『Wo Long 2』開発者、体験版の反響に手応えあり。オープンフィールド導入の理由や前作の反省など、現状から設計の意図までいろいろ訊いた

プロデューサーを務める平山正和氏、ならびに開発プロデューサーを務める山際眞晃氏にインタビューを行った。

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来年3月4日に発売日を発表し、アルファ体験版も配信されたことで、盛り上がりを見せている
『Wo Long 2: Wings of Ember』。このたび、弊誌は東京ゲームショウ2026にて、本作品の全容を探るべく、プロデューサーを務める平山正和氏、ならびに開発プロデューサーを務める山際眞晃氏にインタビューを行った。その模様をお届けする。

『Wo Long 2: Wings of Ember』は2027年3月4日発売予定のアクションゲーム。2023年に発売された『Wo Long: Fallen Dynasty』の続編となる。開発を担当するのはTeam NINJA。対応プラットフォームはPS5/Xbox Series X|S/Nintendo Switch 2/PC(Steam/Microsoft Store)。

――まずは自己紹介からお願いします。

平山氏:
『Wo Long 2: Wings of Ember』にてプロデューサーを務めております、平山です。よろしくお願いします。

山際氏:
『Wo Long 2: Wings of Ember』にて開発プロデューサーを務めております、山際です。よろしくお願いします。

――先日リリースされた体験版の反響を教えてください。

平山氏:
体験版は「発売日告知トレーラー」の公開と同時に配信させていただいたこともあり、その点でも驚いていただけたかなと思っています。その後もユーザーの方々の反応を拝見していますが、楽しんで遊んでいただけているかなと感じています。

山際氏:
こちらが想定していた以上に、改良した部分や手を加えた点に気づいていただいていて。「こうすればいいんだよ」といった攻略情報でユーザーの間でも盛り上がっていただき、SNSなどで見ていてすごく嬉しいです。隠していた要素も皆さんに気づかれていました。

平山氏:
たとえば、「呂布」の存在を隠していたのですが、東京ゲームショウ2026の会期中に行われたステージイベントにて「製品版にも呂布が出るんですか」という質問をユーザーさんからいただき、こちらとしても「知っているんだ」と驚かされました。

――フィードバックの内容や方向性は、日本と海外で違いがありますか。

山際氏:
体験版の配信に際して、アンケートも同時に実施しているのですが、速報ベースではまだ内容を確認できていません。ただ、SNSや配信されている様子を見ている限りでは、アクション面については日本の方も、欧米・アジアの方も含めて、共通して「手触りが良くなった」という評価をいただけていると思います。一方で、日本やアジアの方は三国志が好きな方が多いので、特に今回フィーチャーしている「赤壁の戦い」について、「あの敵はあの人物なのか」といった三国志ファンならではの盛り上がりを感じていただけているようです。

――ゲームシステムについて伺います。本作で分かりやすく変わった点として、フィールドが非常に広々としたものになっていますが、そもそもなぜフィールドを広くしたのでしょうか。

平山氏:
前作では一つのステージを一つの戦場として描く形にしていました。探索やステージの「密度感」に関しては十分であったという認識でしたが、「士気ランク」の存在を中心にする探索要素が攻略のために必要な作業のように感じられてしまう、いわゆる「押し付けがましさ」が増していた、というご意見もいただいていました。

併せて、『Rise of the Ronin』や『仁王3』といったオープンフィールド系のタイトルを直近で開発していたこともあり、そのノウハウがありました。そこで「本作をオープンフィールドにしたら何ができるだろうか」と考えたときに、先述した「押し付けがましさ」の解消にあたって、攻略の自由度を持たせることができると思ったんです。また、「戦場を塗り替えていく体験」というシリーズのコンセプトも大切にしたいと思っていたので、オープンフィールドの導入を通じて一つのフィールドを一つの戦場として拡張することにより、「こちらで何かをしたら、別の場所で変化が起こる」といった、自分自身が戦場を練り歩いていく体験をより感じていただけるのではないかと考え、採用しました。

