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「基本プレイ無料ゲームは衰退していない」との市場分析。『鳴潮』などRPG系が健闘、ただし“掛け持ち”事情がネックに
基本プレイ無料ゲームのプレイ時間は横ばいの傾向であり、深刻な衰退は生じていないという見解が示された。一方で、その内容や収益については変化が見られるようだ。

ゲーム関連の市場調査会社Newzooは9月30日、基本プレイ無料ゲーム市場についての分析レポート「Free-to-play in 2026」を公開した。本レポートでは、基本プレイ無料ゲームのプレイ時間は横ばいの傾向であり、深刻な衰退は生じていないという見解が示された。一方で、その内容や収益については変化が見られるようだ。
「Free-to-play in 2026」では、公開情報やNewzoo独自の消費者調査に基づくデータ集積プラットフォーム「Game Performance Monitor」を利用して分析がおこなわれている。対象は中国とインドを除いた主要37市場で、収益分析については米国・イギリス・ドイツ・フランス・スペイン・イタリアのみの分析となる。また、比較対象として有料ライブサービス、買い切りゲームのグループも追跡、『Call of Duty』『Roblox』『フォートナイト』『マインクラフト』の4タイトルは、その規模から分析を歪める可能性を考慮し、個別に集計されている。

本レポートによると調査対象全体の中で基本プレイ無料ゲームのプレイ時間のシェアは2025年に29.3%となっており、2021年と比較して2.9ポイント減少している。とはいえプレイ時間の減少はわずかで横ばい傾向であり、基本プレイ無料ゲーム自体の人気が下がったというよりは有料タイトルや、個別分析している『Roblox』のプレイ時間増加による相対的なもののようだ。
こうしたプレイ時間は、プラットフォームを分けてみるとPCでは増加していた。一方PlayStation/XBOXでは実際にプレイ時間は減少傾向にあるとのこと。ただし、プレイ時間の減少は一部の既存作品に集中しており、Newzooは基本プレイ無料というビジネスモデル全体の傾向を示したものではないと分析しているそうだ。

このような横ばい状態のなかで大きくシェアを伸ばしているのが『鳴潮』のようなガチャ系RPGだ。特にPCにおけるプレイ時間の増加が確認されており、2021年から2025年にかけて92%増加しているという。具体的には、『鳴潮』『崩壊:スターレイル』『ゼンレスゾーンゼロ』の3作品だけで2025年までに11億時間のプレイ時間を追加したとのことだ。裏を返すと、こうしたタイトルの伸長に対して、基本プレイ無料タイトル全体としては横ばいということは、任意のスキン課金などによって収益を維持する対戦系の基本プレイ無料タイトルなどはシェアを落としていると考えられる。
しかし、こうしたガチャ系RPGの成長は新たなプレイヤーの獲得につながっているとはいえないようだ。Newzooはこうした成長の一方で、プレイヤー層には重複が見られるとしている。つまり、新たなプレイヤーが大きく増えているわけではなく、すでに基本プレイ無料のガチャ系RPGをプレイするユーザーが、他の作品へと渡り歩いているにすぎないと推測しているわけだ。
また、作品名は明かされていないが、上位5タイトルの収益シェア比率は減少傾向にあるのだ。課金については分散傾向にあることがうかがえる。掛け持ちプレイヤーが多いことはこの事象にも関連しているのかもしれない。また、Newzooはこうしたプレイ時間の増加が、それと比例した収益増には繋がっていないともしており、プレイ時間と収益化の隔たりを指摘している。

さらに、基本プレイ無料タイトルの登場本数も減っているという。新作数は2017年の36タイトルをピークに減少しており、2023年から2025年の平均リリース数は14.7本となっている。背景としてNewzooは開発コストの増加、リスクの拡大、既存作品の存在などを挙げている。
Newzooの分析を見る限り、基本プレイ無料ゲームは「衰退している」というより、その内訳が変化しつつあるようだ。特にPCではガチャ系RPGが存在感を増し、同じプレイヤーが複数作品を行き来する傾向もみられる。一方で、プレイ時間の伸びがそのまま収益増にはつながっておらず、新規の作品も減少傾向にある。基本プレイ無料市場自体は健在ながら、各タイトルがプレイヤーの時間を獲得し、それを持続的な収益へ結びつける難しさは増しているといえそうだ。

ところで、基本プレイ無料の対戦系タイトルの中では、人気の傾向は移り変わっているようだ。過去のNewzooの分析では、PC/コンソール全体のプレイ時間に占めるシューター系作品のプレイ時間の比率が2021年から2024年にかけて6%ポイントの増加を見せた一方で、バトルロイヤル系では7%ポイントの減少となっていた(関連記事)。今回の調査とは異なる軸での分析となるものの、基本プレイ無料ゲーム市場の変化を捉える上では、各ビジネスモデルと相性の良いゲームジャンルのトレンドも、切り離せない要素となるのかもしれない。
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