PS5/PC注目の大型新作『Phantom Blade Zero』のモーキャプ、もはや武術道場だった。ドニー・イェンも参加する本気カンフーアクションゲームの裏側

『Phantom Blade Zero』はドニー・イェン氏をクリエイティブコンサルタントとして迎え入れている点も特徴。アクションにこだわる本作のモーキャプスタジオを訪れ、その裏側を見てきた。

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10月29日に発売予定の“カンフーパンク”アクションゲーム『Phantom Blade Zero』は、著名な映画スターであるドニー・イェン氏をクリエイティブコンサルタントとして迎え入れ、ゲーム内のキャラクター「魔淵」役として起用している。公式からは、同氏によるモーションキャプチャのメイキング映像がすでにいくつか公開されていた。そんな中、弊誌は先日、世界各地から集まった数十のゲームメディアと共に、上海にあるスタジオ「FLYING GOAT」を訪問した。本作のモーションキャプチャはまさにこの場所で行われたのである。スタジオの責任者であり“師匠”ともいうべき羊柳(ヤン・リウ)氏がゲームのモーキャプの全体フローを紹介してくれたほか、参加者全員に中国武術の指導も行ってくれた。

スタジオに足を踏み入れると、2人のアクターが同じ一連のアクションを何度も繰り返し、ゲーム内での実際の動きをPCで随時チェックしている姿が目に入った。このスタジオは大小2つの部屋で構成されており、大きい部屋は主にアクションシーン、小さい部屋は主に演技シーンに用いられ、一部のシーンでは両方の部屋を繋げて使用することもあるという。正直なところ、筆者がこれまで訪れたことのあるモーキャプスタジオの中で、FLYING GOATは決して規模や設備が特別優れているわけではない。しかし、アクターたちの卓越した技術とクオリティへのこだわりは印象的であった。

その熱意に感心していると、羊氏はアクターが身につけている装備についても説明を始めた。武侠アクションでは跳躍や空中を飛び回るシーンが多いため、アクターは頻繁にワイヤーを装着しながらさまざまな空中パフォーマンスを行う必要がある。ワイヤーはアクターの安全を確保するだけでなく、動きやすさも兼ね備えていなければならない。武侠の戦闘では通常、手に武器を持っているため、障害なく空中戦を演じるには多くの工夫が求められるのだ。

実際のところ、『Phantom Blade Zero』では同じシーンであっても、目にするアクションの表現はひとつではない。羊氏は例として、敵に接近するという行動を挙げた。ゲーム内でこの行動は何度も発生するため、もしモーションが1種類しかなければ、プレイヤーはすぐに飽きてしまうだろう。そのため、設計の段階で10種類以上のアプローチ方法を用意し、それらの動きをすべて素材として収録する。そしてゲーム内では、キャラクターの現在の姿勢や状態に基づいて、どのモーションを使用するかをシステムに判断させるのだ。これにより、モーションが単調に感じられることはなくなり、キャラクターの振る舞いもより自然なものになる。

他のアクションについても同様で、モーションキャプチャの際には膨大な量の素材を収録し、それを技術スタッフに引き継いで処理を行う。スタジオの2階と3階には、PCの前で後処理を行うチームが待機しており、最終的にこれらのデータは北京のS-GAMEのオフィスに送られ、ゲーム内に実装される。つまり、プレイヤーが目にする一つ一つの技の背後には、一連のワークフローと複数チームの連携が存在しているのである。

続いて、我々は「武器庫」も見学した。『Phantom Blade Zero』には、30種類以上のメイン武器と25種類以上のサブ武器が存在し、これら武器のすべての技の動きをモーキャプで収録する必要がある。もちろん武器ごとにさまざまな技があり、途方もない作業量であることがわかるだろう。実際にこれらの武器を手に取ってみると、想像していたよりもずっと軽く、偃月刀のような重量級の武器でさえ片手で振り回せることに気づいた。では、実際のパフォーマンスにおいて、どのようにして武器に重量感を持たせているのだろうか?羊氏の答えは非常にシンプルだった。「演技」である。