――具体的には、フィールドの中にどのような「練り歩くための仕掛け」を作っているのですか。

平山氏:
たとえば、フィールドの中にはいくつか拠点があり、そこに待ち構えている敵の武将を倒すことができます。三国志の漫画や映画で、敵を倒してその人物を自分の配下に加える、というシーンがよくありますが、そのイメージで、敵の武将を倒すことで仲間にし、フィールドに連れて歩くことができます。また、本作の新しいシステムとして「武将配兵」があり、攻略した拠点を自分の陣地として扱い、そこに武将を配置することで(『三國志』シリーズで言う内政要素に近いイメージで)フィールドの効果を高め、自分自身を強化して次に進めるようになっています。

――拠点を強化して獲得できるバフ量と、アクションのプレイスキル上達とのバランス(バフとスキル上達でボスが簡単になってしまう問題への対処、など)はどのように調整したのですか。

山際氏:
本作ではオープンフィールドにしたことで、「士気ランク」の低い拠点、高い拠点に攻め込む際に、いろいろとアプローチを用意したいと思っています。たとえば、「武将配兵」もそうですし、フィールドにあるイベントをこなすことで、フィールドに罠を設置することができます。捕虜になっている人を助ければ、どこかのタイミングでプレイヤーのもとに駆けつけてくれるでしょう。こうしたイベントやギミックを活用することで、「士気ランク」が高い拠点に対しても攻略がしやすくなっています。

――本作は「後漢末期」が舞台とのことですが、フィールドの美術やロケーションデザインへのこだわりを教えてください。

平山氏:
前作から引き続き、チームには中国出身のスタッフがおり、彼らに考証をお願いしています。日本語で調べられる文献や情報にはどうしても限界があるので、そうしたスタッフに情報を集めてもらい、中国の美術様式や武将にまつわる逸話を深掘りしながら、より伸ばしたいと思えるポイントを見つけて、デザインに反映するという作業を、一貫して続けています。

――御社の異なる開発チームから2025年に発売された『真・三國無双 ORIGINS』とは舞台となる時代背景が共通しています。美術に関して、Team NINJAならではの特色を教えてください。

平山氏:
これも前作から続く点になりますが、同じ会社で作っているということもあり、たとえば、魏呉蜀の陣営をイメージするカラーであったり、呂布の兜のデザイン、曹操のキャラクター造形などは外せないポイントです。その上で、本作はダーク・ファンタジーを描くという点であったり、戦場を攻め上げるというイメージを含めて、「泥臭さ」をビジュアルを通じて感じてほしいです。『真・三國無双 ORIGINS』の派手なケレン味に対して、『Wo Long 2: Wings of Ember』の擦れたトーンを感じて欲しいですね。

――戦闘アクションについて伺います。本作は化勁が多彩になり、カンフーアクションがよりアクロバティックになりました。なぜアクロバティックになったのでしょうか。

山際氏:
前作は流れの中で攻守が入れ替わるような、いわば中国拳法的なアクションを目指して作っていました。今回はさらにそのアクション・バトルを進化させたいと考え、思いついたのが、アクションを縦に、より立体的に縦横無尽に広げて、アクロバティックなアクションをする、という方向に伸ばすということです。それを実現するために採用したのが「凰技(おうぎ)アクション」というシステムです。

「凰技(おうぎ)アクション」とは、ベースになっているアクションを強化するシステムになります。たとえば「化勁」を強化すると「凰技化勁」になります。ダッシュであれば「凰技ダッシュ」に強化できます。ただの「化勁」であれば、敵の攻撃を捌いて無効化するに留まっていましたが、「凰技化勁」であれば敵をそのまま吹き飛ばし、大ダメージを与えることができます。「凰技ジャンプ」であれば、敵の突進攻撃に対して裏を取り吹き飛ばすことができます。

――化勁が強化されると、アクションの内容が「化勁→攻撃」を繰り返すワンパターンになってしまう恐れもありそうですが、その点に関する調整をお聞かせください。

山際氏:
前作から続く戦闘のコンセプトとして「流れの中で攻防が入れ替わる」ことを目指しています。そして、前作では攻撃の後に、すぐモーションをキャンセルして化勁を使うことができませんでした。本作ではアグレッシブに攻めていても、敵の反撃が見えた際に、すぐ「化勁」に移ることができます。前後のキャンセルを入れることで、より一連の流れの中で攻守が入れ替わる仕組みを目指して調整しています。

