韓国のインディーゲームスタジオProjectMoonは2月27日、『Limbus Company』を配信開始した。対応プラットフォームはPC（Steam）/iOS/Android。基本プレイ料金は無料となっている。また本作では、10万人以上のプレイヤーが同時に接続したことで、緊急メンテナンスが実施。プレイヤーからは、詫び石ならぬ「詫び狂気」の配布が期待されていた。記事執筆時点では、2次メンテナンスの終了により、再びプレイ可能となっている。
『Limbus Company』は、各地に残された「ロボトミーコーポレーション」の支部を巡り黄金の枝を回収する、罪悪共鳴残酷RPGだ。本作の舞台は26区に分かれ、それぞれの区を巨大企業が管理する「都市」となっている。ProjectMoonによる『Lobotomy Corporation』および『Library Of Ruina』と同じ世界観である。都市には、かつて幻想体と呼ばれる異常な存在を隔離・管理してエネルギーを生み出す会社、ロボトミーコーポレーションが存在していた。ある事件により同社は没落してしまうが、各地に残された同社支部には、技術の精髄たる「黄金の枝」や、危険な幻想体たちが残されていた。本作の主人公は、管理人と呼ばれる記憶喪失の人物だ。プレイヤーは管理人となり、12人の囚人たちを指揮。黄金の枝を求めて、危険な旅へ出ることとなる。ProjectMoonの描いてきた世界を舞台とした、新たな作品が展開される。
管理人は旅の途中、立ちはだかる相手と戦いを繰り広げていく。本作の戦闘では、ターン制のバトルが展開される。プレイヤーは囚人たちの行動を指示。各ターンの行動を選ぶことで、敵を退けていくのだ。またゲームの要素としては、いわゆるガチャに相当する要素の「抽出」やレアリティなども存在。抽出においては、ゲーム内通貨の狂気を支払うと、新たな人格やE.G.Oが確率で入手できる。なおSteamでは、前作『Library Of Ruina』は1万6300件以上のユーザーレビューによりステータス「非常に好評」を獲得。前前作『Lobotomy Corporation』では、2万1700件以上のユーザーレビューにより、ステータス「非常に好評」を獲得している。Steamの評価数も多いが、ProjectMoonは両作を通して多数のファンを獲得しており、新作『Limbus Company』もリリース前から多くのプレイヤーの期待が集まっていたことも特徴だろう。
そんな本作『Limbus Company』が2月27日に配信開始された。しかしProjectMoonの告知によると、10万人以上のプレイヤーがサーバーに接続。プレイヤーの殺到でサーバーが不安定になり、緊急メンテナンスが実施されることとなった。記事執筆時点では、2次緊急メンテナンスの完了が告知されており、日本時間27日15時でメンテナンスが終了したようだ。
ところで、基本プレイ無料のサービス運営型タイトルのメンテナンスといえば、思い浮かべるのがいわゆる「石」の配布だ。緊急メンテナンスなど不測の事態が起こった際のお詫びアイテムの配布は、もはやお約束であろう。本作のプレイヤーたちも、緊急メンテナンスの実施に応じて、いわゆる詫び石の配布に期待。本作の場合においては、石に相当するゲーム内アイテム名称が「狂気」であるため、詫び石ならぬ「詫び狂気」の配布が期待された。ProjectMoonから詫び狂気の配布が発表されたわけではなかったが、字面の強さも相まって一時はTwitterのトレンドにも取り上げられることとなっていた。なおProjectMoonの告知によると、実際に配布されるのは抽出10回チケット2枚。詫び狂気ではなく、狂気2600個相当のガチャチケットの配布となっている。今回は詫び狂気の配布とはならなかったものの、実現する日が来るのかもしれない。
【UPDATE 2023/2/28 17:31】
ProjectMoonは2月28日、『Limbus Company』のアップデート1.0.1を配信した。バージョン1.0.1では、アカウント連携が正しく行われない現象やチャプター2-18の戦闘難易度などが修正されている。また問題が頻発している状況に対して、抽出10回チケット1枚と、狂気1300個が配布されている。「詫び狂気」が話題になってから1日、本当に詫び狂気が配布されたわけだ。報酬アイテムの量は前回と事実上同じであるが、今回は半分が狂気1300個となっている。ProjectMoonが、詫び狂気への期待に応えてくれたのかもしれない。
『Limbus Company』は、PC（Steam）/iOS/Android向けに基本プレイ無料で配信中だ。
