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「『マイクラ』で地球丸ごと再現」プロジェクト、壮大すぎてギネス認定される。6年かけて完成率1%未満、完成まで推定100年
ギネス世界記録は10月19日、『マインクラフト』のプロジェクト「Build The Earth」運営チームの一人Bruno Gideon Bergheim氏への取材記事を公開した。

ギネス世界記録は10月19日、『マインクラフト』(以下、マイクラ)のプロジェクト「Build The Earth」(以下、BTE)運営チームの一人Bruno Gideon Bergheim氏への取材記事を公開した。本プロジェクトは2025年6月に「世界最大の『マイクラ』プロジェクト」として認定されたものである。
BTEは『マイクラ』で1ブロックを1辺1メートルとして、原寸大の地球を再現するプロジェクトだ。2020年にYouTuberのPippenFTS氏が企画を開始した。同氏は現在はプロジェクトを離れているが、開始から3か月で30万人のメンバーを集めた本プロジェクトは現在も世界各地の約60チームに分かれて活動している。

本プロジェクトでは、PippenFTS氏がModを駆使することで現実世界の地形をゲーム内に自動生成できる仕組みが開始当初から整えられていた。具体的には、高さの制限をなくすMod「Cubic Chunks」とGoogleマップなどの地形データを取得し、『マイクラ』上に出力する「Terra 1 to 1」が利用されていた。一方で細かいブロック表現の違いや地形の修正の必要があり、世界各地の担当チームがそうした対応や地形の上に建造物を建てる取り組みをおこなってきた。現在では新しいバージョンの『マイクラ』への移行も進められており、新たな地形生成プラグインも活用されている。
こうしてベースが作られたプロジェクトは前述のとおり現在60のチームに分かれている。各チームは独自の組織とサーバーを保持しており、それらのチームをGideon氏も所属する「International Build The Earth Project」がゆるく統括しているかたちだ。もはや一大国際組織である。これだけのコミュニティを調整するには多くの苦労があったようで、BTE内では、担当地域の“国境争い”、組織の乗っ取りなど大小さまざまな対立が発生したという。「『マイクラ』に国境はなく私たちは一つのコミュニティですが、私たちは皆人間です」とGideon氏は語った。

これだけの巨大なプロジェクトであるとクオリティの担保も課題となる。建物を再現する際、『マイクラ』のブロックでそのまま建てられるものはほとんど存在しないという。そうした差異をうまく表現するスキルを新メンバーに伝えつつ、現地の計測を行うこともあるそうだ。近くにいるメンバーが写真を撮りに行くこともあり、Gideon氏はアフリカの僻地まで向かったこともあるという。なかには、太平洋の島国の閣僚にZoomを通じて標高データの提供を依頼したり、バチカン市国を再現するメンバーが写真などを求めて広報室に連絡を取ったりしたこともあったようだ。
また、技術面や費用面の問題も存在。BTEは現在全体で数百ギガバイトの容量となっており、プロジェクトへの寄付はこうしたストレージにほとんど費やされているという。Gideon氏自身も私費を投じているとのこと。また、デジタルな資産を長期的に保存することも重視している。過去には数か月分の作業データが失われたことがあり、再発防止のために定期的にバックアップを作成。なんとバックアップのうちの1つは、非営利プロジェクトVideoLANによって月に送られたこともあるそうだ。地球規模のプロジェクトらしい壮大さといえる。
こうした数々の課題を乗り越えつつ進められているBTEについてGideon氏は教育に取り入れたいと考えているそうだ。本プロジェクトは開始当初、平均年齢が15歳であったそうだが、その年齢でこうした大規模なチーム作業に参加したりリーダーを務めることは貴重な経験になるだろう。また、BTEそのものも現地に行く機会がない人にとって実際にスケールを感じることのできるデジタル空間となる。実際にBTEはいくつかの教育現場で使われたことがあり、2025年にはスイスの博物館Musée Visionnaireで、現実世界をどのように捉えるかをテーマとする展覧会に出展している。ただのゲームにとどまらない展開もうかがえる。

しかし、BTEが現在完成させている空間は地球全体の1%にも満たないという。Gideon氏はプロジェクトが“完了”するまでにはおよそ100年かかるだろうと見積もっている。一方で、現実では今も建物が建てられ、取り壊されている。こうした変化を考えると本プロジェクトには終わりがないともいえる。ただGideon氏は個人的にはすでにBTEは“完成”しており、日々完成度が高まっていると捉えているそうだ。誰でも参加できるコミュニティで建築をするプロセスそのものがBTEであるという考えのようだ。

さまざまな困難を乗り越えつつも、ギネス記録にも認定され、巨大なコミュニティが日々積み重ね続けるBTE。開始から約6年が経過した現在、公式サイトによれば再現できた地表の面積は1100平方キロメートルであり、これは地球の表面積約5億1000万平方キロメートルに比べれば1%にも程遠いが、今後どのような建物が再現されていくのか、コミュニティはどのような発展を遂げていくのか、引き続き注目していきたい。なお、BTEには日本チームも存在する。興味がある方は公式サイトから確認してみるとよいだろう。
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