Shift Upは、3Dアクションゲーム『Stellar Blade コンプリートエディション』をNintendo Switch 2に向けて11月6日にリリースする。本バージョンには、ほかプラットフォームにて配信済みの『NieR:Automata』および『勝利の女神:NIKKE』との有料コラボDLCがあらかじめ含まれているほか、コンプリートエディション限定のキャラクター用特別衣装、『ベヨネッタ』コラボ衣装などデジタル特典が付属する。

『Stellar Blade』は、3Dで繰り広げられるアクションアドベンチャーゲームだ。人類は突如現れた強力なクリーチャー「ネイティブ」によって壊滅状態に追いやられ、宇宙コロニーへ脱出して生き延びるしかなかった。主人公イヴは、地上に人類文明を再建する希望を託され、コロニーから送り出された戦士のひとりだ。プレイヤーはイヴとして地表に蔓延るネイティブと戦いながら世界が崩壊するまでの歴史を紐解いていく。

弊誌ではこの度、『Stellar Blade コンプリートエディション』のNintendo Switch 2版を先行プレイする機会に恵まれた。本作はこれまでにPS5やPC(Steam)にて配信済みであるものの、筆者は過去に本作を遊んだ経験はない。聞きかじる情報やスクリーンショット画像を見る限りでは「お色気ゲームなのかな?」くらいに考えていた。そうだとすれば、自分は主要ターゲット層の外側にいるのではないかとすら思った。

そんなわけでおっかなびっくりの初プレイとなったが、結果としては寝食を忘れるほどドハマりしている。「記事の締め切りを破って先にクリアまで遊んでいいですか?」と言いたいくらいだがあいにくそうもいかないので、本稿でさっそく筆者が事前に抱いていたイメージが良い意味で破壊されていくさまをお届けしたい。

細部へのこだわりがすごすぎる

本作の舞台は崩壊後の地球だ。つまりポストアポカリプス物といえよう。筆者はSFやポストアポカリプスが好物であるため、プレイ開始直後のドラマティックかつ退廃的なサウンドトラックや、眼前に広がる荒廃した大地、荒れ果てて崩れそうな人工建造物など世界観がすぐ気に入った。冒頭の緊張感も良い。そしてそのさきに待っていたのは「細部に神が宿るグラフィック表現」だ。

キャラクターの肌・髪・服装から水辺の情景まで、グラフィックの質感表現がすべて緻密で美しい。着替えシステムのあるゲームで必ずしも頻繁に着替えをおこなうわけではない筆者も、本作では気分転換にスーツや眼鏡・イヤリング・髪型を取っ替え引っ替えしている。「アクションゲームの着替えってこんなに楽しかったか?」と我ながら驚いてしまった。

それというのも、戦闘中の引きの映像でもカットシーンムービーでも、とにかくファッションの見映えがするので着せて動かす、そしてそれを見るのがずっと楽しいのだ。筆者は『ベヨネッタ』をプレイ済みであるため、コラボ衣装も嬉しかった。やたらと着せ替え眼鏡の種類が多いところも面白い。眼鏡キャラが好きな人は特にこの部分を見逃せない。どれも着たいのでボスを倒すごとに上から順に着替えていく自分ルールを設けたが、プレイを進めていくことでどんどん衣装が追加されてくるので、ルールを破らないと着回しが終わらないような気がしている。

フォトモードで記念撮影

さらに驚くべきはリップシンクである。これはキャラクターの口元が台詞に合わせた動きをする仕組みだが、この部分のこだわりも尋常でなかった。おもわず「全部の対応言語でこれをやっているの!?」と調べたほどだ。全部ではないがPS5版では10言語に対応していた。正気か。Switch 2版では日本語・中国語に対応している。

