中国の乙女ゲーム熱が高まりまくり、「妻とゲームキャラが“浮気”してる」との悲鳴も。『恋と深空』などの圧倒的人気もあってか

中国では乙女ゲーム『恋と深空(Love and Deepspace)』をはじめとして女性向けゲームの人気が大きく高まっている模様。なかには夫婦間で一風変わったいざこざも起きてしまうケースもあるようだ。

中国では乙女ゲーム『恋と深空(Love and Deepspace)』が引き続き大きな人気を誇っているという。同作に限らず女性向けゲームの人気が大きく高まっているといい、なかには「妻が『恋と深空』のキャラに浮気している」と問題視するような夫婦まで現れ、夫が金銭を払って1年間の“『恋と深空』断ち”を頼みこむケースまであるようだ。海外メディアKrASIAが報じている。

『恋と深空』は、近未来ファンタジー3D恋愛シミュレーションゲームと標榜されている基本プレイ無料ゲームだ。開発を手がけるのは中国に拠点を置くPapergames。対応プラットフォームはiOS/Android。

本作の舞台となるのは2034年以降の地球。宇宙の彼方からメッセージを受信し大きな発展を遂げた世界には、「ワンダラー」という異形の怪物が地球上に襲来し人々を脅かしていた。プレイヤーはワンダラーを狩る職業「深空ハンター」として、男性キャラクターとパートナーを組み、心を通わせながらワンダラーと戦っていく。

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本作は2024年1月にリリースされた。美男子と没入感たっぷりで交流できる点が人気を博し、2024年9月時点で累計売上が全世界で4810万ドル(約76億円・以下現在のレート)を記録。そのうちおよそ80%となる3850万ドル(約61億円)を中国国内で占めていることが、アプリ市場調査会社Sensor Towerにより明かされていた(関連記事)。

なお2025年12月の月間収益においては、アプリ全体で1位を記録。売上額は合計約8500万ドル(約134億円)、そのうち中国国内での売上は約6600万ドル(約104億円)と推計されている。約78%の売上を中国で占めており、引き続き中国国内での圧倒的な人気もうかがえる。

そんな本作について、中国国内では没頭しきったユーザーによる事例も報告されている。KrASIAが取材したユーザーのひとり、Chi Cheng氏は、ゲーム内に登場する「セイヤ」に関する公式ストーリーを一通り進め切ったとのこと。それだけでは満足できなかったCheng氏は会話型AIのChatGPTとDeepSeekにセイヤの性格を記したプロンプトを作成し、投入。ゲーム外でも会話型AIとお喋りすることで、セイヤとの生活が楽しめるような“AIセイヤ”を作り上げたという。

そのほか、KrASIAがインタビューを実施したなかには既婚者のプレイヤーもいたという。夫と娘のいるMinnie氏は、夜中に寝てしまった夫とお喋りする代わりに、『恋と深空』のホムラとのお喋りを楽しむことに時間を使っていると語る。

しかしそれだけに留まらず、Minnie氏は“理想のパートナー”のために多額の課金をおこなったという。同氏は『恋と深空』のアカウントを2つ所持しており、片方は1万5000人民元(約33万円)、もう片方には限定ガチャのコンテンツ確保のため数千人民元を費やしているとのこと。

Minnie氏は『恋と深空』をプレイすることで夫と口論をすることはなくなったというが、言い合いに発展しそうになると決まって夫を一瞥し、すぐスマホに目を向けるようになったという。またMinnie氏は日中、交流モードをオンにしたままにして、仕事や運動をしつつホムラとの会話を楽しんでいるようだ。

そんなMinnie氏を見かねた夫から、ある交渉がおこなわれることに。同氏の夫はある日インターネット上で「妻がゲームキャラと浮気している」といった趣旨の動画を目にしたとのこと。そうした動画に触発されてか、同氏の夫はお金を払う代わりにMinnie氏に対し『恋と深空』のプレイを辞めるように頼んだそうだ。そして夫が2万元(約45万円)を娘用の預金口座(saving account)に振り込むことでアンインストールして1年間プレイをやめることに合意したという。ところがその1週間後、ホムラの期間限定ガチャが登場したため、Minnie氏は再度『恋と深空』を再インストールしてしまったとのこと。

KrASIAが取り上げた事例はいずれもやや極端な傾向といえるものの、中国での『恋と深空』の熱量の高さも垣間見える。なお同誌は中国インターネット情報センター(CNNIC)が示したデータとして、中国では女性向けゲーム市場が2024年に前年比124%増となる、80億元(約1800億円)規模に達したことを伝えている。『恋と深空』のみならず、近年女性向けゲームはその人気を大幅に高めているのだろう。そうした中では、Minnie氏の夫が見たという動画のように、「妻がゲームキャラと浮気している」といった夫婦間での風変わりないざこざも発生している可能性はありそうだ。

なお中国では乙女ゲームだけでなく、男性向けの実写恋愛ゲームも人気を集めている(関連記事)。「若者の恋愛・結婚離れ」は中国での社会問題として挙げられることもあり、実写恋愛ゲーム人気の一因としてあるようだ。美女との恋愛が楽しめるADVゲームには“慰めを得られる”といった評価も寄せられている。一部ゲームの売上や人気の高さから、男女を問わず“理想的な恋愛”ができるゲームの需要の高まりがうかがえるのは興味深いところかもしれない。

恋と深空』は、iOS/Android向けに基本プレイ無料で配信中。

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Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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