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『FF14』ログイン停止騒動の裏では、“PHP水やりサービス”が白熱。他人の畑に集結する、謎の水やりガチ勢
『ファイナルファンタジーXIV』において、10月22日午前1時ごろから午後9時ごろまでPC版において新規ログインが停止されていた。その裏で“PHP水やりサービス”なる動きが白熱していた。

スクウェア・エニックスが運営するMMORPG『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』) は10月22日、「PHP」に関する重大な脆弱性に対応するため、同日午前1時ごろからパッチサーバーを停止した。ゲーム自体は引き続きプレイ可能だったものの、同日午後9時ごろまでPC版において新規ログインが停止された状態となっていた。
こうした背景のもと、コンソール版のプレイヤーやすでにログインに成功していたプレイヤーたちが、ログインできないプレイヤーに向けて「畑の水やり代行」のボランティア活動を開始。『FF14』コミュニティらしい心温まる対応に称賛の声が集まっている。

「PHP」はWebサイトの構築やサーバーの処理などに幅広く使われているプログラミング言語だが、重大な脆弱性が見つかったとして、10月21日午後11時に修正プログラムが配布された。当初は22日に修正版が公開される予定だったものの、脆弱性に関する情報が流出したとして前倒しで公開されたものだ。修正プログラムが適用されるまでの間、脆弱性を突いた攻撃を防ぐため、サービスの一時停止というかたちで対応した企業も少なくなかった。
『FF14』においても、10月22日午前1時ごろ、PHPの脆弱性への対応とセキュリティ強化を目的として、パッチサーバーが停止。これに伴い、PC版では新規ログインができない状態となっていた。緊急の対応だったこともあり、当初は復旧の見通しも不透明な状況となっていた。
一方、急遽実施されたこの対応には焦りを覚えるプレイヤーも続出した。というのも、本作にはさまざまな作物を育てる「栽培」システムが存在する。作物を収穫するまでには一定の時間がかかり、その間は定期的な水やりが必要となる。数日間水やりを怠ると、作物が枯れてしまうこともある。

そのため、復旧の見通しも立たないなか、ログインできないプレイヤーの一部は、せっかく手塩にかけて育てた作物が台無しになってしまう危機にあったのだ。また、本作には複雑な「交雑」システムも実装されており、目指す作物によっては入手まで数週間にわたる世話が必要になることもある。つまり、一部のプレイヤーにとっては、たかがゲーム内の作物と笑い飛ばせない事情があったわけだ。
そうした背景のもと、『FF14』の話題を取り扱うRedditのコミュニティで注目を集めたのが、「PHP水やりサービス(PHP Watering Service)」と題された投稿だ。投稿者のrhena_氏は、運営側がPHPの脆弱性への対応を進めるなか、ログインできないプレイヤーの畑が放置されてしまうことを懸念。畑があるワールドと区画を知らせてくれれば、ログインできないプレイヤーに代わって、水やりを引き受けると申し出たのだ。
rhena_氏はコンソール版でのプレイヤーでありログインができたとのこと。水やりの対価は求めていないといい、「コミュニティの皆さんがいつも親切にしてくれたから、なんとか恩返しをしたくて」と活動を始めた理由を語っている。実際にこのサービスの需要は高かったようで、同氏の申し出には、ログインができなかったプレイヤーから多数の「水やり依頼」が寄せられている。同氏はそうした依頼者の一人ひとりに丁寧に返信し、作物への水やりを終えたことを報告していた。
同氏の試みには多くの称賛の声が寄せられ、活動に賛同するプレイヤーも次々と現れた。なかにはrhena_氏よりも先に依頼者の畑へ水やりに向かうプレイヤーも登場し、次第に“光の水やり戦士”たちによるレースのような様相を呈していたようだ。そうした賛同者のなかには、活動の途中でログアウトを余儀なくされ、作業を中断せざるを得なくなったプレイヤーもいた様子。しかしそのプレイヤーの意思を引き継いで、かわりに水やりを引き受ける有志も登場。こうして“光の水やり戦士”たちによる善行の輪は、次々と広がっていった。

そしてログイン停止措置の開始から約20時間後の10月22日午後9時ごろ、『FF14』運営は更新済みのパッチサーバーを公開し、あわせて新規ログインの再開を報告した。それにともない、約1日間にわたって続けられた「PHP水やりサービス」も終業を迎えた。rhena_氏は水やりに協力してくれたプレイヤーたちに感謝を伝えるとともに、自分より先に畑へ駆けつけたプレイヤーと鉢合わせするのも楽しかったと振り返り、「正直ゲームとしては心温まる体験だった」と語った。
なお、こうした「水やり代行」はrhena_氏のみならず、国内でもXでの報告を中心にさまざまなプレイヤーによっておこなわれてきた様子だ。また、「水やり代行」の広まりは今回が初めてではなく、2021年に生じた「ワールド間テレポの不具合」では、自宅のあるワールドに帰還できない“帰宅難民”が発生。そうしたプレイヤーを助けるべく、パーティ募集欄を通じて番地を聞き取り、無償で水やりを代行する有志が多数現れていた(関連記事)。「水やり代行」は、思わぬ“困難”すらもプレイヤー同士の助け合いで乗り越えようとする、『FF14』らしいコミュニティ文化の現れといえるかもしれない。
『ファイナルファンタジーXIV』は、PC/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch 2向けに配信中だ。
© SQUARE ENIX
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