フロム・ソフトウェアは4月19日、『エルデンリング』のアップデートパッチVer.1.04を配信した。カメラの自動回転の切り替えが実装され、とあるNPCのイベントにいくつかのフェーズが追加されたほか、武器や戦技といった戦闘要素のバランス調整も実施されている(関連記事)。さらに、今回のアップデートでは、かねてから話題となっていた不可解なバグがいくつか修正されているようだ。『ダークソウル』シリーズなどの分析動画を投稿しているZullie氏が、アップデート後の検証をおこなっている。なお、本稿には中盤以降のエリア名や画像などが含まれているため、閲覧の際には留意されたい。
『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけたアクションRPGだ。高い難易度が持ち味となっている本作では数々の強敵が登場する。なかでも、意外な強さで知られているのが「犬」だ。体力こそ多くないものの、すばやい動きと連続攻撃でプレイヤーを苦しめる難敵だ。また、本作のダンジョンにはさまざまなギミックが用意されており、「消える壁」はその代表といえる。多くのプレイヤーは、消える壁とその先にある隠し道を求めて、怪しい壁に向かって攻撃やローリングによるチェックを続けることになる。ときには、「この先、隠し道があるぞ」との嘘メッセージに翻弄されることもあるかもしれない。
同スタジオの過去作でもほぼ常連の要素であった、意外と強い犬と、消える壁。実は本作では、この2つの要素において、不可解なバグが発生していた。具体的には、「強すぎる出血犬」と「数十回叩くまで消えない壁」だ。
まずは、強すぎる出血犬について。問題となるのは、中盤以降のエリアである血の蠢く廃墟などに登場する、爛れたような姿の犬。この犬に攻撃されることで受けるダメージが尋常ではなかった。アップデート前の仕様では、攻撃を食らうと盾を構えていようと強烈なダメージが発生し死に至る。さらにこの犬は出血持ち。出血状態になると致命的な追加ダメージを受けるため、出血犬は小型の雑魚敵でありながら、プレイヤーを瞬く間に死に追いやるほどの異常な強さを誇っていた。あるプレイヤーの試算によると、犬の攻撃は「秒間1万1640ダメージ(出血ダメージ除く)」ほどであると見積もられていた。
次に、数十回叩くまで消えない壁について。通常、消える壁は一発でも攻撃やローリングを当てることで、あっさりと消えるようになっている。しかし、不具合によって火山館に“執拗に攻撃しなければ消えない壁”が爆誕。この壁を消すためには、約40回もの攻撃が必要となっていたのだ(関連記事)。ただ、ゲームの進行上この壁を消す必要はまったくない。そのうえ、プレイヤーが攻撃不可能となる非戦闘エリアに敵が侵入してくるようになるため、明らかな不具合であった。
しかし、Zullie氏の検証動画によれば、今回のアップデートにてこれらの不具合は修正されているようだ。パッチノートにも「一部の敵において描画や挙動が想定と異なる不具合の修正」との記載あり。さっそく弊誌の方でも強すぎる出血犬について検証したところ、アップデート前ほどの熾烈なダメージは見られなかったとはいえ、出血状態による追加ダメージは相変わらず凄まじいので、油断してはいけない。火山館の壁についても検証の結果、50回以上叩いても消えないことが確認できた。
さらに、パッチノートには「不正なアイテムを他のプレイヤーに渡すことができる不具合の修正」との記載もある。そのため、先日話題となっていた“違法パンツ”の不具合も修正されているものと思われる(関連記事)。違法パンツが取り締まられたとすれば、見知らぬ褪せ人からの贈り物も、安心して受け取れるようになるはずだ。
アップデートでさまざまな調整がおこなわれた『エルデンリング』。出血犬は理不尽な強敵ではなくなったものの、これからも難敵として、褪せ人たちを苦しめていくことだろう。また、これからはすべての消える壁が一回の攻撃やローリングで確認できるため、疑心暗鬼になって入念な壁チェックをおこなう必要はなくなった(もともと進行上は必要なかったが)。なお、今回のアップデートでは、チュートリアルエリアが分かりやすく変更された(関連記事)。そのほか、とある後半のボスがマルチプレイ時に強化されていると話題になっているが、こちらは公式の意図したものではなく、新たな不具合によるものと思われる(関連記事)。
『エルデンリング』は、PC/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売中だ。
※ The English version of this article is available here