『マーベル・ライバルズ』にて「ヒーラーとタンクを誰も使わず大負けした」との報告続出。どこかでよく見た“ほぼ全員DPSマッチ”多発模様

NetEase Gamesは12月6日、『マーベル・ライバルズ』をリリースした。ロール分けのあるチームシューターである本作にて、ヒーラー役あるいはタンク役のキャラがほとんど選ばれずアンバランスな試合になりがちといった報告が寄せられている。

NetEase Gamesは12月6日、『マーベル・ライバルズ』をリリースした。ロール分けのあるチームシューターである本作にて、ヒーラー役あるいはタンク役のキャラがほとんど選ばれずアンバランスな試合になりがちといった報告が寄せられている。「ロールキュー」のような仕組みがないことも、そうした状況に繋がっているようだ。

本作は、MARVEL Gamesとのコラボで制作されているチーム対戦シューターだ。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア)およびPS5/Xbox Series X|Sで、基本プレイ無料にて提供されている。本作ではマーベルのスーパーヒーローやヴィランたちがプレイアブルキャラクターとして登場し、6対6のバトルを繰り広げる。

本作には体力の多い「ヴァンガード」、火力の高い「デュエリスト」、味方の回復といったサポートに特化した「ストラテジスト」の3つのロールが存在。それぞれいわゆるタンク役、ダメージ(DPS)役、ヒーラー役といった役回りの違いがある。また本作ではたとえばロケット・ラクーンとグルート、ハルクとアイアンマンなど、特定のキャラクター同士の組み合わせで、強力な連携攻撃が可能な点も特徴だ。


ほぼ全員デュエリスト

そんな本作のプレイヤーコミュニティにて、ストラテジストを使うプレイヤーが少ないといった不満の声が寄せられている。ストラテジストとは、先述のとおり味方の回復などのサポート能力が軸となる、いわばヒーラー役だ。前線を支えるタンク役のヴァンガードを中心にチームを回復する、重要な役割といえるだろう。

一方SNS上では「ストラテジストを使うプレイヤーがチーム内に自分以外誰もいない試合が発生しがち」といった不満を漏らすユーザーが散見される。また、ヴァンガードについても同様の不満の声は存在。ようするに、チーム内にデュエリストが多すぎる試合が発生しやすい状況があるようだ。なお本作には、チーム内で各ロール数が固定されロールごとにマッチングプールが用意される「ロールキュー」といった仕組みが存在しない。そのため場合によっては“チームがほぼ全員デュエリスト”といった試合も発生している模様。カジュアルなモードであるクイックマッチだけでなく、ランクマッチでも同様の傾向は見られる。


『マーベル・ライバルズ』ではデュエリストがキャラのなかでもっとも多く18人。ヴァンガードは8人、ストラテジストは7人となっている。デュエリストにはアイアンマンやスパイダーマンといったマーベル屈指の人気キャラも含まれており、デュエリストがピックされやすい状況の一因だろう。

またヒーラー役やタンク役はダメージ役に比べて、味方の体力状況や位置取りなどを常に気にする必要があり、より連携を求められるロールといえる。さらにたとえばヒーラー役であれば、味方からの回復要請が寄せられたり、自衛手段が限られるなかで敵のダメージ役から付け狙われたりといったプレッシャーもある。またタンク役についても、プレイヤースキルや判断がチームの勝敗に大きく関わるロールといえる。そうして比較的ハードルが高く見える点は、たとえ人数が足りない試合であっても、ストラテジストとヴァンガードが使われにくい状況に繋がっているかもしれない。


ロールキューにも課題はあり

なお、ヒーラー役やタンク役にプレッシャーがかかりがちといった傾向は、類似ジャンルのFPSである『オーバーウォッチ』シリーズでもしばしば問題視されてきた(関連記事1関連記事2)。特に第1作である『オーバーウォッチ』では、ひどい場合はチーム内にダメージが5~6人いるような状況が発生。現在『マーベル・ライバルズ』で発生している現象は、約8年前にリリースされた『オーバーウォッチ』でも見られたわけだ。

『オーバーウォッチ』においてはこうした問題を解消するためにチームごとにタンク・ダメージ・サポートをそれぞれ2人ずつ固定にするロールキューが導入された。しかし不人気なロールがなかなか揃わなくなるためマッチを開始できず、長い待ち時間が発生する課題も存在した。

『オーバーウォッチ2』


このことも理由のひとつとなって、後継作『オーバーウォッチ2』では6v6から5v5にチーム人数が減り、ロールキューではダメージ・サポートがそれぞれ2人ずつ、タンクは1人で固定されるかたちとなった。とはいえ6v6での対戦の豪快な持ち味が失われたとの声もあり、6v6の復活が模索されている状況だ(関連記事)。

一方『マーベル・ライバルズ』には先述のとおり、クイックモードにもランクモードにもロールキューは導入されていない。なお過去には本作のエグゼクティブプロデューサーであるDanny Koo氏が「プレイヤーの創造性を発揮させたいので、チーム内のロール数を固定したくない」といった開発方針を述べていたこともある(Dexerto)。ロールキューは未実装というわけではなく、意図的に実装されていないわけだろう。

とはいえ、先述のとおり少なくともリリース直後の本稿執筆時点では、“デュエリストが多すぎる”問題が発生している状況もある。対策としてロールキューの実装を望む声もある傍らで、ロールキューがないことによる戦略の幅広さやマッチングのスムーズさなどを評価する意見も散見され、議論を呼んでいる様子だ。

『マーベル・ライバルズ』


なお本作には特定のロール、あるいはキャラを使ってほしいとチームに要請する仕組みなど、プレイヤー間の通信機能も細やかに用意されている。状況に応じて通信して協力しあうことも勝利に繋がるだろう。まだリリースされたばかりということもあり、今後の調整あるいはプレイヤーベースの成熟で“デュエリストを使い続けるプレイヤーが多すぎる”といった状況が緩和されていく可能性もありそうだ。

マーベル・ライバルズ』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)およびPS5/Xbox Series X|S向けに基本プレイ無料にて配信中。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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