『モンスターハンターワイルズ』公式、最初の大型アプデでいきなり「恐ろしい強敵」を実装すると宣言。“難易度やさしめ説”広まる中で、難しさ段階アップ方針示す

カプコンは2月27日、『モンスターハンターワイルズ』の無料タイトルアップデートを4月上旬に実施すると発表。このなかでは歴戦の個体以上の高難易度コンテンツが実装されることも紹介されている。

カプコンは2月28日、『モンスターハンターワイルズ』を発売する。PS5向けにはすでに発売されており、PC(Steam)/Xbox Series X|S向けには日本時間本日14時からプレイ可能となる見込み。

本作では発売を前にして公開された一部メディアレビューなどを発端に、コミュニティにて「難易度が低いのではないか」といった話題が広まっていた。この状況を意識してかどうかは定かではないものの、英語向け公式Xアカウントは発売後の無料タイトルアップデートにて高難易度コンテンツが実装されること強調して紹介している。


『モンスターハンターワイルズ』は、ハンティングアクションゲーム『モンスターハンター』シリーズ最新作だ。舞台となるのは、ギルドが調査したことのない未踏の領域「禁足地」。数年前に謎のモンスターに襲われ、保護された少年ナタの証言を手がかりに、プレイヤーは調査隊のハンターとしてこの地に足を踏み入れることになる。

本作の発売を前にして、メディアプレビューなど一部の先行プレイ者の感想から、コミュニティでは本作が従来のシリーズ作品より難易度が低いのではないかといった話題が広がりを見せていた。たとえばIGNのTom Marks氏はレビュー記事にて、自身がシリーズ作品のベテランプレイヤーであることを示しつつ、メインストーリーのクリアまでに一度もクエストを失敗することがなかったと報告。クリアに20分以上かかるミッションはひとつもなく、力尽きた(ダウン)回数は合計2回だけだったという。

また同氏はモンスターへの対策として装備をじっくり考えることもなく、基本的にメインストーリー中は(素材集めとして)同じモンスターと二度戦う必要がないまま、手に入れた素材だけを使って攻略を進めることができたとのこと。エンドゲームについても装備の強化不足やダメージ不足に悩んだタイミングは1~2回だけで、従来シリーズよりも短い時間で同氏が理想とする装備セットにたどり着いたとしている。

同氏はゲームプレイのスムーズさや洗練された戦闘システム、ストーリーへの没入感などについては評価しており、レビュースコアでは10点満点中8点として称賛。ただベテランプレイヤーとしては挑戦的な体験が少なかったことを少し残念がっているようだ。こうしたレビュー記事を発端として、コミュニティでは本作が従来のシリーズ作品よりも“簡単すぎるのではないか”といった話題も広がっている

そうした中で本作の英語向け公式Xアカウントは、4月上旬に予定されている本作の無料タイトルアップデート第1弾についての情報を改めて紹介。同アップデートではかねてより追加モンスターとして「タマミツネ」が参戦し、イベントクエストやさらなる追加コンテンツが実装されることが明かされていた。そして今回同アカウントは、アップデートにて「新たなレベルの挑戦(A New Level of Challenge)」が実装されると紹介。先日配信された情報番組「PLAY! PLAY! PLAY!」では本作のエンドコンテンツとして「歴戦の個体(Tempered monster)」が登場することが明かされていたが、今回の投稿では歴戦の個体を超える恐るべき強さのモンスターが実装されるとしている。

前述したようなユーザー反応を意識したかどうかは定かではないものの、海外向けには公式がタイトルアップデート第1弾にて追加されるコンテンツが高難度であることを強調した格好だ。またタイトルアップデート第1弾ではメインストーリーをクリアしたプレイヤーだけが利用できる、従来のシリーズ作品における集会所のような場所も用意されるという。プレイヤー間でエンドコンテンツを攻略しやすいような、システム面での拡張もおこなわれるようだ。

ちなみに本作のアートディレクター兼エグゼクティブディレクターである藤岡要氏、およびプロデューサーである辻本良三氏が週プレNEWSのインタビューに対して伝えたところによると、本作の難易度設計は初心者でも少しずつアクションを覚えていけるような“階段”のようなデザインになっているという。

長寿シリーズである『モンスターハンター』では、プレイヤーベースが成熟している背景もある。それでもベテランプレイヤーだけでなく、まずは新規層がプレイすることを見据えた難易度設計になっているわけだろう。タイトルアップデート第1弾でさらなる高難度コンテンツが実装される点も見るに、段階的な難易度アップは本編中だけでなく、今後の運営方針としてもあるのかもしれない。


昨今では、大作ゲームの難易度を巡る議論が発生する例もしばしばみられる(関連記事1関連記事2)。特にシリーズ作品では、まずはクリアまで遊んでもらうことが重要視され、攻略が手詰まりにならないように配慮されることもあるようだ。

『モンスターハンターワイルズ』でも攻略しやすさへの配慮は随所にみられる。たとえば体力バーのアニメーションで敵の大技が前もってわかるようになったり、アイテムのショートカット使用で最適なアイテムが自動選択されたりと、UI面が強化。またオンライン上でほかのプレイヤーに手助けを求める救難信号が引き続き採用されており、本作ではプレイヤーが揃わない場合やソロプレイの場合にNPCが参加してくれるようになった。本編ではまずはプレイヤースキルに関わらずクリアまでたどり着きやすくして、今後のライブサービスに向けて足並みを揃えさせる狙いはあるのかもしれない。

モンスターハンターワイルズ』はPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに本日発売だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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