Global Sites
龍が如く開発元新作『STRANGER THAN HEAVEN』はとにかく治安が悪くてシリアス。戦闘は「命の取り合い」、ひと足早くプレイしてきた
『STRANGER THAN HEAVEN』試遊体験会の模様をお伝えする。すべての要素が一貫してシリアス。戦闘についても命を取り合う生々しさが演出されている

来年の期待作として注目が集まっている『STRANGER THAN HEAVEN』。このたび本作の基本的なゲームプレイに関する試遊体験会が実施される運びとなった。本稿ではその模様をお伝えしよう。
『STRANGER THAN HEAVEN』は『龍が如く』シリーズで著名なRGGスタジオによるアクションアドベンチャーゲームだ。対応プラットフォームはPC(Steam)/XBOX Series X|S/ PlayStation5となっている。XBOX Game Passにも対応する。
本作の主人公は米国人と日本人の間に生まれた大東真だ。彼と、日本人とイギリス人の間に生まれた真城優の2人が物語の中心人物となる。身寄りもなく、人種由来の差別を受けて日本に流れ着いた2人を中心に、行き場のない人間たちが必死に生き抜いた1915年から激動の50年を描く。5つの時代、そして当時日本に実在した5つの街をモチーフとした舞台で物語が繰り広げられる。
波乱万丈な物語の始まりを体験

試遊は作中冒頭からスタートした。舞台はアメリカ。主人公である大東真が、日系人由来の差別を通じて、警官に追われるシーンから物語は始まる。洋画風の演出と共に、賑やかな住宅街の影を、誰にも見つからないようにしながら進んでいく。彼の境遇を分かりやすく示す描写であると同時に、改めて本作が『龍が如く』シリーズとは異なる作風であることが伝わってくる。
どうやら主人公は国外へ脱出する腹づもりらしい。しかし警官たちに追いつかれてしまう。逮捕なんてつまらない、なんなら嬲り殺しにしようとする彼らに対し、しぶしぶ構えを取る主人公。戦闘のチュートリアルが始まった。
本作の戦闘システムは4つのボタンと左右の方向を使い分けながら、防御主体で戦っていくという内容になっている。右側から攻撃が来れば、右側のボタンを使ってパリィ。左側からの攻撃は左側のボタンでパリィ。敵も左右の防御を使い分けてくるため、防御が薄い方向に攻撃を加えていく。「ボクシング」をイメージしていただけると分かりやすいだろう。といっても本作は両の拳にグローブをつけるのではなく、ナイフなどの凶器を握るのだが……。
チュートリアルが終われば、場面は何やら怪しい船の中へ。密航するぞ、という場面で真城優が登場だ。彼も同じく差別を受けている日系イギリス人であり、筆者の印象としては「ガッツのある野心家」というキャラクターである。ちょっと甘ったれな印象のある大東真とは対になるイメージを受けた。この船はどうやら日本行き、政府管轄外の船らしく、それを取り仕切るのはスヌープ・ドッグ演じる「オルフェウス」である。船員を取り仕切る演技が板に付いていて、「おおっ」と思わずモニターの前で唸ってしまった。また、本作独自のフィルターが映像に独特の味をもたらしている。レトロと渋みのある色彩の中に、風がスーッと吹き抜けるような寂寥感を覚える。主人公二人を見ていると寂しいのだ。あぁ、彼らがろくな目に遭うことはないのだな、と。感じられる。
作中序盤のストーリーを体験

試遊の舞台は1915年の福岡・小倉へ。二人の主人公のうち、大東真は港湾労働を管轄する「八島貿易会社」に入ったようだ。技術も法も整備されていない当時の港湾労働は、事故死、溺死、過労死、何でもアリな重労働。国を発展させるうえで必要な職でありながら、誰もやりたがらない過酷な労働である。ゆえに集まるのは、職を選べない荒くれた人間ばかり。その市場を暴力で取り仕切り、人材を収集。現場に派遣するのが、現代の暴力団にもつながる組織たちであった(さらに宿舎の家賃やギャンブル業で賃金を回収する業態である)。舞台となる小倉は当時、軍需産業で栄えたゆえに危険な現場で働く人が集まる街でもある。簡単に背景を見渡してみれば、博徒に浮浪者に、活気はあるが街中の治安の悪さが凄い。
今度は日本でも差別を受けながら、たどたどしい日本語で仕事をこなす大東。ある日、上司である八島平吾から命令が下る。「ライバル会社トップの愛人を寝取ってこい」。抗争の口実を作るための分かりやすい方便である。喧嘩を売ってこいと言っているのだ。
しかし、若く人生経験が浅いこと、女性慣れしていないこともあって、真意を掴むことなく素直に命令に従うことになる。試遊はここからストーリーを進めてみるか、小倉を散策してみるかを選べる。筆者は迷わずストーリーを選択した。ネタバレの観点から具体的な内容は描写しないが、実に寂しい、切ない一幕であった。大東の人柄、当時の日本における生活の状況など、作品が表現する内容の根本的な部分が分かりやすくまとまっていた。

