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デッキ構築×高速パリィアクション『Witch the Showdown』は、パリィ好きにとって遊園地だった。『GTA 6』配信開始日にあえて被せた、そのしたたかな理由
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パブリッシャーのPerp GamesとデベロッパーのCitales Gamesは、デッキ構築型高速パリィアクションゲーム『Witch the Showdown』を11月19日に早期アクセスとして配信開始する。対応プラットフォームはPC(Steam)で、2027年にはPS5/XBOX Series X|S向けにも発売を予定している。
ところで、11月19日といえば、言わずと知れた超大型タイトル『グランド・セフト・オートVI(GTA 6)』の発売日である。すなわち、『Witch the Showdown』は小規模開発ながら、全世界の期待を集める『GTA 6』という巨人に正面から殴り込みをかけるかたちとなる。今回弊誌は、東京ゲームショウ2026にあわせて、本作を試遊し開発陣へインタビューする機会をいただいた。本作の出来栄えを確かめ、その思惑を訊いた結果をお伝えする。

『Witch the Showdown』は、シングルプレイ向けのアクションゲームだ。本作の舞台となるのは、魔法から機械まで当たり前に存在する、近未来ファンタジー的な世界だ。プレイヤーは自分で構築した、あるいは与えられたデッキで、「とにかくパリィ・回避し反撃を繰り出す」ことで敵を撃破していく。操作キャラや敵となるのは、愛らしい少女(あるいはマダム)たち。一見した様子では取っつきやすい、裏を返せばカジュアルゲームのような印象も受ける。

しかしながら、本作は最大の特徴である「パリィアクション」をとことん突き詰めた、ハードコアでプレイヤーの力量を容赦なく試すバトルゲームとなっていた。本作における基本バトルシステムは「パリィや回避をして、攻撃リソースであるマナを確保」、そして「マナを消費して、デッキからランダムに3つ選ばれたスキルを選択して発動」のループとなる。まず敵の猛攻をいなさないことには、攻撃手段を得られないわけだ。対する敵は全員「ボス」級の手強さであり、多彩な攻撃手段でこちらを翻弄してくる。
実際に本作を遊んでみると、ゲーム体験の根幹をなすこの「パリィと回避」が、並々ならぬ誠実さで入念に設計されていることがわかる。操作としては、スティックもしくは方向キーを上に入力するとパリィ、左右で左回避/右回避、下でしゃがみ回避となる。敵のモーションを見切り、適切な方法で対応しなければならないわけだ。なお、パリィを回避で代用して安全を取ることもできるが、回避ではマナがあまり回収できず、また薙ぎ払いといった攻撃はしっかり当たってしまう。

敵は緩急織り交ぜたバリエーション豊かな攻撃で、パリィ・回避の瞬時の使い分けを迫ってくる。難易度にもよるものの、迷えば速やかに死が訪れる調整だ。その一方で、理不尽さはない。というのも、モーションが「わかる」ように徹底して作られているのだ。出足をじっくり観察すれば攻撃の種類がわかり、出が早い攻撃には煌めくようなエフェクトが、怒涛の連撃もリズムは頑なに一定で、十分に学習すれば必ず何がくるかわかるように作られているわけだ。これは高難度アクションゲームにおいて重要なポイントであり、何度敗北しても悔しながらに「自分が悪い」と思える設計がきちんとなされている証拠だろう。
また、敵のバリエーションが「パリィ・回避して反撃」というシンプルな遊びを豊かに発展させている点も嬉しい。シンプルな斬撃もあれば、収束する照準にあわせて連射される銃弾をリズミカルに凌いだり、敵の攻撃魔法属性を見極めて適切に回避するギミックがあったりと、あの手この手で楽しませてくれる。パリィアクション好きの筆者に言わせれば、パリィの遊園地だ。
ほかにも、スキルデッキとキャラクターの組み合わせによっては「パリィと回避をとにかく繋げ続けて、コンボを貯めて極大ダメージで勝つ」「回復やシールドを重視して、安定して粘り勝つ」などの戦略も取れ、遊びの幅が広がる。パリィと回避に慣れてくれば、効率のよいスキルの発動順にも気を配る余裕が出てくる。プレイヤーの「上手くなりたい」という気持ちをそそるゲームプレイが実現されていると感じた。本作のさらに詳細なシステムや手触りは、現在Steamにて配信中のデモ版をプレイして確かめてもらうのがよいだろう。
この『Witch the Showdown』を開発したのはいかなる人物なのか、配信日の思惑はなんなのか。Citales Gamesとして活動する2人の開発者にインタビューした内容をお伝えする。
──自己紹介をお願いいたします。
桐生七(以下、桐生)氏:
桐生と申します。共同プロデューサーのような役割と、プログラムやスキルカード周りなどを担当しています。本日はよろしくお願いします。
斎藤タカシ(以下、斎藤)氏:
斎藤です。その他諸々……というより、実質上メインで開発をやっています。よろしくお願いします。


