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あるゲーム開発者、新作発表後に「だいぶ似てるAI製ゲーム」が現れて困惑。“似てるだけじゃない”ゆえのつらさ、クローンとも言えない
見た目やコンセプトが似ているだけでなく、同氏の作品よりはるかに多くのシステムが盛り込まれているとして、クローンである確信はないものの悲しみを見せている。

海外掲示板Redditにて、インクリメンタルゲーム『Crown Me Again』を手がける_Powski_氏より、自身の作品のAIクローンが作られたのではないかという懸念が投稿された。見た目やコンセプトが似ているだけでなく、同氏の作品よりはるかに多くのシステムが盛り込まれているとして、クローンである確信はないものの悲しみを見せている。
『Crown Me Again』は、落ちぶれたスカルキングとなり、押し寄せる冒険者たちを撃退していくハクスラインクリメンタルゲームだ。プレイヤーは玉座から動くことができず、カーソルの位置に自動的に攻撃をおこなう。しかし、敵の数は多くいずれは倒されてしまうだろう。そこで戦いの中で獲得した装備品を組み合わせ、強力なシナジーを生み出し、より長く生き残りを目指す。7タイプの装備品には5段階のレアリティがあるほか、挑戦するたびに強くなる永続的な成長要素も用意されている。

本作は9月末に発表と同時にSteamストアページが開設され、2027年第1四半期にリリース予定となっている。本作を手がけるThe Code Otter(_Powski_氏)によれば、カーソルでノードを破壊するインクリメンタル『Nodebuster』に、ハクスラRPGのような戦利品によるビルドシステムを組み合わせるアイデアに革新性を感じていたという。本作は同氏がリリースする初のゲームであり、Redditへの投稿時点で10か月以上かけて開発し、9月末からのマーケティングにより2000件のウィッシュリストを獲得したそうだ。
しかし、そんな本作にコンセプトが似ている別のゲーム『King Dies Rich』が登場した。同作もハクスラインクリメンタルゲームとなっており、プレイヤーは玉座から動かずにカーソルの位置に自動攻撃をおこなう。力尽きたあとには、7種の装備品によるビルド構築や永続強化をして次の戦いに挑んでいく。ピクセルアートの採用や玉座から動かず戦うシステム、戦利品によるビルド構築サイクルなど、似ている要素は多いだろう。
コンセプトが似ていることから、_Powski_氏は自身のゲームがコピーされたのではないかと懸念を表明している。というのも、同氏の『Crown Me Again』は先述した通り9月末に発表されたのだが、SteamDBによれば『King Dies Rich』がSteamに登録されたのは日本時間で10月3日。そして10月22日に正式発表され、11月13日にリリース予定となっている。加えて、10月12日には基本プレイ無料のAndroid版およびブラウザ版も公開されている。
同作のストアページを見ると、グラフィックアセットを手作りしたとされている一方で、アニメーションや効果音などは生成AIによって制作されたことが明かされている。また、同作を手がけるOutlaneからは、10月2日に同社初となるゲームがリリースされたばかり。時系列として『Crown Me Again』の発表直後から活動している様子が確認でき、AIによってクローンとして開発された可能性は考えられそうだ。
一方で『King Dies Rich』には、『Crown Me Again』にない要素も多数存在。戦利品として獲得する宝石は、合成して強化することができ、玉座にはめ込むことでバフが得られる。装備品は店で売買できるほか、鍛冶屋で強化することもできる。獲得したゴールドで永続強化ツリーを解放していくと、王国が発展していく。4つのステージと終わりのない難易度が用意されており、敵やボスは図鑑に登録され、倒した数に応じて報酬が得られる。伝説の装備は秘宝庫に収められ、永続ボーナスも増えていく。基本プレイ無料版では、毎週ほかのプレイヤーと競う攻城戦がおこなわれる。コンセプトは似ていても、用意されたコンテンツは大きく異なるゲームとなっている。
こうした状況について_Powski_氏は、自身の『Crown Me Again』よりもはるかに多くのシステムがあると認めつつ、どう受け止めればいいのか困惑と悲しみを見せている。同氏はAIに「似たゲームを作って、より深みを与えろ」と指示したのではないかと推測している。
実際、Redditユーザーからは単に似ているだけと指摘する声も上がっている。またそもそも『Crown Me Again』は『Nodebuster』に影響を受けたとしており、同様に『Nodebuster』に影響を受けた作品はこれまでにいくつも登場している。『King Dies Rich』もほかの作品から影響を受け、偶然似通った要素をもった可能性はあるだろう。また、『Crown Me Again』は発表時に大きな話題になったとはいえず、デモ版も公開されていない。比較的反響の少ない作品をコピーするメリットは薄く、デモ版などのゲームプレイ感覚が分からなければ、多くのシステムを追加したうえでバランスを調整するのは依然として手間がかかるのではないかという指摘だ。とはいえ、デモ版などがリリースされる前からアイデアをもとに多くの類似ゲームが乱立してしまった『Needle In A Haystack Simulator: 干し草の中の針』などの例もあり、開発やリリースの進捗だけを理由に判断することできない(関連記事)。
昨今は生成AIの進化によって、特にインディーゲーム開発が高速化している。発表されて話題となったゲームのクローンが即座に『Roblox』に公開されたり、クローンゲームを発売されたくなければお金を払えという脅迫がおこなわれたりした事例まである(関連記事)。開発者にとって、作品の発表後に似たゲームが登場し、さらに独自要素も追加されるような状況は、創作意欲を大きく損なう脅威だろう。
今回の事例ではどちらとも言い切ることはできないが、仮に『Crown Me Again』のクローンとして制作が始まっていたとしても、多数の独自要素が盛り込まれている『King Dies Rich』は、その時点で異なる作品であるとも見なされうる。AIの急速な進化によって、今後も同じような事例が発生する可能性もあり、こうした線引きの難しさは、AI時代のゲーム開発の根深い問題となっていきそうだ。
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