『バトルフィールド6』開発リーダー、『2042』から「やってはいけないことを学んだ」と打ち明ける。こっそり『6』の“実験場”にもしていた
『Battlefield 6』の開発リーダーによると、『Battlefield 2042』は「やってはいけないことを学ぶ助けになった」という。

『Battlefield 6』においては、前作『Battlefield 2042』から得た“教訓”も存分に活かされたようだ。開発リーダーによると『Battlefield 2042』は「やってはいけないことを学ぶ助けになった」という。
『Battlefield 6』は人気FPSシリーズ『Battlefield(バトルフィールド)』の最新作だ。対応プラットフォームはPC/PS5/Xbox Series X|S。EAが販売を手がけ、同社傘下のDICE・Ripple Effect・Criterion Games・Motive StudioからなるBattlefield Studiosが開発を担当している。
本作の世界では世界有数の民間軍事会社パックス・アルマータが台頭し、NATOとその同盟国の破壊を追求する活動を繰り広げている。キャンペーンモードでプレイヤーは、その新勢力の背後で暗躍する存在や、真の目的に迫る。また最大64人の大規模戦を持ち味とするマルチプレイモードも健在だ。

今回、本作の開発リーダー陣が海外メディアGQのインタビューにておこなった発言が話題を呼んでいる。なかでもDICEにてリードプロデューサーを務めるDavid Sirland氏は、シリーズ前作にあたる『Battlefield 2042』について「やってはいけないことを学ぶ助けになった」と言及。さらに開発チームでは、『Battlefield 6』における要素の多くを、『Battlefield 2042』でこっそりとテストしていたという。なおDavid氏は2020年5月にいちどDICEを退職し、2022年11月に再入社した人物。『Battlefield 2042』のリリースまでの開発には直接携わっていないものの、同氏の語るところによれば、リリース後には『Battlefield 6』に向けたさまざまな試験的取り組みがおこなわれていたようだ。
『Battlefield 2042』といえば2021年11月の発売当初、不具合やパフォーマンス問題が続出。最大128人対戦といった新システムの調整不足が指摘されたり、従来の兵科(クラス)システムに代わって採用されたスペシャリストシステムへの不満の声が上がったりなど、多くの問題が浮き彫りとなった(関連記事)。その後アップデートによる改善もおこなわれ、ユーザー評価は一定の持ち直しを見せたものの、コミュニティには発売当初のイメージが根深く残っていた。
なおそうしたアップデートの中では、各種マップに多岐にわたる調整が施されたほか、兵科システムの復活や最大64人対戦の復刻といった施策もおこなわれていた。このほか『Battlefield 2042』でもユーザーによってマップやサーバー設定がカスタマイズ可能なサービス「バトルフィールド・ポータル」が展開されていた。

具体的にどのようなテストが“こっそり”おこなわれていたのかは不明ながら、賛否両論となった要素やその後の施策などは本作『Battlefield 6』の礎となったのだろう。また本作は7月の正式発表前からコミュニティテストプログラム「Battlefield Labs」を通じてじっくりと開発が進められていた。対する『Battlefield 2042』ではDICEの元スタッフの証言として「締切に追われた」状態で、改善の余裕がないままのリリースであったことも示唆されていた(関連記事)。開発スケジュール面でも、やってはいけないことの学びがあったのかもしれない。
いずれにせよ、『Battlefield 6』は大盛況を博しており、発売初日には最大同時接続プレイヤー数が約75万人を記録(SteamDB)。その後も連日ピーク時には40万人~50万人が同時接続する賑わいを見せており、ゲームプレイ面には概ね好評が寄せられてきた。ゲーム市場のデータ分析会社Alinea Analyticsによると発売後5日間での売上本数は700万本と推計されているという(GamesIndustry.biz)。『Battlefield 2042』から得た教訓を活かし、汚名返上を果たしたと言えるだろう。
一方でユーザーからは課題点も指摘されており、たとえば現状の仕様上「カスタム検索で指定した条件でマッチングできない」点には不満が寄せられ、開発者が改善を表明している。また兵科のガジェットや武器のアンロックに手間がかかる仕組みを課題とする声が見られるなど、調整が期待されている部分はある(関連記事1、関連記事2)。10月28日からはシーズン1の開幕も控えており、長期的な運営において盛り上がりが継続していくかどうかにも注目したい。
『Battlefield 6』は、PC(Steam/Epic Gamesストア/EA app)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中だ。