これはモーキャプアクターの演技力が大いに試される部分だ。アクターは自身の演技を通じて、動きに重量感を感じさせなければならない。これは決して容易なことではなく、時には1つのアクションを100回も繰り返し撮影し、ディレクターが求めるイメージを少しずつ探り当てていくこともある。そのため、アクターは演技中に険しい表情を浮かべたり、雄叫びを上げたりすることがある。当然ながら、こうした表情や音声がデータとして収録されるわけではないが、表情や声を出すことで、全力で振り下ろす感覚を演じやすくなるという。また、モーションキャプチャの現場では、性別をクロスオーバーして演じることが頻繁にある。例えば、ゲーム内の女性キャラクターのアクションを男性アクターが演じるケースだ。男性アクターの剛健で力強い動きを取り入れることで、パフォーマンスの効果として、武術としての迫力を強調できるからだという。

以前公開された『Phantom Blade Zero』のゲームプレイ映像では、獅子舞のボス戦も披露されていた。獅子舞の動きもまた演技力の賜物であり、アクターが自らの演技で獅子頭に魂を吹き込むことで、それが殺傷能力を持つ武器であるかのように見せているのだ。羊氏によれば、中国武術のこうした動きは実は日常生活に由来するものであるが、芸術表現としては通常「生活よりも高い次元」にある必要があるという。ここで羊氏は2つの例を挙げた。1つはお茶を飲むこと。お茶を飲む際には作法やルールがあるが、この作法こそが生活より高い次元の部分であり、お茶を飲むという行為に目に見えない彩りを与え、それを通じて互いの関係を深めることができる。そして武術の話に戻ると、例えばゲーム内にも登場する「酔剣」。酔剣の真髄は「形は酔えども意は酔わず」にあり、千鳥足のようにフラフラとした状態によって相手を惑わせ、不意を突いて攻撃する。また、中国には「酒が臆病者に勇気を与える」ということわざがあり、酒を飲んで肝が据わることが、ある意味で戦闘を有利に進めることにも繋がるのだという。

一通りの説明が終わった後、いよいよ直接体験するセッションが始まった。まず羊氏がその場で、参加者たちに中国拳法の型を1つ教えてくれた。およそ7〜8つの連続した動作で構成されており、中国人が学生時代に学ぶことの多い軍体拳に少し似ていたが、それでも外国人にとってはかなり難しかったようだ。現場ではミニコンテストも開催され、誰が一番早く、うまく習得できたかを全員で判定した。最終的にブラジル人の青年が見事トップに輝いたが、後で聞いたところ、彼はブラジリアン柔術の経験があるとのことで、基礎が役立ったようだ。大半は以下のような動きであった。

最後に、現場から数人を募って実際にモーキャプの機材を着用し、多人数での乱闘シーンを演じてみる企画も行われた。シナリオの概要は、4人の敵が四方から飛び降りてきて、中央の主人公が包囲網の中で次々と敵の攻撃を弾き返し、4人が同時に襲いかかってきた瞬間に跳躍して後転し、攻撃を回避するというものだ。それでは、メディア陣が訓練した成果を一緒に見てみよう。かなり様になっており、もしかするとゲーム内で彼らの雄姿を見ることができる……かもしれない。

筆者はこれまでにも他のゲーム会社のモーキャプスタジオを見学したことがあるが、それらは基本的に現場の環境や小道具を見て回るだけの、単なる見学で終わることがほとんどだった。今回のようなディープな体験セッションを伴うスタジオツアーは初めてのことであり、モーキャプの工程を自ら体験し、さらには中国武術まで学ぶことができた。この記事を執筆している今も全身の筋肉痛に悩まされているが、間違いなく忘れられない旅となった。もちろん、今回のイベントの本来の主旨は『Phantom Blade Zero』というゲームを深く体験し(該当試遊レポ記事)、プロデューサーのSoulframe氏にインタビューを行うことである(該当インタビュー記事)。興味のある方は、ぜひそちらの関連記事もチェックしていただきたい。

『Phantom Blade Zero』は、PS5およびPC(Steam/Epic Gamesストア)向けに10月29日発売予定だ。

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Nep333
Nep333

AUTOMATON中国語版編集長。

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