『Clair Obscur: Expedition 33』プレイヤーの「35%」が、『オブリビオン』リマスターも遊んでいたとの調査データ
『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』と『Clair Obscur: Expedition 33』のプレイヤー層の“被り”について、データをもとに報告が寄せられている。

4月23日に配信された『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』および翌24日に発売された『Clair Obscur: Expedition 33』について、プレイヤーの“被り”に関する実態が明らかとなった。大型タイトル2作の発売時期が重なったものの、一定数のプレイヤーが両方とも遊んでいるようだ。海外メディアThe Game BuisinessがAmpere Analysisのデータをもとに伝えている。
『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』(以下、Oblivion Remastered)は、2006年から2007年にかけてPC/Xbox 360/PS3向けに発売されたオープンワールドRPG『The Elder Scrolls IV: Oblivion』のリメイク版だ。『The Elder Scrolls』シリーズのナンバリング第4作となっており、舞台となるのはタムリエル大陸の中央に位置するシロディール地方。スカイリム地方の南方となる。主人公は世界を破滅へと導く陰謀を阻止すべく、広大なシロディールを冒険することとなる。リメイク版ではグラフィックを刷新、ゲームプレイもアップデートされている。

そして『Clair Obscur: Expedition 33』(以下、Expedition 33)はSandfall Interactiveが手がけるターン制RPG。本作の世界では、ペイントレスと呼ばれる存在が人々を脅かしていた。ペイントレスは年に1度目を覚まし呪いの数字をモノリスに刻み、描かれた年齢の人々は煙となって消えてしまう。ペイントレスの描く呪いの数字は年々ひとつずつ小さくなるため、人類は滅びを待つ状況にあった。「33」の数字が描かれる年、主人公たち第33遠征隊は死のサイクルを止めるため、ペイントレスを倒す旅に向かう。

突如登場した『Oblivion』リマスターにも劣らない人気
『The Elder Scrolls IV: Oblivion』のリマスター版についてはかねてより発売の噂も流れていたなか、4月23日にBethesda Softworksによって『Oblivion Remastered』が突如発表。そしてなんと即日配信が開始された。突然の大作のサプライズ配信に業界は揺れ、発売時期が被ったことによって大きな打撃を受けた作品なども報じられてきた(関連記事1、関連記事2)。
なかでも翌日4月24日に発売を控えていた『Expedition 33』は、“JRPGの進化系”といった謳い文句などから、発売前より期待作として耳目を集めていた。同作を販売するKepler Interactiveは『Oblivion Remastered』の配信決定を受け、突然のライバル登場に対する驚きの感情を示していた(関連記事)。あくまでジョーク交じりの反応ではあったものの、発売時期被りによる売上の食い合いについて懸念はあっただろう。またユーザーからも「どちらを遊ぶか迷う」といった声が集まっていた。
しかし、そんな懸念を払拭するかのごとく、同作は発売直後から見事な結果を残している。レビュー集積サイトMetacriticでは、メタスコアは約92点、ユーザースコアも約9.7点というきわめて高い数値を叩きだした。すでに“2025年のGOTY(Game of the Year)候補”との呼び声も高いほか、さっそく売上100万本を突破したことも報告されている(関連記事)。結果としては初動から大成功を収めた本作だが、『Oblivion Remastered』の発売による影響がいかほどだったかが注目されていた。

『Expedition 33』と『Oblivion Remastered』の“つまみ食い”
海外メディアThe Game Buisinessは5月2日、同2作に関するAmpere Analysisの統計データを伝えた。それによると、『Expedition 33』を遊んだユーザーのうち35%ものプレイヤーが『Oblivion Remastered』もプレイしていたという。つまり、同2作を両方遊んだプレイヤーが一定数存在することが明らかになった格好だ。ジャンルとしては異なるものの、プレイヤー層には被りがあったようだ。
一方でプラットフォーム別で見た場合、Xbox版ではその割合は55%にまで上昇するものの、Steam版では22%、PS5版では16%までに低下するとのこと。Xbox版とそれ以外とで値が大きく乖離している原因としては、定額制サブスクリプションサービスの存在が挙げられそうだ。同2作はともにPC/Xbox Game Passで発売初日から遊ぶことができたのに対し、PlayStationが提供するPlayStation Plusエクストラ/プレミアム向けのゲームカタログなどには追加されていない。プラットフォーム間の割合の違いを見ると、PC/Xbox Game Passを利用して両作を遊んだユーザーが多かったこともうかがえる。

とはいえそうした遊び放題のタイトルを自由に往来して遊ぶようなスタイルは、1つの作品にかけるプレイ時間の減少にもつながっているようだ。『Expedition 33』の平均プレイ時間に関する統計では、The Game Buisinessの報告時点でPS5版とSteam版がともに4.4時間であるのに対し、Xbox版では2.2時間。また『Oblivion Remastered』についても、PS5版が3.8時間、Steam版が3.6時間であるのに対し、Xbox版は2.2時間だという。特にXbox版では、同2作を少しずつ遊んでいるユーザーも多かったようだ。特にサブスクリプションサービスで遊ぶ場合には、どちらかを“つまみ食い”にとどめているユーザーも一定数いるかもしれない。
今回報じられたデータからは、突然配信された『Oblivion Remastered』と、『Expedition 33』との一定の“プレイヤー被り”が存在していることが明らかになった。そして両タイトルのどちらもプレイしているユーザーは、有限な可処分時間をやりくりして両作をプレイしているとみられる。いずれも大型タイトルであり、ゲームタイトル間での「プレイ時間の奪い合い」も発生しているのかもしれない。発売まもなく両方ともプレイしたユーザーが、つまみ食いではなくいずれもクリアまで漕ぎつけられるのか。今後は実績・トロフィーの取得率の推移も注目されるところだろう。