5歳の誕生日に『ポケットモンスター』の『緑』を買ってもらった時から、ビデオゲームは私と共にありました。煎じ詰めればじつに単純なインタラクティビティと光の明滅に、なぜ我々はここまで驚喜することができるのか?この興味深い問いを少しずつ解き明かしていくつもりです。……もちろん普通のレビューも書きます。なんにせよ、すべてのコンテンツは受け手が自分の人生を忘れるために作られますが、驚くべき豊かな未来において、ビデオゲームはその目的を完全に達成すると思います。
太陽が失われた世界に光を灯すアドベンチャー『OneShot』レビュー。主人公は救世主、プレイヤーは神
第四の壁(だいしのかべ、だいよんのかべ、英: fourth wall)は、プロセニアム・アーチ付きの舞台の正面に位置する、想像上の透明な壁であり、フィクションである演劇内の世界と観客のいる現実世界との境界を表す概念である。観客は、観客席からこの第四の壁を通して演じられる世界を見ることになる。
バグったゲームを調査する小粒なADV『Forgotten』を紹介、私たちがこの世界の企図を知らないこと
『Forgotten』は、itch.ioにて公開されている非常に小粒なADVゲームで、90年代前半ふうのBIOS起動画面からスタートする。
近代日本の文豪を転生させて戦う育成シミュレーションゲーム『文豪とアルケミスト』紹介。文学好きにはたまらないキャラ萌えゲーム
『文豪とアルケミスト』のゲーム性はDMMによる「艦隊これくしょん」のクローンにすぎないが、もしも大正から昭和初期にかけての日本文学に触れた経験があるのなら、純粋にキャラクターを愛でるという目的で楽しめる作品である。
AUTOMATON Awards 2016
「愛憎極まるで賞」
楽屋裏めいた話になってしまうが、ゲームについて書く仕事は、つねに二律背反である。普通よりもゲームを深くプレイしなければならないが、ひとつのゲームばかりプレイしていては仕事にならない。
自分を殺して欲しい少女と殺人鬼の物語を描くサイコホラーアドベンチャー
『殺戮の天使』レビュー。神の存在を問う奇抜かつ至高の物語
『殺戮の天使』は、RPGツクールにて制作された古き良き国産サイコホラーADVである。起動してすぐに表示された見下ろし型の俯瞰画面を見ると、良くも悪くもどこかで見たことがある作品のように感じられるだろう。しかしよくある見た目とは裏腹に、本作にはとても独特な物語と、その物語を語るためのさまざまな工夫がちりばめられている。
怪異からエネルギーを吸収する企業を描いた『Lobotomy Corporation』を紹介、世界観と演出が光る怪物マネジメントゲーム
『Lobotomy Corporation』は、総じてAbnormalityという分類に振り分けられた怪物を収容し、それらの怪物から何らかのエネルギーを吸収して販売する企業を描いた、風変わりなマネジメントゲームである。
国産無料アクションRPGゲーム
『箱庭えくすぷろーら』を紹介。
エロスとドット絵へのアツい思いと秀逸なゲームデザイン
『箱庭えくすぷろーら』は、眺めているだけで懐かしい気持ちになるクオータービューに、軽快な操作性を組み合わせた国産アクションRPGだ。細部まで作り込まれたグラフィックは静止画ではなく、キャラクターはもちろん、背景まで生きているかのようにぐりぐりと動く。
『Void and Meddler Episode 2』紹介。サイバーパンクなポイント&クリックは1年を経てどのように進化したか
『Void and Meddler』は、物質化された記憶が売買される近未来ふうの都市を舞台とした、ポイント&クリックアドベンチャーゲームだ。今回は、1年ごしに発表されたEpisode2『Lost in a Night Loop』に主眼を絞り、物語がどのような展開を見せたのか、そしてゲームとしてどのように洗練されたかを紹介しよう。
無駄な贅肉を極限まで削ぎ落とした良作、中毒性の高い無料国産ターンベースRPG『Buriedbornes』を紹介
『Buriedbornes』は、悩ましい局面の連続を楽しませる反面、繰り返しの退屈さに陥りがちなレトロターンベースRPGを、スマートフォンのデザインにうまく落とし込んだ意欲作である。
国産ターンベースアクション『魔法の女子高生』を紹介。テキスト打ち込みによる自動魔法生成と不思議のダンジョン
魔法の名前、それは誰もが憧れてやまない魅惑のワードだ。名は体を表すという言葉のとおり、名前は、その魔法がどのような効果を持つものかを自然に説明するものでなければならない。
アパート運営+住人監視アドベンチャー『Beholder』紹介、隣人を密告して全体主義社会で生き残れ
本作は、隣人をいそがしく監視することと彼らの物語を垣間見ることが、そのままゲームプレイのシステムにしっかりと組み込まれている良作だ。プレイすれば、自分は他人に対してなにひとつ後ろ暗いことがないと豪語する人間であっても、すぐに他人の弱みを握ろうとしはじめるだろう。
『Obduction』レビュー ――『MYST』の開発者たちによる、謎解きゲームの新たなる金字塔
アドベンチャーゲーム『Obduction』のレビューをお届けする。本作は『MYST』の開発者による謎解きゲーム。『Obduction』で提示されるさまざまなランドスケープや奇妙な機械は、しっかりとした存在理由を持っていると同時に、それ自体が鑑賞に値するものばかりだ。
『Back in 1995』レビュー ――ブラウン管と初代プレイステーション、90年代の狂気
『Back in 1995』が模写したのは、初代プレイステーションにおける低解像度のポリゴンとクリエイターの創作欲求の摩擦が産んだ、狂気じみた作品群の感覚である。本作の作者が狙っていたのはこの時代の独特な空気感の再現であり、その試みは成功している。
『Enter the Gungeon』レビュー ――いままでに撃った銃弾の数を覚えているか?