筆者の印象になるが、ゲームでここまで細かいリップシンクをしているものは見たことがない。母音の「あいうえお」に合わせて少々口の開き方が変わるというレベルではなく、子音に合わせて唇と舌の動かし方も再現されている。たとえばサ行は歯擦音を出すために歯が合わさるし、タ・ラ行では舌が口蓋に触れてから離れるのが見てわかるのだ。カットシーンムービーのキャラクターの顔アップ映像なら、字幕・音声なしで見たとしても読唇術で台詞が「読み取れる」レベルだ。英語圏の2Dアニメーションではこのレベルのリップシンクをときおり見かけるが、3Dのゲームで10言語にわたってこれをするのか……と畏怖すら感じる。口だけでなく目線の動かし方など含めて表現がきめ細かく、表情にちゃんとお芝居をさせている。ここまでやってくれるなら、こちらも襟を正して向き合わなければならない。

「シ」の発音をしているフレーム

また個人的にサウンドトラックについても特筆しておきたい。本作ではさまざまな言語とジャンルの退廃的ミュージックを堪能できる。なかには筆者大好物の架空言語楽曲もあって胸躍った。キャンプで流れるBGMはレコードプレイヤーで自由に選曲でき、進行するにつれてどんどん増えていくので集める楽しみもある。ボサノヴァなどはちょっと場違いな感じがかえって心地良かったりもした。キャンプは探索やバトルで疲れたときにほっと一息できるオアシスだからだ。

キャンプでほっと一息

筆者はこのサントラ楽曲たちを退廃的と称したが、それは別の言い方をすれば、ポストアポカリプスの世界でどこからともなくうっすら聞こえていてほしい音楽という意味だ。ディレクションをしたスタッフ、作曲家、そしてプレイヤーである我々の間に「ポストアポカリプスっぽさのある音楽」という共通の形相(けいそう)またはイデアがあるから「そうそう、それ!」と思えるのだろう。作り手と通じ合えた感じがして嬉しい。

ここまで考えて、ゲーム内で最初に訪れる廃墟の名が「エイドス7」であり、それは形相を意味するギリシャ語であることに気付き震えた。こういう仕掛けには目がない。自分はこのゲームのターゲット層の外にいたはずなのだが、かなり刺さる内容が多い。

アクションの達成感がハンパない

ここまでは見た目と音の話をしてきたが、肝心なのは「遊んで楽しいかどうか」だ。ここからは戦闘と探索について語りたい。

戦闘の基本は、XとYボタンの押し順でつながる通常攻撃コンボだ。スキルツリーでスキルをアンロックすれば、「ジャストパリィ直後にY長押し」といった条件で高火力の特殊技も繰り出せる。

アクションが苦手な筆者は、スキルをアンロックするたびにトレーニングモードに籠もった。決まった型でしか攻撃してこない相手にすら、慣れるまでは被弾し続ける。頭でわかっていても手は動かないのだ。それでも徐々にタイミングを見切り、すべての課題コンボを繋げられたときは、格段に上達した気がした。

しかし本番は実戦だ。ザコでも囲まれれば死ぬし、探索中に不意に強敵と出くわすこともある。初見の動きとランダムなパターンを前に、覚えたはずの操作も途端におぼつかなくなる。「できることが増えたよね? 身についているか試してあげる」とボスに言われているような抜き打ちテストだ。でも力試しはむしろ好きだ。

獣型のボスはがむしゃらで、ゴリ押しすれば競り負ける。人型のボスは距離を取ってこちらの隙を窺ってくるので、やはりゴリ押しが効かない。だからこそ面白い。ゴリ押しが通用したら、反射を試すというアクションの醍醐味がなくなってしまう。

刃を交えながら観察を続けると、次第にジャストパリィや回避のタイミングがつかめてくる。強力なスキルが決まりはじめ、ボスのバランスゲージもじわじわ削れていく。だが被弾ゼロとはいかず、体力も回復アイテムも底を突きかける。手に汗握る激戦の果て、ようやく体勢を崩した相手に必殺の「リトリビューション」を浴びせて流れるようにトドメ。

イベント戦闘は毎回この調子だ。「今回こそ無理かも」と追い込まれながら、ギリギリで勝てる。この絶妙なバランス調整は見事だ。シビアなジャスト入力や複雑なコンボを決めればしっかり報われ、逆にそれを積み重ねなければ勝てない。目の前の敵への対処というより、それまでに培ったすべてを出し切る単元テストのようだ。

