「車必須社会」目指す都市開発シム『Car Park Capital』邪悪すぎて面白いと「圧倒的に好評」に。住民は遠方に、バスや地下鉄は徹底排除、大悪人の資本主義

MicroProse Softwareは10月9日、Hilkojj Interactiveが手がける『Car Park Capital』の早期アクセス配信を開始した。「圧倒的に好評」ステータスを獲得する高評価となっている。

パブリッシャーのMicroProse Softwareは10月9日、Hilkojj Interactiveが手がける『Car Park Capital』の早期アクセス配信を開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)でゲーム内の日本語表示に対応している。本作は配信直後から極めて高い評価を得ており、Steamユーザーレビューでは97%の好評率で「圧倒的に好評」ステータスを獲得している。

『Car Park Capital』は見下ろし型の街づくりシミュレーションゲームだ。90年代風のレトロなグラフィックの街を理想のかたちに築き上げていく。しかし、理想として目指すのは「住民にとって快適な街」ではない。自動車業界の大企業Big Autoの雇われ人であるプレイヤーは、町の住人たちが車依存になるよう“自動車がないと不便な街”を目指すのだ。現時点では、それぞれ異なる難題が待つ3つのマップ(シナリオ)をプレイできる。

一般的な都市開発ゲームでは、何もない土地に街を築いたり、問題を抱える都市を少しずつ住みやすい環境に改善したりしていくが、本作でプレイヤーが取り組む都市開発はその真逆ともいえるものだ。シナリオの1つであるボールドタウン市は、すでにインフラや住宅環境が整備され、往来には多くの人が徒歩で行き交う、活気あふれる美しい街だ。プレイヤーはこの街の土地を少しずつ買収し、建物や道路を置き換えることで、「車がないと不便な街」に塗り替える。自動車会社の利益のために、ボールドタウン市を“駐車場帝国”へと作り変えるのだ。

土地を買収したら、まず取りかかるのは建物を取り壊し、駐車場を建設することだ。都市の中心部は駐車需要が高く、駐車料金による大きな収益が期待できる。土地を買い占め、空き地を確保し、次々と駐車場を建設することで収入を増やしていくわけだ。ちなみに、駐車料金はプレイヤーが自由に設定可能。住民の車依存度が十分に高まったところで料金を引き上げれば、さらなる収益増加を狙えるだろう。

ただし、買収した土地に住民が暮らしている場合、その建物をすぐに取り壊すことはできない。そこで活躍するのが「追い出し」コマンドだ。郊外に新たな住宅を建設したうえでこのコマンドを実行すれば、都心部の住民を郊外へと移住させることができる。 こうして都心部には駐車場を建設する土地が生まれ、郊外に追いやられた住民は移動のために自動車を必要とするようになる。 そこで今度は自動車工場を建設し、住民たちに車を売りつけるのだ。 まさに一石二鳥の戦略だ。

また、町の中心部はすでにバス停や地下鉄といったインフラ網が充実している。こうした便利な公共交通機関も、“車依存社会”の実現を目指すプレイヤーにとっては邪魔な存在となる。そこで、駅やバス停のある土地を買収し、アスファルトで埋め立ててしまおう。公共交通機関を次々と撤去することで、住民たちはますます自動車に頼らざるを得なくなる。さらに、埋め立てた土地には“プロパガンダ”として自動車の広告を設置できるほか、カーショップやドライブスルーなどの施設を建設することも可能。こうして公共交通機関を排除しながら、自動車を利用する設備を増やしていくのだ。

しかし、こうした都市開発を進めていくと、その方針に反発する住民たちがデモ活動を起こすことがある。抗議者が増えると自動車の販売台数が落ち込んでしまうため、プレイヤーにとっては厄介な存在だ。一般的な都市開発ゲームでは、住環境を改善することで住民の不満を解消していくが、本作ではまったく異なる方法で抗議者に対処する。なんと、「機動隊」の施設を建設することで、抗議者を逮捕することができるのだ。さらに、巡回ルートを設定すれば、機動隊や広告宣伝車を街中に巡回させることも可能。プロパガンダによる宣伝活動と、機動隊による取り締まりを駆使して、住民たちを“車依存社会”へと染め上げていくわけだ。

従来の都市開発ゲームのシステムを踏襲しつつ、「町を不便に作り変える」というあまりにも異色なコンセプトが本作の特徴となっている。そんな本作は10月9日に早期アクセスの配信を開始するやいなや、爆発的な人気を獲得。Steamでは記事執筆時点で970件以上のユーザーレビューが寄せられ、うち97%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスを獲得している。“邪悪”な都市経営を目指す本作のブラック・ユーモアに溢れた姿勢が、現代社会の痛烈な風刺として高く評価されている。また、経営シミュレーションとしてのゲーム性そのものを称賛する声も多く、遊園地シミュレーション『ローラーコースタータイクーン』シリーズの“邪悪版”になぞらえるプレイヤーも見られるなど、ジャンルのファンからも支持を集めている様子がうかがえる。

ちなみに、ユーザーレビューではさっそくさまざまな“邪悪”な攻略が報告されている。上述した「住民の郊外追い出し」は王道の攻略として多くのプレイヤーが活用しているほか、なかには環境汚染を逆手に取った攻略法を編み出したプレイヤーもいる。 あるプレイヤーは、郊外に自動車工場を建設したところ、工場が排出する汚染物質のせいで周囲の木々が枯れてしまったそうだ。しかし、その後、汚染された土地は無料で取得できることに気づき、事業を格安で拡大する手段を発見したと喜びの報告を伝えている。街の環境を破壊し、住民の暮らしを不便にするほど利益につながるという、なんとも皮肉なゲームプレイが多くのプレイヤーを魅了しているのだろう。

そんな本作にはシナリオの少なさを指摘する声も寄せられているが、開発元は早期アクセスの期間中に、新たなマップの実装や、建設・カスタマイズオプションの拡充、戦略性の強化、さらにイベントや災害の追加といったアップデートの予定を伝えている。早期アクセス期間は約10か月を見込んでおり、2027年夏に正式リリースを目指しているとのこと。開発元は今後もフィードバックを参照しながらゲームを拡充していくとしており、今後のさらなる進化に期待したいところだ。

『Car Park Capital』はPC(Steam)向けに配信中だ。現在リリース記念セールとして、10月24日まで定価の10%オフとなる2160円で発売している。

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Kousetsu Taguchi
Kousetsu Taguchi

レトロゲームショップに入ると真っ先にセガサターンのコーナーを確認するタイプです。

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