Bethesda Game Studiosが手がける『Starfield（スターフィールド）』にて「大量アイテムを入手できる謎の地面」が発見され、注目を集めている。一見なんの脈絡もない不具合にも見えるこの現象は、Bethesda過去作『The Elder Scrolls V: Skyrim』にも類似の挙動が存在している。本稿にはアキラ・シティなどに関するネタバレになりうる要素が含まれるので、留意してほしい。
『スターフィールド』は、『The Elder Scrolls』シリーズや『Fallout』シリーズの開発で知られるBethesda Game Studiosが手がけるRPGだ。プレイヤーは人類が太陽系外に進出している2330年の世界を舞台に、希少なアーティファクトを求める宇宙探検家集団コンステレーションの一員として、広大な宇宙の星々を冒険する。
本作で登場しプレイヤーが探索可能な1000以上の星々には、荒れ果てた無人惑星もあれば、人々が入植し栄える惑星も存在する。そうした街にはさまざまな施設があり、自治体の施設や銀行などのほか、バーや商店なども点在。個性的な人々が営む店舗を巡ったり取引するのも、“宇宙の歩き方”のひとつだろう。今回報告されたのは、そうした街のなんの変哲もない地面に設定された「大量のアイテムがストックされたスポット」の存在だ。
その場所を報告したのは、YouTuberのJamie Moran氏だ。Moran氏はX（旧Twitter）にて動画を投稿。シャイアン星系のアキラシティの地面に、大量のアイテムが貯蓄されたポイントが存在するとしている。しかも、そのアイテムは近隣の店舗シェパード・ジェネラル・ストアの在庫だというのだ。動画を見てみると、何もない地面がたしかにアイテムストレージのように振る舞っている様子がわかる。しかも、そのストレージの名前は、ストアの店主である「エマーソン・シェパード」の物資となっているのだ。
Moran氏はこの現象はXbox Series Xにて確認できたとしている。筆者もPC版の本作にて検証したところ、同じストレージにアクセスできた。そして、もしも店の在庫を好き勝手に持っていけるとすれば由々しき事態である。筆者は検証のため、やむを得ずクレジットや貴重な物品を地面のスポットから懐に入れた。すると、シェパード・ジェネラル・ストアのクレジットと在庫も減っていた。なんのリスクもなく、店のアイテムが無料で手に入ってしまうわけである。
なお背景設定として、シェパード氏は多忙ななか、街の人々のためにさまざまな注文を引き受ける苦労人だ。心が痛むものの、在庫はゲーム内時間24時間ほどで復活するので大丈夫だろう。とはいえ、この現象の悪用はゲームバランスに影響を与える可能性があるほか、“ズルをした”という感覚も発生する。利用するか否かは、罪悪感などと天秤にかける必要があるだろう。
そして、実をいえば「無関係な場所から店の在庫に勝手にアクセスできる」という現象は、過去のBethesda開発作品においても知られている。それが『The Elder Scrolls V: Skyrim』における「見えない宝箱」だ。同作においても、何もないはずの空間から、大量のアイテムが入った宝箱にアクセスできる現象があったのだ。しかも複数の見えない宝箱が存在しており、特に有名なのはドーンスターの鉱山前のスポット。こちらも商人の在庫を勝手に無料で取り出せてしまうことで、“ズルい”金策手段などとして知られていた。
なぜ、こうした現象が起きるのか、筆者の観測範囲では開発側からのコメントなどは確認できなかった。しかし推測として「システム上必要なため隠して配置した保管スペースが、うっかり見つかってしまった」とは考えられるだろう。商店のアイテムや資金を保管するための宝箱を設定し、プレイヤーに見えないよう透明にしたり地面に隠したりしたものの、絶妙にアクセス可能な状態にあったのかもしれない。ゲームの仕組みの裏側を暴いてしまったようなかたちだ。
なお、『The Elder Scrolls V: Skyrim』と同様に『スターフィールド』でもすでに複数の「見えない宝箱」の存在が見つかっている。アキラ・シティにも紹介したほかに複数があるとされるほか、ネオン・シティではやや込み入った手順で、実際にボックスとして存在しつつも本来アクセス困難な「リュウジン・インダストリーズの在庫」を暴けてしまうとの報告がある。“ズル”に悪用できるだけでなく、存在理由を含めて興味深い現象でもあるだろう。
『Starfield（スターフィールド）』は、PC（Steam/Microsoft Store）/Xbox Series X|S向けに発売中。Xbox/PC Game Pass向けにも提供されている。