──本作はデモ版も配信されていますが、反響はいかがですか。
斎藤氏:
日本国内だと音楽ゲーム好きや格闘ゲーム好き、特にトレーニングモードが好きな人から評価をいただいている気がしますね。ちまちまとずっとボスと向き合っていくゲームなので、その辺りが日本のユーザーに刺さったんじゃないかなとは感じています。
桐生氏:
『Witch the Showdown』はシングルプレイのゲームですが、もともとは対戦ゲーム好きの私が「対戦ゲーマーが1人プレイでも楽しんでくれるように」と企画したタイトルです。歳をとってくると対戦ゲームは疲れてくる傾向がありますが……(笑)、そういう人たちも1人で楽しめる難易度にしているので、是非手に取っていただきたいなと思います。デモ版のアンケートなどを見ると、対戦ゲーマーはどちらかといえば英語圏に多いんです。ぜひ、日本の対戦ゲーマーにも遊んでもらいたいですね。

──では、オンライン対戦モードの実装可能性もあるのでしょうか?
桐生氏:
実はちょくちょくリクエストされるんですが、イメージしてみても、どうやっても面白くなる未来が見えないんですよね。もしも奇跡的に面白くする方法が思いついたら、いつか、作るかもしれません。10年後かいつかわかりませんが……。
──パリィを盛り込んだゲームを個人的にもよく遊ぶのですが、どうしても不満が目につくこともあり……。一方で、『Witch the Showdown』では、そうした不満に繋がる部分や、「納得いかない感」の原因がないよう丁寧に設計されていました。設計にあたって気をつけていることはありますか。
斎藤氏:
とにかく「親切にしよう」という点には常に気をつけていますね。なので、実際に『Witch the Showdown』を触ってみて、「意外と意地悪じゃないな」と感じていただけるよう気を配って開発しています。ただ、「初見殺し感」といった部分も同時に大切にしています。
たとえば、敵の攻撃がよくよく観察するとリズミカルだったりする部分は「親切」として設計していますし、「意地悪」の面では攻撃判定の持続を思いの外長く取ってみたりとか。「プレイヤーにストレスはかけないようにしよう。ただし血圧は上げよう」という意識については本当に気をつけています。
それから、「移動がないぶん調整がしやすい」という点もありますね。ほかのパリィ要素のあるアクションゲームでは、やはり自由に移動できるぶんタイミングが取りづらかったりもするでしょうし……。本作ではバグを避ける目的もあり移動がない設計にしたのですが、そのおかげで結果的にパリィに集中しやすいゲームになりました。音楽ゲームのように仕上がったのではないかと思っています。

