『オーバーウォッチ2』、「Steamでは昨年12月からプレイヤー数が約40%減少した」とする報告。背後には年末に登場した超強力競合『マーベル・ライバルズ』の存在ちらつく

『オーバーウォッチ2』について、2024年12月6日の『マーベル・ライバルズ』登場からプレイ人口が大きく減っているとする報告が寄せられている。非公式統計データでは、両作品の人口が対応するように変化していることがうかがえる。

Blizzard Entertainmentが運営、展開する『オーバーウォッチ2』について、『マーベル・ライバルズ』の登場によってプレイ人口が減少しているとの見方が伝えられている。

『オーバーウォッチ2』は基本プレイ無料の対戦FPSだ。人気を博した『オーバーウォッチ』の続編として、2022年10月にリリースされた。本作では、タンク・サポート・ダメージの3つのロール分けがなされたチーム対戦が繰り広げられる点が特徴。2024年12月11日からは、最新シーズンであるシーズン14が開幕している。同シーズンでは、新タンクヒーローの「ハザード」が正式に実装され、年末年始にかけて「6v6ロールキュー・エクスペリメント」などのイベントが実施された。

12月から1月にかけて、各種イベントが開催されたにもかかわらず、『オーバーウォッチ2』のプレイヤー数は減少の一途を辿っている。その理由に『マーベル・ライバルズ』の登場があったからではないかと言う見方がThe Gamerによって報じられている。

『マーベル・ライバルズ』はNetEase GamesとMARVEL Gamesとのコラボで制作されたチーム対戦TPSで、PC/PS5/Xbox Series X|S 向けに12月6日より基本プレイ無料にて提供されている。本作ではマーベルのスーパーヒーローやヴィランたちがプレイアブルキャラクターとして登場し、ロール分けのある6対6のバトルを繰り広げる。

『オーバーウォッチ2』のSteamDBデータ

The Gamerは、『マーベル・ライバルズ』リリース前となる、9月5日~12月5日までの『オーバーウォッチ2』の3か月間の平均プレイヤー数を3万3738人と算出。その後『マーベル・ライバルズ』がリリースされた7週間の平均プレイヤー数は2万565人と算出しており、このデータによれば、約40%のプレイヤー数減少だとして伝えている。

SteamDBのデータを参照すると、11月頃までは連日ピーク時のプレイヤー数が5万人を超える日も珍しくなかったが、シーズン14の開幕した12月初頭を境として、Steam上での『オーバーウォッチ2』プレイヤーの数は漸減していることが確認できる。なお、本稿執筆時点では、ピーク時でおよそ2万5000人を記録している。

また、全プラットフォームのプレイヤー数を独自に調査しているActivePlayer.ioのデータを確認しても、SteamDBと同様に2024年9月から11月までは比較的人口推移が安定しているようだ。しかし12月度は、前月よりも約180万人少ないプレイヤー数を記録。新シーズン配信月ながら、前月比で約7%のプレイヤー数の減少となっていた。

なお『オーバーウォッチ2』は、PC向けにはSteamだけでなく、Battle.netでも配信されている。加えて各種コンソール向けも配信中だ。ActivePlayer.ioのデータではプラットフォームごとの細かな内訳は不明ながら、Steamでの減少人数が高々2万人程度であることを考えると、『オーバーウォッチ2』のプレイヤー数減少は、Steamのみに限った話ではなさそうだ。

『マーベル・ライバルズ』

一方で『マーベル・ライバルズ』のSteamでのプレイ人口を確認すると、リリースから間もなく40万人を記録し、本稿執筆時点でも40万人前後のプレイヤーベースを維持している様子がうかがえる(SteamDB)。『マーベル・ライバルズ』のActivePlayer.ioも確認してみると、全プラットフォーム合算でリリース月となる12月のプレイヤー数は約160万人とされている。

『オーバーウォッチ2』のプレイ人口は、2024年12月に『マーベル・ライバルズ』のリリースと呼応するように人口が減少しているといえるわけだ。そのため『マーベル・ライバルズ』の登場が『オーバーウォッチ2』の人口減少の理由と考えることもできるだろう。

『オーバーウォッチ2』と『マーベル・ライバルズ』は、TPSとFPSの違いこそあるものの、基本プレイ無料の対戦シューターとしての共通点が存在している。またゲームのルールも陣取りをおこなうモード、攻守に分かれオブジェクトを敵ゴールまで押し込むモード、互いにオブジェクトを押し込みあうモードというように、大まかなルールも共通している。『オーバーウォッチ2』プレイヤーが、基本プレイ無料だからとして、新作かつプレイ感に馴染みのある『マーベル・ライバルズ』を遊ぶこともありうる。

また『マーベル・ライバルズ』はデフォルトで6対6のモードが取り入れられている。『オーバーウォッチ2』ではたびたび、5対5の形式を取っていることについて議論が生じることもある。6対6でプレイしたいユーザーや、ロールに縛られずに自由にキャラクターをピックしたいプレイヤーが移動した可能性はありそうだ。

『オーバーウォッチ2』

ちなみに『オーバーウォッチ2』公式は1月31日、「ディレクターの視点」を公開。その中では、「6v6ロールキュー・エクスペリメント」のプレイ時間が多く、6対6モードへの需要が十分にあることを把握したと述べている。一方、需要の規模については計りかねている部分もあるようで、シーズン15中盤から小規模な6v6モード専用のライバル・プレイ(ランクマッチ)を展開しつつ、様子をうかがっていくようだ。さらに2月13日にはライブ配信にて新情報をさらに発表するとしている。強力な競合が現れた『オーバーウォッチ2』の巻き返しにも注目されるところだろう。

オーバーウォッチ2』はPC(Battle.net/Steam)/PS4/PS5/Nintendo Switch/Xbox One/Xbox Series X|S向けに基本プレイ無料で配信中。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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