緊張、焦り、折れそうな心。そのすべてがトドメのカットシーンで解放され、「トレモに籠もっておいて良かった~!」「トドメのモーションカッコ良すぎる」という達成感へと昇華する。これぞカタルシス。そんなボス戦がいくつもあるから、「ボスチャレンジモード」の存在にも納得が行く。あのボスともう一度戦いたいのだ。死闘をくぐるたび、ストレスとその解放を俯瞰で味わう「動のマインドフルネス」ともいうべき体験が積み重なっていった。

やりたいことが大渋滞

本作の舞台は文明が崩壊したあとの地球であり、人類はスペースコロニーに暮らしているとされている。ただし、歴史のすべてが記録・継承されているわけではないようで、過去のことは謎に包まれている。メインストーリーでは、イベントが発生するたびに新たな謎や疑問が湧いてきて、いちプレイヤーなりに「これはこういうことかも?」と推理・考察しながら遊ぶことを楽しんでいる。

本作の設定やいずれプレイヤーに向けて投げかけられるであろう課題は、筆者の心に何かしらの爪痕を残してくれそうだ。というのも筆者は、テクノロジーはどこへ向かうのか、人間を人間たらしめているものは何かといったようなテーマが好きだからだ。SFにはいつもそれがある。そしてこの作品も、まさにそのテーマを正面から扱うSF作品なのだろう。

しかしここで大きな葛藤がある。ストーリーの大筋が気になって早く先へ進みたいのに、寄り道も楽しすぎるという問題だ。

本作の探索やNPCとのやり取りには、筆者がRPGやアドベンチャーでやりたいと思うことが詰まっている。代表的なのは、街の住民の依頼に応えるべくアイテムを探したり敵を討伐したりするミッション掲示板――いわゆる「おつかい」の要素だ。

ミッションをこなせばこなすほど、街に立っている住民たちの態度や会話内容も変わっていき、さらなるミッションが発生する。NPCの態度が変化していくところには、ゲームの「介入性」という本質に直接触れている感覚がもてて好きである。また仮にそれを抜きにしたとしても、本編進行のフラグが立たないように気をつけつつ、複数のミッションを効率よくまとめて進めるための段取りや移動ルートを考えたりするのもおつかい要素ならではの醍醐味だ。

ほかにも世界中のあちこちでの空き缶探しや魚釣り、自撮りをするという収集要素もある。いずれもメインストーリーの進行には影響しないおまけではあるが、集めた分だけささやかな見返りもある。一方最大体力を増やすのにもダンジョン内で専用素材を発見する必要があり、アクションが苦手という自覚があればあるほど虱潰しの探索の重要度は高く感じられる。

こういったお宝探し的なアイテムの中にはただ発見するだけでなく、入手するためにパズルや謎解きを必要とするケースも存在する。アクションとは異なる脳の領域が刺激されるパズル・謎解きジャンルのゲームも好きなので、積極的に寄り道して謎を解いてしまうのだった。アクションと謎解きを交互に行き来するのは、双方が互いの息抜きになるようで良い気分転換になる。また、探し物をしていく過程で結果として街やダンジョンの土地勘が身についていくという副次的なメリットもあるからやめられない。

寄り道をすればするほどNPCと交流する時間も積み重なって、NPCにも愛着が湧いてくる。ちなみに今一番のお気に入りはドローンのD1G-g2r(ディガー)くんである。

できるだけ取りこぼさないように探索したり、ミッションの完遂・報告を優先しているせいで、なかなかメインストーリーが進まない。とにかく次から次に自分がゲームでやりたいと思っていることが出てきて忙しない気持ちになりつつ、同時に嬉しい悲鳴を上げているのが現状だ。

空き缶発見時の無駄にカッコイイポーズ

Joy-Conでちょっと新鮮なプレイ感

Nintendo Switch 2版の先行プレイということで、コントローラーでの操作感の比較もしてみた。基本的にはどのようなゲームもProコンで遊んでいる筆者だが、Joy-Conの2本持ちではどのような感覚になるのかを実際に確認したかった。その結果として少々面白い遊び方を発見した。あえてグリップに接続しないという遊び方である。