『Enter the Gungeon』は表題のとおり銃だらけのゲームで、忘れていた古い夢を、もうこれ以上はいらないくらい完全に、叶えてくれる。開発元はDodge Roll。リリース日は4月5日で、執筆時点での価格はSteamにて14.99ドル。PS4でも発売されている(日本語版は4月20日)。
『The Flame in the Flood』レビュー――かわいい愛犬と行く大洪水ラフティング、衣食住なし
『The Flame in the Flood』は、未曽有の大洪水によって崩壊したアメリカを舞台に、愛犬とともに手製のいかだに乗って急流を下りつつ旅をするサバイバルゲームである。フルリリース日は2月24日。Steamを通じて購入することができ、執筆時の価格は19.99ドルだ。
コラム――『傷を負った世界』
幼いころ、両親に連れられて行ったゲームセンターでのことだ。もはやその作品が何だったのかすら覚えていないのだが、私は巨大な筐体の前に座って、画面をじっと見つめたままコントローラーを操作し、ディスプレイが映し出す極彩色の世界に夢中になっていた。
『Emily is Away』レビュー ――「ねえ、どうしてあのときキスしてくれなかったの?」
『Emily is Away』は、ハイスクールの最終学年でいい感じだった女の子とべつの大学に進学して疎遠になり、Windows XPにインストールされたAOLメッセンジャー風のアプリを通じて一年に一度だけ会話をするゲームだ。
『Cyberpunk 2077』コラム – ダサさと想像力
世の中の、いわゆる大きなお友達のみなさま(つまり、人類全員のこと)に断っておかなければならないが、「サイバーパンク」は誰がなんと言おうとダサい。しかしそのダサさは、すべてのフィクションが内包するダサさから逸脱した特例ではない。
『Dr. Langeskov, The Tiger, and The Terribly Cursed Emerald : A Whirlwind Heist』レビュー いま、ほかのひとがプレイ中なんだ。だから、きみはプレイできない
『Dr. Langeskov, The Tiger, and The Terribly Cursed Emerald : A Whirlwind Heist』は、Davey Wreden氏とともに『The Stanley Parable』を世に送り出したもうひとりの鬼才、William Pugh氏率いるCrows CrowsCrowsの作品だ。
『Viscera Cleanup Detail』レビュー 爆散したエイリアンの死骸を片付けたい人のための清掃人シミュレーター
『Viscera Cleanup Detail』は、宇宙船内に爆散したエイリアンの死骸を片付ける掃除人シミュレーターである。デベロッパーはRuneStorm。価格は12.99ドル。アーリーアクセスを終えた『Viscera Cleanup Detail』のレビューを届けする。
『The Beginner’s Guide』レビュー ――今日においてもっとも優れた語りの構造をもつビデオゲーム
『The Beginner’s Guide』は、とてもメタフィクショナルなゲームだ。10月1日にEverything Unlimited Ltd.より発売された。プレイを開始すると、真っ白な画面から男性の声が語りかける。「こんにちは。『The Beginner’s Guide』をプレイしてくれてありがとう。
『Void and Meddler』レビュー ――売買される記憶と過去を失った女
『Void and Meddler』は、物質化された記憶が売買される近未来ふうの都市を舞台とした、ポイント&クリックゲームだ。プレイヤーは2年前にすべての記憶を失った主人公「Fyn」を導いて、種族や性別の境界があいまいになった都市を巡り、彼女の過去の記憶を探し当てる。