──初のゲーム開発をするにあたって、Unreal Engine(以下、UE)を選ばれた理由はなぜでしょうか。
桐生氏:
私たちはいずれもプログラマーじゃないんですよ。私は最初に「C言語を勉強しながらやろう」思ってUnityを選んだんですが、独学での勉強だとどうしても微妙にわからないところが存在しまして。「もうゲーム作れないかもしれん」という話すらしていました。
そこで、UEに「ブループリント(Blueprints)」というビジュアルスクリプティングシステム(視覚的・直感的にプログラムを制作できる仕組み)があると知りまして。調べたところ、PLAYISMさんから発売されている『星のハルカ』(開発はatelier mimina)というゲームがブループリントをフルに活用して開発されたとのことで、それなら私たちでも出来るんではないかと相談しました。実際にUEでブループリントを使って開発してみたところ、「これなら作れる」という手応えがあり、そちらに移行した流れですね。UEはグラフィック面もやりやすいですし。
斎藤氏:
そうですね、UEが「デザイナーに良い」という評判はしばしば聞いていて、実際に触ってみるとかなり納得しましたね。デナイナー、あるいはグラフィッカーにとって、エディターがすごく使いやすいとの実感もありました。
──本作は経済産業省による「創風」というプログラムの支援を受けています。具体的なサポート内容や、経産省との関係性は実際どのように感じていますか。
桐生氏:
創風自体も変化しているので、あくまで私の経験でのイメージとなりますが、創風1期を立ち上げられた経産省の方はかなり若く、熱意のある方でした。今は違う方が担当者となっている様子なのですが、私の時はそうした熱意のある方が本当にしっかりサポートしてくださって、とても助かりました。私たちはゲーム制作が初めてなので、本当にいろいろ聞くことができて、いろいろなプロの方に教えをいただくことができましたね。
2年前のTGSでは「創風」のブースに出展したのですが、パブリッシャーのPerp Gamesさんにはそこでお声がけをいただきました。
──本作を作る上で、「ここがきつかった」「苦労した」という部分はどこでしょうか。
斎藤氏:
UIはとにかく大変でした。というより、現時点で「大変だな」と思ってます。ゲームバランスや敵の攻撃のバランス・タイミング、エフェクトの見やすさなど、そういった部分もすべて大変なので……。どれかが特別大変というより、全部大変ですね。

桐生氏:
プログラム担当としては、そんなに大変だった部分がないんですよね。私は最初の方にがっつり開発に取り組んだくらいで、初めての開発で各要素のボリューム感もお互いわからず、私はグラフィックが全然出来ないので任せて……としていたら、気づけばもうグラフィックの作業しか残っていない状況で……。
斎藤氏:
プログラム部分は結構あっさり終わっちゃったんです。
桐生氏:
そうそう。モーションは一応2人で制作してはいるんですけど、バランス調整やグラフィックなど斎藤の担当分野が多く残っていて……。私はこっそり別のチームで新作を作っているので、そちらに注力しているかたちですね。
──桐生さんは、「UE5ゲーム開発見習い」を自称されてはいますが、こうしてリリースを間近に控えるところまで辿り着かれました。これからゲームを作る方、ゲーム開発で悩んでいる方に伝えたい「知っておきたかった」ことはありますか。
桐生氏:
難しいですね。私たちは「作る以上は売ろう」という考えで開発を始めたんですが、純粋に趣味で作る方もいると思います。「売るのか、趣味なのか」どちらを目指すのかは考えておいた方がいいとは思います。もちろん販売や売上に興味がないゲーム開発も良いことですが、売るとなったらすごく大変なので覚悟は必要ですね。
──商売にするとなると心構えも変わってきますよね。本作は11月に早期アクセス配信を開始しますが、どういった気持ちで臨まれていますか。
桐生氏:
もし売れたら……ボスキャラを追加したり、継続的にアップデートしたりしていきたいと思っています。Steam版だけアップデートしていくのは申し訳ないので、Perp Gamesさんにお任せしているコンソール展開についても、しっかり売れてほしいと思っています。

──発売日となる11月19日は、あの『GTA 6』の発売日ですよね。決定に際して、周りから止められませんでしたか。
桐生氏:
あれは、実は私が発売元のPerp Gamesに提案しまして。許可をいただけたので、勝負させてくれと。理由もちゃんとありまして、本作は欧米での認知度が今ひとつなので、わざと『GTA 6』にぶつけて話題になれば……という狙いです。もうひとつ、ぶつけるのは早期アクセスとしての配信開始なので、仮にここで失敗しても「まだ正式リリースがあるよね」という考えもありました。
──最後に、AUTOMATON読者にメッセージをお願いします。
桐生氏:
AUTOMATONの読者層には、刺さる可能性が高いゲームなんじゃないかなと思ってます。デモ版を試しに触ってみてくれたら非常に嬉しいですし、面白くなかったら「これはそういうゲームだな」って捨てる感じでいいので……。マニア向けなゲームだと思いますが、マニアな人もマニアじゃない人も「面白そうだ」とちょっとでも思ったら、触ってみてほしいです。
斎藤氏:
コアゲーマー向けのゲームなので、難しいゲームが好きな人に是非手に取っていただきたいです。よろしくお願いします。
──ありがとうございました。
『Witch the Showdown』はPC(Steam)向けに11月19日に早期アクセス配信予定。2027年にはPS5/XBOX Series X|S向けにも発売予定だ。
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