――今回追加された武器種は、そのアクロバティックな方向性を活かすために追加したのでしょうか。

山際氏:
そうですね。今回、新しい武器種として「二節棍」という、いわゆるヌンチャクのような武器を入れました。非常に手数の多い、速い武器です。特徴としては、変形する機構を持たせています。ヌンチャクのようにバッバッと攻撃をして、最終段を当てると変形するギミックになります。最終段を如何に当てるかという点に関して、普通に攻撃するとコンボを継続するのが中々難しい。ですが、本作は強攻撃などに、武器種それぞれの魅力が増すようなアクションを導入しています。たとえば、「二節棍」であれば無敵判定のあるモーションを駆使することで、攻撃の流れを途切れさせず、強い変形状態を維持できるようになっています。変形状態は一定時間しか続かないため、そこを如何に維持するかがテクニカルで面白い武器になっていると思います。

――仙術の方も、本作のアクロバティックなアクションに対応しているのでしょうか。

平山氏:
仙術もそうですし、武技もそうですが、本作の縦方向に、アクロバティックにアクションを拡張する方向性に合わせて、前作では地上でしか出せなかった武技を、基本的には空中でも出せるようになっています。たとえば、空中で化勁を使って敵を捌き、自分のターンになったら武技を出したり、仙術を出したりできます。移動面でもより攻守を入れ替えやすくなっています。動きながら術を出したり。前作と同じ技であっても挙動が変わっていたり、使える場面が増えていたりするので、ぜひ見ていただければと思います。地上では「空中に打ち上げる技」が、空中で使うと「地上に落とす技」になっていたり、地上と空中を行き来しやすい設計になっています。

――アクロバティックなアクションが搭載されたことで、敵のデザインにも変化があると思います。前作と比較して、敵の動きの特徴や見た目で変わった点があれば教えてください。

平山氏:
前作では、空中にいる敵に対応できるアクションが限られていました。たとえば遠隔攻撃を弾き返して撃ち落とす程度はできましたが、近接アクションとしてアプローチする手段は少なく、それが前作の課題だったと考えています。

今回は化勁が空中でできるようになっています。遠隔攻撃をしてくる敵に対して空中で化勁をして近づいて攻撃することもできますし、先述した「凰技」アクションの中にある「敵を踏み落とす」アクションによって、空中の敵の突進を踏みつけて叩き落としたりと、より能動的に対処できるようになりました。その結果、前作よりも敵の攻撃パターンや特徴に対する制約が減り、敵ごとの個性を出しやすくなったと感じています。たとえば、前作では空中戦がメインの敵を作ることが難しかったです。

山際氏:
敵や戦闘の変化についてはもう一点あります。今回はオープンフィールドを通じて戦場を描いたことで、リアルな戦場の様子を表現するために、意図的に「集団戦」のような要素を設けて、臨場感を出したいと考えていました。ただ、「死にゲー」において数の暴力はご法度な側面もあります。しかし、本作では集団戦こそ気持ちよく対応できる方向を目指しています。たとえば「凰技化勁」を使って敵を吹き飛ばし、吹き飛んだ敵をさらに敵へ当てることで一網打尽にする、複数の敵が一斉に襲いかかってきた際にそれをまとめて弾き返す、といったことができるので、集団戦に対しても積極的に「かっこいい」「気持ちいい」と感じていただけるようになっていると思います。「一騎当千」とまでは言いませんが(笑)、それに近い気持ちよさは味わっていただけると思います。

――今回は武将がよく喋るようになったり、積極的に話しかけてきたりする印象を受けました。NPCのナラティブ・キャラクター演出面での変更点があれば教えてください。

山際氏:
本作は三国志の舞台、有名な戦場を描くことにフィーチャーしている部分はもちろんありますが、三国志にそこまで詳しくない方にも楽しんでほしいという思いもあります。そのためのアプローチとして、2点考えていることがあります。

1つ目が、臥竜鳳雛の龐統というキャラクターに焦点を当て、彼との相棒感・バディ感を出していきたいということです。彼との人間味のあるドラマを楽しんでいただけると思います。プレイヤーと龐統は幼馴染という設定で、ある日、曹操軍に襲われるところから物語が始まり、復讐に向かっていくストーリーになっています。そこに対して曹操が、プレイヤーに何らかの形で関わってくる、という展開も楽しんでいただけるのではないかと思います。

2つ目が今述べた「復讐劇」という題材そのものになります。プレイヤー自身の明確な個人的目標・目的を持たせることで、三国志に詳しくない方でも感情移入しやすく、共感しやすくなるのではないかと考えており、そこは今回挑戦したいと思っているポイントです。