Joy-Conを左右両方とも使う場合、標準アクセサリとして付属するグリップに装着することで、長時間遊んでも手が疲れにくくなり通常はこちらがオススメだ。もちろん携帯モードでも快適に遊べる。しかし分離させて2本持ちするという遊び方も可能なところがJoy-Conの特色だ。そこであえて分離状態で遠距離攻撃や釣りなどをしてみた。その結果、ジャイロは右のJoy-Conのみが担っていることがわかった。

つまり、グリップを装着しない場合は右手の傾き調整のみがエイムを左右することになる。釣りの場合も、キャスティングや釣り上げをモーションでおこないたいなら右手だけを振ればよい。Proコンやグリップ装着では、ジャイロを用いるとき両手に持ったコントローラー全体の角度を変えることになるので、両手はセットで動く。それと比較するとこれは意外に新鮮な操作感だ。水平角度が問題になる分、マウスでのエイムともまた違う。むしろガンコンに近いのだ。

本作には、ブレイドを封じられて射撃のみで戦うことになるボスがいるので、いっそのこと思い切って「右手角度限定エイム」で戦ってみることにした。普段Proコンを使っている上、エイムにジャイロを用いない筆者としてはかなり苦戦を強いられることになったが、これはこれで面白い。普段からジャイロを用いているプレイヤーでも、片手のみでのジャイロエイムはあまりしないかもしれないし、この機会にこの遊び方を試してみてほしい。

筆者の場合は、直前にわざわざ資源を探して遠距離攻撃に特化した装備品を最大レベルまで強化したにもかかわらず、肝心の装備を忘れたというのも苦戦の原因になっていると思うが。みなさん ぶきや ぼうぐは かならず そうびしてください。

俄然、続編が待ち遠しくなった

筆者としては、「興味がないのではないが、自分向けじゃなかったらどうしよう」という感覚で遊んでいなかったゲームから、その先入観をどんどん壊してもらうことで、「やっぱりゲームって楽しい!」という初心に立ち返れた思いがしている。「どうしよう」なんて思わなくていいのだ。食わず嫌いはもったいない。「なんでもっと早く教えてくれなかったんですか!?」という気持ちになりかけたが、「いや、今出会えて良かった」としみじみしている。

そしてその反動からか、身の回りのまだ本作を遊んでいない人に「これめっちゃ面白いから遊んで!」と布教したくてたまらなくなっている。人とはなんと勝手なものなのだろう。本稿を読んでいる未プレイのかたでポストアポカリプス、SF、PDCAサイクルでボスを打破する3Dアクション、RPGのおつかい、イースターエッグと収集などの要素に対していずれか2つ以上ピンと来るかたがいれば、ぜひ遊んでほしいと願う。

難易度も3段階から選ぶことができ、ゲームの最中にも変更可能だ。筆者のように自認アクション苦手プレイヤーでも難易度「ストーリー」か「ノーマル」で遊べることを保証する。今から本作を遊んでおけば、すでに発表済みの続編『ステラーブレイド ブラッドレイン』が俄然楽しみになるし、発売された暁にはリアルタイムで一緒に盛り上がれることだろう。

このコンプリートエディションには既存のDLCがすべて含まれているのみならず、パッケージ版のスチールブック同梱バージョン(コンプリートスチールブックエディション)を購入するとSwitch 2のソフトが入る特製のケースがついてくる。書籍の特装版カバーのようなものだと考えるとわかりやすい。すでにプレイ済みのユーザーこそ欲しくなるアイテムなのでぜひチェックしてほしい。

『NieR:Automata』および『勝利の女神:NIKKE』とのコラボDLCは本編を進行するなかでイベントミッションが発生するようなコンテンツとなっている(関連記事1/2)。既存のDLCすべてと『ベヨネッタ』コラボコンテンツが詰まった特盛セットなのでPS5やPCがなくて遊べなかったかたもSwitch 2で今こそ遊んでほしい。

Nintendo Switch 2向け『Stellar Blade コンプリートエディション』は11月6日発売予定。

この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。