とある『モンスターハンターワイルズ』プレイヤーが、「昨日亡くなったお父さん」をゲーム内で再現。そうすれば、一緒に遊べる

カプコンは2月28日、『モンスターハンターワイルズ』を発売した。「亡くなった父親を、ゲーム内で再現した」とする投稿が、現在大きな反響を集めている。

カプコンは2月28日、『モンスターハンターワイルズ』を発売した。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S。「本作発売寸前に亡くなった父親を、ゲーム内で再現した」とするユーザー投稿が、現在大きな反響を集めている。

本作は、ハンティングアクションゲーム『モンスターハンター』シリーズ最新作だ。舞台となるのは、ギルドが調査したことのない未踏の領域「禁足地」。フィールドでは季節が移り変わるほか、さまざまな生物が生態系を形作っている。また、「武器切り替え」「集中モード」といった新たな仕組みを導入。Steamでは最大同時接続者数が同プラットフォーム全体でもトップに躍り出る人気を見せ、本稿執筆時点ではピーク時同時接続者数が最大130万人を超える大盛況ぶりだ(関連記事)。

海外掲示板Redditにおいても、本作コミュニティは盛況。そのなかで、とある投稿が大きな反響を集めた。「亡くなった父親の姿を、ゲーム内で再現した」との内容だ。投稿したのは、MrTacticianなるユーザーである。同投稿には、本稿執筆時点で2万2000件以上の投票(Upvote)が寄せられ、多数コメントも投稿されている。

MrTactician氏によれば、同氏の父親は投稿の前日、すなわち本作がリリースされた2月28日に亡くなったという。ゲームを嗜み、過去の『モンスターハンター』シリーズ作品にも触れていた同氏の父親は、『モンスターハンターワイルズ』をプレイできずにこの世を去ってしまったのだ。

そのため、MrTactician氏は可能な限り父親に似せたキャラクターを、ゲーム内に作り出すことにしたという。「そうすれば、父親と一緒に『モンスターハンターワイルズ』を遊ぶことができる」との思いだそうだ。前述の投稿には同氏の父親であるという男性の写真と、本作内のキャラクター画像が複数添えられている。よく特徴を捉えたキャラクターメイクであるほか、朗らかな表情からは故人の人柄も伝わってくるようである。

この投稿には多くのユーザーからコメントがポストされており、MrTactician氏の父親への哀悼の意を表し、同氏に寄り添う投稿が多数見られる。なかには、「自身も『モンスターハンター』を薦めてくれた兄弟をその翌日に亡くし、後にその姿をゲーム内で再現したことがある」とMrTactician氏にシンパシーを寄せる投稿もあった。なお、同氏の父親は『モンスターハンター』シリーズでは大剣・スラッシュアックス・ハンマーといった武器を愛用していたという。

なお過去にも、亡くなった親族などの面影をゲームの中に求めるユーザーの様子が、注目を集めたことはある。たとえば、亡くなった弟が遺した『鉄拳8』のAIゴーストを保全したいとの想いに同作開発陣が反応した例などだ(関連記事)。ほかにもゲーム内イースターエッグなどを通じて、故人への哀悼をゲームに託す様子はユーザー/開発者双方にしばしば見られる。喪った人の似姿を求めるのは、残された者の常ではないだろうか。今回は『モンスターハンターワイルズ』のキャラクリエイト機能が、MrTactician氏のやるせない悲しみをゲーム内で形にしてくれたのだろう。

Sayoko Narita
Sayoko Narita

貪欲な雑食ゲーマーです。物語性の強いゲームを与えると喜びますが、シューターとハクスラも反復横とびしています。

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