閉鎖したBioWareの共同創設者、『Mass Effect』を“救う”には320億円以上必要そうとの見解。プレイヤーが欲しいのは“最高のAAA“、ライセンス以外にも高いハードル

BioWareの共同創設者であるTrent Oster氏は11月6日、新たな『Mass Effect』を開発するには2億ドル(現在のレートで約320億円)以上が必要になるとの見解を示した。

BioWareの共同創設者であるTrent Oster氏は11月6日、新たな『Mass Effect』を開発するには2億ドル(現在のレートで約320億円)以上が必要になるとの見解を示した。『Mass Effect』を巡っては、BioWareの親会社であるElectronic Arts(以下、EA)によってスタジオの閉鎖と新作の開発中止が発表されている。『Mass Effect』を救おうとするユーザーの運動も広がるなか、復活への高いハードルが示唆されたかたちだ。

『Mass Effect』シリーズはBioWareが手がけてきたSFアクションシューティングゲームだ。そのBioWareは1995年にカナダで設立され、2008年にEAに買収されている。ほかにはファンタジーRPG『Dragon Age』シリーズなどを手がけてきた。直近で同社は2024年11月に『Dragon Age』シリーズの最新作『ドラゴンエイジ: ヴェイルの守護者』をリリース。2020年に発表された『Mass Effect』新作を開発中であった。

ところが10月22日に親会社であるEAからスタジオの閉鎖が発表された。あわせて開発が進められていた『Mass Effect』シリーズの新作についても、開発中止が伝えられている。そうした状況を受けて、同シリーズのファンは「#SaveMassEffect」 と題する署名活動を開始、現時点で30万人を超える署名を集めている(関連記事)。活動の発起人は、EAにシリーズの開発継続を求める一方で、代替案としてEAが『Mass Effect』のライセンスを他のスタジオに供与する考えも提案している。

こうした運動に、BioWareの共同創設者であるTrent Oster氏も反応。署名活動やIPの供与というアイデアには好意的な反応を示しながらも、その実現には相当な資金力が必要になるとの見解を示している。Oster氏は『Mass Effect』の“恐ろしい”点として「プレイヤーが最高のAAA級を求めている」ことを指摘。その基準を満たすには、近年の作品にもとづいて大まかに見積もっても2億ドル(現在のレートで約320億円)以上が必要になるだろうとの考えを示した。同氏は、先行投資としては巨額であり、採算を合わせるにはより大きな計画が必要になるだろうと伝えている。

『Mass Effect』のライセンス供与というアイデアにはBioWare関係者からもさまざまな見解がある。たとえば、BioWareで『Mass Effect』作品のフランチャイズ技術ディレクターを務めていたRomain Toutain氏は、「EAはなにも売ることはない。ただ閉鎖してライセンスを握り続けるだけだ」と懐疑的な見方を示している(GamesRadar)。また、同社でエグゼクティブ・プロデューサーを務めていたMark Darrah氏は、2025年にこちらは閉鎖の決定前の発言ではあるものの、EAではリスクを取らないようにインセンティブが与えられているため、IPの売却には消極的であるとの見解を示していた。ただし、EAの体制が変化することでインセンティブが変化する可能性もあるとも伝えている。

なお、Oster氏は2億ドルと推定した『Mass Effect』の制作について「経験豊かなチームが規律あるアプローチを取るなら、もっと安く作れると思う」とも発言。開発体制次第では、より低コストで実現できる可能性を伝えている。また親会社であるEAも、サウジアラビアのコンソーシアムによる巨額買収を経て、経営体制や事業方針に大きな変化が生じる可能性もある。従来は考えにくかったIP売却という選択肢が浮上することもあるかもしれない。EAの今後の動向、そして復活を望む声も多い『Mass Effect』シリーズの行く末に注目したい。

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