、すでにプロトタイプの時点で『Big Walk』の根幹が出来上がっていた様子もうかがえる。
その後正式にプロトタイプが『Big Walk』としてプロジェクトに昇華されると、2023年のThe Game Awardsにて正式発表(関連記事)。パンデミックも次第に収束の様相を見せていく中でオンラインマルチ協力ゲームが人気を集めるかは不明ではあったものの、House Houseは複数の協力パズルを生み出すかたちで作り込みを進めていった。そのほか連絡/コミュニケーション手段としてのアイテムや、広大なオープンワールドを横断できる乗り物なども盛り込まれ続けたという。

そうしたゲームの規模拡大にともない、2025年のリリースには間に合わず、2026年8月のリリースと延期された本作。しかしながら2025年には「Friendslop(フレンドスロップ)」と呼ばれる、マルチ要素を中心とした協力プレイゲームが特に大きなブームを迎えた。『R.E.P.O.』『PEAK』『RV There Yet?』などの数々のタイトルもリリースされ、人気を博したことは記憶に新しい。
『Big Walk』は結果的にこのブームに乗り込む形で登場し、高く評価され、“GOTY候補”と呼ばれるまでのタイトルとなった。ちなみにフレンドスロップはおふざけ要素もある笑いが特徴。また開発期間が短い傾向にあることも特徴で、シュールさなどを誘うためには、あえて“チープさ”が残されることもある。一方で『Big Walk』は6年もの期間をかけて練り上げられており、一般的な「フレンドスロップ」と比べ、一風変わった制作経緯を持つ。今回はそんな本作の裏話が開発者から直接明かされたかたちだ。
なおインタビューの最後には、Disseldorp氏が『Big Walk』の今後について、バグ修正に注力するとしつつ、アップデートの検討についても示唆した。先行きについてはまったくの白紙と見られるが、『Big Walk』の今後、あるいはHouse Houseの新プロジェクトがどうなっていくかは、期待されるところだろう。
『Big Walk』はPC(Steam)/PS5/Nintendo Switch 2向けに販売中だ。
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