オートチェス風ローグライク『Guild of Rogues』Steamにて日本語対応しデモ版を配信。日本のウィッシュリスト登録者数が想定以上だったため、急遽デモ版から日本語対応
デベロッパーのRoots Gamesは2月6日、『Guild of Rogues』のデモ版をSteamにて配信開始した。ゲーム内は日本語表示に対応している。本作はもともと日本語対応の優先順位は高くなかったが、日本からのウィッシュリスト登録数がとても多かったため早期の対応をしたという。
『Guild of Rogues』はオートバトル・ローグライクゲームだ。プレイヤーはミニオンとよばれる手駒を集めて自軍を強化していき、戦いを勝ち抜くことを目指す。
ゲームプレイは、縦横5マスずつの盤面にて進行する。ターンごとに盤面上に自軍と敵がランダムで配置され、オートで戦闘をおこなう。敵は基本的に行動せず、代わりにターンごとにカウントダウンがおこなわれ、カウントがゼロになると敵の数に応じてプレイヤーのライフが減らされる。規定ターンが過ぎてダメージを負う前に敵を全滅させ、次のステージに進むのがゲームの目的となる。
味方のミニオンはそれぞれ能力値や効果、派閥などが異なり、シナジーを考えながら集めていくことになる。たとえば大砲ミニオンは高い攻撃力をもつが、3ターンに一回しか攻撃することができない。しかし黒ひげミニオンはゴールドを消費することで毎ターン大砲に攻撃させられる能力をもち、そして海賊ミニオンは定期的にゴールドを得る効果をもつ。こうしたミニオン同士を連携させることで、最終的に高い火力を発揮することができる。
ミニオンは毎ターン配布され、3体からひとつを選んで入手できる。手持ちの数はどんどん増やしていくことができるが、盤面上には最大でも25体のミニオンしか配置できない。手持ちの数が超えている場合、配置されるミニオンはランダムで決まり、あぶれたミニオンは戦闘に関与できなくなる。不要なミニオンは捨てることができるが、捨てる際にはゴールドを消費する。
また自軍の強化要素としてレリックが存在。ステージをクリアするごとに入手できるレリックは、プレイ中自軍全体に効果を及ぼす強化アイテムとなる。レリックとミニオンを組み合わせることで、さらに高いシナジーを生み出せるようだ。レリックの引きに合わせてミニオンの構成を調整するといった戦略も求められるだろう。
本作を手がけるRoots Gamesはブラジルに拠点を置くインディースタジオだ。個人開発者のVinícius Rutes氏が運営している。同氏はポルトガル語の翻訳者として働いていた経験があり、本作もできるだけ多くの言語に対応したいと思っていたという。しかし日本語の翻訳者とのツテがなかったこともあり、当初は日本語対応の優先順位は高くなかったようだ。
しかしながら昨年10月、日本のインディーゲームキュレーターIndie Freaksが本作を取り上げたことにより、日本から大きな注目を集めたそうだ(関連記事)。日本の多くのSteamユーザーが本作をウィッシュリストに登録し、ストアページへのアクセスがもっとも多い国となったため、できるだけ早く日本語に対応することを決めたという。本稿執筆時点でストアページに日本語対応の表記はないが、現在公開されているデモ版はすでに日本語に対応しており、4月に予定している早期アクセス配信開始時点、そして将来の正式リリースの際も、日本語に対応する見込みとのことだ。
ウィッシュリスト登録者の国や地域を参考にローカライズの優先順位を決めるのは、よく聞かれる手法である。たとえばTHQ Nordic Japanは『Jagged Alliance 3』など複数タイトルで「日本語対応応援プロジェクト」の案内を掲載し、作品のウィッシュリスト登録を呼びかけている(関連記事1、関連記事2)。また『A Highland Song』開発元は、同作の日本からの高い反響を受けてローカライズを真剣に検討(関連記事)。一方で、需要が確信できなかったとして、一時対応していた日本語が削除された例も過去には存在している(関連記事)。
良くも悪くも、ウィッシュリスト登録数などユーザーの反応で、ローカライズの対応が左右されるとされている。当初優先順位が高くなかったという日本語対応が早期に実施された本作は、ウィッシュリスト登録が開発元を動かすことがあるという、よい例といえそうである。
『Guild of Rogues』はPC(Steam)向けに、4月に早期アクセス配信開始予定だ。また現在デモ版が配信されている。