PS5『ゴースト・オブ・ヨウテイ』に感じるオープンワールドとしての進化。『マインドダイバー』は『Her Story』みもある良い推理ゲーム。『巨大少女襲来』を遊んだ。今週のゲーミング
Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。513回目です。

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。513回目です。秋。
実際はちゃんとしたダンジョン

今週は、ダンジョン探索ローグライトRPG『クレイジーハイパーダンジョンクロニクル』の体験版をプレイ。原題はそのまま『The Crazy Hyper-Dungeon Chronicles』ですが、何を誤ったのか当初日本語タイトルを『クソダンジョン』と付けて少し前に話題になった作品です。ゲームプレイだけでなく会話量なども変化する、カジュアルにもハードコアにも楽しめる難易度選択機能が興味深い。また敵とのターン制バトルでは、QTEのようなシステムで攻撃・防御の成否を決める点が特徴的です。
体験版は、一部を除きすでに日本語対応済み。NPCとの会話やアイテム関連などテキスト量が多いためありがたい。率直に言うと不自然な翻訳が散見されますが、そうした会話などではユーモアやメタな発言が満載なことも本作の特徴で、そもそも変な世界観なのであまり気にならないことは発見でした。製品版では修正されるのかもしれませんが。
by. Taijiro Yamanaka
待望のフェスタ

『ソニックレーシング クロスワールド』にて10月3日から10月6日までの期間限定イベント「初音ミク」フェスタをプレイしました。インプレッション記事でもお伝えしたように、本作にはレースゲームでは珍しいチーム戦が実装されてるのですが、通常時のオンライン対戦は個人戦のランクマッチのみとなっています。フェスタはオンラインがチーム戦になるイベントです。過去にネットワークテストで1日だけ実施されており、今回ついに製品版でも開催されたわけです。
製品版の全てのコースがある状態でのフェスタは今回が初プレイなのでめちゃくちゃ楽しい。本作の毎回コースが変わるという仕様に加え、チーム戦のルールも30分おきに変わるため何度走っても新鮮なプレイができます。チーム同士で積極的にぶつかるレースゲームは間違いなく本作でしか体験できないでしょう。3チーム間で逆転も起こりやすいので初心者も気軽に楽しめるモードだと思います。
一方で、イベント報酬の必要ポイントに対して3日間という期間が短いように感じました。また、イベント中はランクマッチが選べなくなります。せっかく楽しいフェスタなので、2週間など長めに設定してランクマッチを併設してもいい気がします。今後もキャラクター追加のたびにフェスタは開催されるので検討してもらえると嬉しいですね。
by. Haruki Maeda
逆さハムサ? 強いよね

先週に続き『CloverPit』をプレイしていました。いろいろと試行錯誤を重ねるうちに、このゲームはさまざまな組み合わせから自分のスタイルに合うビルドを探し出すというよりは、ゲームの進行に従って変化していく強いビルドに乗り換えていくものだと気づきました。ひとつのスタイルにこだわっていては、そのビルドの限界となる地点で頭打ちになってしまうんですね。
スクリーンショットは特定の実績を狙った回のプレイで借金額が京単位になったあたりです。この前段階くらいまで有効だった戦術だけでは、おそらくここか、その次あたりで通用しなくなります。しかしその戦術は、序盤にはさほど強くありません(突破はできますが)。最初のうちは別のビルドでノルマを突破しつつリソースをうまく貯め、臨機応変に対応して初めて、序盤・中盤・終盤、隙がないスロットの躍動を見せることができるようになるのでしょう。
さらに先へ行くために必要なものについては敢えて触れませんが、ひとつ確実に言えるのは、考えるのをやめてはいけないということでしょうか。最序盤を除いて、運ゲーに思える要素の多くには抜け道も用意されている様子。スロットがテーマとなっているから運要素がもっと強いのかと思いきや、攻略法を見つけ出していく渋い魅力も秘めた作品でした。
by. Naoto Morooka
巨大少女を試行錯誤で撃退