――ゲームボリュームはどれくらいの規模になる想定ですか。

平山氏:
ステージ数については、今後の情報でお伝えできればと思っています。現時点では「長坂の戦い」「赤壁の戦い」という2つのフィールドの情報を出していますが、そこで終わりではなく、その先も戦場が続いていく想定です。やり込み要素もあり、オープンフィールドでどこまで探索するかによっても幅があります。

――体験版のフィールドは、製品版と比べて大きさに違いがあるのでしょうか。また、発表されていない武器・アクションはありますか。あれば少しヒントをいただけますか。

平山氏:
今回配信した体験版のフィールド(長坂の戦い)は、製品版全体のフィールドの一部で、ざっくり半分弱程度になります。製品版では、今回体験いただいた範囲よりも広い長坂の戦いを遊んでいただけるようになります。

山際氏:
新しい武器種は今後も発表する予定です。ヒントということですと、実はこれまでに出している情報の中に、すでにヒントが含まれていると思います(笑)。

――前作のユーザーフィードバックは、本作にどの程度反映されていますか。

山際氏:
1点目としてはアクション面です。前作は「化勁アクション」がシリーズの代名詞的な、気持ちいい手触りとして楽しんでいただけたというご意見をいただいている一方、上手い人は化勁ですべて対応できてしまう、逆にあまりゲームが得意でない方にとっては化勁を使いこなすこと自体が難しい、という課題があったと思います。そこで、化勁の気持ちよさは残しつつ、攻略の幅を広げたいと考え、先述した「凰技アクション」であったり、オープンフィールドによる攻略の自由度の拡大を導入しました。

2点目としてはPC版の最適化についてです。前作はPC版の最適化がうまくいかず、大変ご不便をおかけしました。今回はそこを徹底的に改善しなければならないと考えており、現在配信中のアルファ版でも、前作では用意していなかったPC版を早い段階から用意し、色々とご意見をいただきながら、発売までに問題があれば改善していく、という取り組みを行っています。

平山氏:
「士気ランク」の扱いをオープンフィールド実装に合わせて見直したことも説明しておきたいです。前作の「士気ランク」は0からスタートして、探索や戦闘を通じ、ボスと同じ数値になることを目指すシステムでした。しかし、(スタートするたびに数字が0になる仕様は)自分の頑張りがリセットされてしまうといいますか、探索に対して強制力が生まれてしまうことは拭いきれませんでした。

本作では、中長期的なユーザーさんによる頑張りや努力を体験に還元したいと考え、「士気ランク」を通常の経験値によるレベルアップの上に、追加のレベルとして扱うようにしています。そのため、たとえ倒れてしまっても、自分が到達したレベルより下がることはなく、レベルを上げていれば、旗を探すなどの探索をしなくても、敵とフラットに戦うことができます。これまで積み重ねてきた努力がしっかりランクに反映されるようになった点は、今回大きく変えたところです。

――最後に読者へのメッセージをお願いします。

平山氏:
まずは『Wo Long』シリーズを遊んでいただいている皆さん、いつもありがとうございます。今回、9月30日までアルファ体験版を配信していますので、ぜひ進化した本作を実際に触って遊んでみていただければと思います。アンケートも実施していますので、ぜひご意見をいただければと思います。リリースまでの残りの期間で、皆さんのご意見を参考にしっかりと仕上げていきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

山際氏:
3月4日の発売を発表させていただきまして、現在まさに開発チーム一同、最後のブラッシュアップに向けて頑張っております。先ほど平山からもお話がありました通り、アルファ体験版を配信しアンケートも実施しておりますので、ご意見をいただけますと、今後の開発の参考にさせていただきます。お時間があればぜひご参加いただければありがたいです。

同時に、キャラクタークリエイトのコンテストも実施しております。素敵なキャラクターを作っていただいた方の作品を製品版のプリセットにさせていただく予定で、作っていただいたキャラクターを、世界中の他のプレイヤーにも遊んでいただける機会になっていますので、ぜひこちらにもご参加いただけると嬉しいです。

――ありがとうございました。

『Wo Long 2: Wings of Ember』は2027年3月4日に発売予定だ。

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Takayuki Sawahata
Takayuki Sawahata

娯楽としてだけではなく文化としてのゲームを知り、広めていきたい。ジャンル問わず死にゲー、マゾゲー大好き。

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