その後はオルフェウスに「タバコ」の作り方を教えてもらう。いわばバフアイテムをクラフトする要素である。いわゆるファンタジー作品なら「ポーション」を作るのだろうが、本作は「タバコ」である。ユニークで面白い。
今回作るのは「手巻きたばこ」という種類のものだ。一般的にはたばこ葉を刻んだもの、ローリングペーパー、フィルターで構成されるが、本作は3つの素材をブレンドするという体験になっている。素材によって効力は異なり、主人公の攻撃力が上昇する、時間感覚が研ぎ澄まされるなど、ブレンド内容によって複数の効果が発生するようだ。本作は体験において戦闘の比重が大きいことが発表されているため、攻略においてぜひ効果的に運用していきたいところだ。

一服したら、その効果を活かすべく、「倉庫番」というコンテンツをプレイ。文字通り、倉庫に侵入する不届き者たちを始末する戦闘コンテンツである。倉庫内を探索しながら、制限時間以内にサクサクと敵を撃退していく。基本的に敵たちは見つかると脱出しようと逃げるため、掴み攻撃によって拘束したり、その辺に落ちている空きビンなどをぶつけて、動きを止めることが肝要だ。クリアすると報酬金がもらえるため、戦闘アクションを練習する場所として丁度良い。そのほか、蛇口からガブガブ水を飲んだり、肘をついて屋台の牛丼を食べたり、貧民出身の大東を象徴するようなモーションを堪能する。製品版になればミニゲームも堪能できることだろう。楽しみである。

試遊は抗争の場面へ移る。「仕事」だったとはいえ、愛人に惚れた大東は、同僚たちの支援を受けながら彼女の救出へ向かう。舞台となる工場は溶鉱炉が発火、爆発しており、シネマティックな迫力がある。道中は戦闘をガンガンこなすことになるのだが、せっかくなのでさまざまな武器を使い分けてみる。片手で使えるドス、両手を使うシャベル、木槌……。
体感としては、一番取り回しが効くのが素手である。何も持たずの殴り合いがいちばんスピーディに立ち回れる。とはいえ火力が出て防御力も高いのは武器だ。攻撃はもちろんのこと、敵の凶器を素手で受け止めるのは消耗が激しいため、できれば何かしら武器を持ちたい。基本的には集団戦を勝ち抜く必要があるため、機動力が落ちるものの範囲攻撃の可能な両手持ち武器も強い。一対一の場合は片手持ち、集団戦の場合は両手持ち、銃火器など遠距離武器を相手取る場合は高速で動ける素手、というように、場合によって使い分けることが重要なゲームであると感じた。ちなみに、武器は店で買って強化できるほか、フィールド中に落ちていることもある。愛人を無事救出して、小倉編の試遊は終了した。
アングラな遊びと興行ビジネスを体験。

抗争を終えて、試遊の次の舞台は1929年の広島・呉。軍港都市というルーツを持つ地域である。本作では岩木源造率いる極道組織「岩木組」のシマになっているという。ゆえに大なり小なり色んな博打が楽しめる。まず遊んでみたのは「手本引き」。親である胴元が1~6の数字うちどれを選んだか予測する遊びだ。1~4つまで選び、的中させれば賞金を獲得できる。何度か遊んでいると、胴元の数字選びにパターンがあることが観察でき、それに乗っかることで賞金を巻き上げる、という遊びになっている。その後は銭湯に浸かる。ちゃんと入浴シーンがあって嬉しい。みんな墨が入った客ばかりだ。
サッパリしたら喧嘩賭博へ。一対一で敵を倒せばお金がもらえる。シンプルな遊びである。対戦相手は複数おり、選択制だ。一度倒した相手とは何度でも対戦でき、「制約」が解禁される。いわば縛りプレイだ。トドメの技を指定されるものや、武器を使用を禁止されるものなどさまざま。得意なスタイルで効率よく資金を稼ぎたい。汗を流したら神社でお参りをする、参拝の作法をコントローラーで入力するのが面白い。おみくじをひいて、密売人から高級武器を買い、呉の散策は終了である。今回の試遊は夜の呉だったため、ストーリーの内容はもちろん、昼間はどうなっているのかも気になるところだ。