今週は、トゥルーエンドが追加された『巨大少女襲来』を遊んでいました。本作は30秒で支度をして、巨大な少女の撃退を目指すゲームとなっています。舞台となるのは、第二太陽なる物体の出現によって機械がすぐ壊れてしまうようになった世界です。ある時、そんな世界の都心に少女のような形をした巨大な生命体が出現。主人公のランは短い時間で準備をおこない、単独で少女を撃退することになります。ゲームプレイは大きく探索パートと、戦闘パートで展開されます。探索パートでは、30秒以内にマップを探索して装備を収集。戦闘パートでは選択肢によって行動を選び、集めた装備で巨大少女を攻撃していきます。システム面では、戦闘パートで巨大少女に与えたダメージによって、探索パートで使える時間が恒久的に向上。探索範囲が広がっていきます。
1周5分程度の短いゲームではあるのですが、入手可能な装備にはスナイパーライフルやレールガンなどのいかにも有効そうな銃火器から、水鉄砲といった玩具まで幅広いバリエーションが存在。ゲーム序盤にはそうしたネタ武器も含めて、どうやって強大かつ巨大な少女を相手にするのか、両パートでの試行錯誤をおこなうことになります。またゲームを進めていく中では、世界観や主人公の情報も徐々に展開。忙しい探索と緊迫した戦闘で、キャッチーなシチュエーションがしっかり遊びがいのあるゲームに仕上げられていました。
by. Keiichi Yokoyama
お膳立てカモフラージュ

『ゴースト・オブ・ヨウテイ』をプレイしていました。前作『ツシマ』はプラチナトロフィーまでやり込んだのですが、寄り道も含めて基本的には戦闘とアスレチックの連続で単調さは否めませんでした。一方で本作は序盤を遊ぶだけでも寄り道要素がかなり強化されていることがわかります。
たとえば馬で狼を追いかけるチェイスがあったり、DualSenseのタッチパッドやモーションセンサーを用いるミニゲームがあったりと、それぞれは小粒ながら遊びの幅が拡大。あと個人的には探索要素の導入部が多彩なのが好みで、たどり着いてからそのまま探索する場所もあれば、道すがら請け負うサイドクエストもあったり手配書を引っぺがして始まる賞金首の討伐もあったり。また遠眼鏡を使って探索場所を自分の目で発見する『ブレワイ』風の遊びも盛り込まれています。
筆者はマップ上の探索ポイント、あるいは受注式のサイドクエストを大量に消化するゲームだと作業っぽくて疲れてしまうのですが、本作は導入部にバリエーションがあるので気の赴くままに寄り道している気分に浸れます。実際には完全に自力で発見させられるわけではなくそれぞれゲーム側でしっかりめに誘導してくれるのですが、見せ方が巧いですね。前作同様斬新なゲームシステムがあるわけではないものの、オープンワールドゲームとしての確かな進化を感じています。
by. Hideaki Fujiwara
どうしてこんなことに(お決まり)

『Mind Diver / マインドダイバー』を遊んでいます。これは弊社アクティブゲーミングメディアPLAYISM発売タイトルなので……自社タイトルで恐縮ですが、自分的に刺さったのでおすすめさせてください。
『Mind Diver / マインドダイバー』は、人の記憶に潜り込む推理アドベンチャーゲームです。『Return of the Obra Dinn』『Her Story』『The Case of the Golden Idol』に影響を受けているとされていて、そのニュアンスでなんとなくどんなゲームかわかるかなと。とあるシーンの中での状況や会話を聞き出して、そのシーンに欠けたピースをはめていく。
本作においては人間関係の感情や機微の描写に重きが置かれており、ゲーム体験としては『Her Story』含むSam Barlow作品に近いかも。ただし、ルックやアプローチ含めてならではの要素もあり、ゲーム性も独自要素が多く影響を受けつつも模倣に終わらず、本作ならではの個性が詰められているなと。「深層心理」という題材がうまくゲームのビジュアルやシステムにも落とし込まれているし、この作品特有のわかりづらさにも配慮して整理されている。体験として面白く、推理ゲーム好きな人は満足できるゲームじゃないかなと思っています。おすすめです。
by. Ayuo Kawase