試遊最後の舞台は1943年の大阪・ミナミ。現実で言う、大阪市中央区における、難波・心斎橋・道頓堀・千日前を中心とした繁華街・歓楽街の総称である。中でも本作には「道頓堀」をモデルにしたであろう「蒼天堀」という地域が『龍が如く』シリーズと共通して登場すると明らかになっている。また、時代としては第二次世界大戦において日本の敗戦が近い時期でもある。背景には小倉、呉時代とはまったく異なる高さの建物が並び、中年になった大東はもう日本語ペラペラ。街中で喧嘩を売ってくるヤクザはパキッとしたスーツを着ている。時の流れを感じさせる。
ミナミでプレイするのは本作における目玉の一つ「興行師としての物語」。大東には音楽に関する才能があり、自分が歌うだけでなく、「興行師」としてショービジネスを手掛けることになる。才能のある人材を集めて、ライブ会場を決めて、自分で宣伝を行い、演奏する楽曲も自分たちで作るのだ。歓楽街を歩いてみればさっそく、広告用のスペースを持て余している飲食店を発見。店主と交渉して広告料を支払い、ポスターを貼らせてもらう。興行力というステータスがアップした。場所によってステータスの上昇量が異なるようだ。上手いことお金を節約して宣伝を行いたい。大きく貼られたポスターのコピーが「愛国歌謡 精神昂揚祭」なことに少し切なさを覚えた。

そのあと大東は拠点に帰還。舎弟であり作曲家である「タカシ」に、これまで入手した音楽のインスピレーションを伝える。本作では戦闘中やフィールドの探索中に音楽のインスピレーションを獲得することができる。インスピレーションは作曲家が持つ5種類の楽曲「ムード」レベルに対応しており、各ムードのレベルが一定値に達成すると、楽曲ごとに各ムードごとの編曲がアンロックされる。たとえば、「アグレッシブのムード」に対応するインスピレーションを獲得すると、「アグレッシブのムード」のレベルが上がり、アグレッシブの編曲が可能な楽曲が増える。つまり、公演で演奏する1つの楽曲につき、複数の「ムード」が存在し、プレイヤーの行動を通じて変えられるようになるということだ。
なぜムードを変える必要があるのか、と問われれば、公演ごとに注文があり、お客さんが求める「ムード」が存在するからである。楽曲は5つのパートによって構成され、パートごとの「ムード」の割合を調整することで、楽曲全体のムードを変更できる。作中ではこれを編曲と呼んでいる。何ならプレイヤーごとのオリジナルな編曲を行うことも可能だ。

また、公演には目標売上額が存在し、これを達成することが目的となる。演者の出演料、舞台演出に使う料金、チケット代金と会場の収容量を計算しながら、最後にリズムゲームをこなしていく。指定されたタイミングで指定されたボタンを押すゲームだ。成功すればするほど演出が決まり、盛り上がる。上手く行けば目標売上を超えて、大東の懐にはいるお金も増える。今回は舞台が戦時中なのもあって軍歌が使用楽曲にラインナップされていたが、時代が違えば歌える曲も違うのだろうか。ちなみに、本作は裏社会の物語ゆえ、暴力団に直接興行する「闇興行」も可能だ。いわゆる資金洗浄である。
興行を試したら、ミナミをプラプラ散策する。「毛唐」呼ばわりされていた小倉時代とは異なり、「大東さん」とみな敬意をもって声をかけてくる。これまた何とも言えない演出である。人の心の無常さよ。道中チンチロをしたり、落ちてる新聞を読んだり。建造物は階層が生まれた分、入れる場所が非常に多い。ビルにあるカフェーに入ってビールをゴクゴク、つまみを嗜み、試遊は終了した。このとき非常にお腹が空いていたことを覚えている。

今回、ストーリー、バトル、ショービジネスと、作品を構成する体験のうち基本的な要素のすべてに触れることが出来たわけだが、改めて思うのは、すべての要素が一貫してシリアス。ギャグは無い。絵作り、操作感、役者陣の演技が一体となって、生きるための必死さが画面いっぱいに広がり、プレイヤーに痛いほど伝わってくる。生きるために奪う。もぎ取る。そんな体験が得られる。それでいてしっかり面白い。戦闘は以前も試遊した通り、4つのボタンをバラバラに操作することで、命を取り合う生々しさが演出されている。興行は初見こそ何をやるのかと首を傾げたが、実際は曲をアレンジして、人員と設備を配置し、ミニゲームをしてお金を稼ぐという、比較的シンプルな内容にまとまっており、それでいてプレイヤーごとの個性も生まれる、興味深い遊びと言えるだろう。
発売日まで約2か月半。小出しに情報を出されるほど、早く遊ばせてくれ、辛坊たまらんと我慢が効かなくなっていく。そんな試遊体験であった。
『STRANGER THAN HEAVEN』は2027年1月15日に発売予定。対応プラットフォームはPC(Steam)/XBOX Game Pass/XBOX Series X|S/ PlayStation 5となっている。
この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。


