コピーガード「Denuvo」、“謎のクラック常習犯”特定に向けて怒りの徹底追跡。25本以上ものゲームを破ったDenuvoキラー

「Denuvo Anti-Tamper」を手がけるDenuvo社は、カリフォルニア州の連邦裁判所に対してDiscord、Valve、Redditに向けた召喚状の発行許可を求めた。Denuvoを数十タイトルにわたって回避し損害を与えたという匿名ユーザー「voices38」の身元を特定するためだという。

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「Denuvo Anti-Tamper(以下、Denuvo)」を手がけるDenuvo社は10月2日、カリフォルニア州の連邦裁判所に対してDiscord、Valve、Redditに向けた召喚状の発行許可を求めた。これは9月14日に提出された、コピーガードDenuvoを回避したクラッカーへの訴訟に関する情報開示要請となっている。TorrentFreakなどが報じている。

DenuvoはIrdeto傘下のDenuvo社が手がける、デジタル著作権管理(DRM)技術のひとつだ。さまざまなセキュリティ対策を実装することで、ビデオゲームソフトウェアの無許可流通および使用を防止することを目的としている。この技術では、暗号化、難読化、およびデバッグ防止技術を組み合わせて採用し、ハッカーが保護されたコードを分析して変更することを困難にする。一方で、PCゲーマーの間では、Denuvoの実装によりゲームのパフォーマンスが落ちるとの声も上がっており、一部のユーザーがクラックによる“回避”を目論むこともある。

Denuvo社は9月14日、匿名ユーザーの「voices38」を被告として訴訟を提起。voices38はRedditなどで活動するクラッカーであり、『ホグワーツ・レガシー』や『ソニックフロンティア』、『プラグマタ』などをはじめとした、少なくとも26本のタイトルについて、Denuvoを回避したとされている。さらにRedditなどでその回避方法を公開するなどしていた人物だ。Denuvoによれば、voices38のこの活動はDMCAに違反し、同社の事業に損害を与えているとして損害賠償の請求と今後Denuvoの回避をおこなわないことなどを求める訴えを起こしていた。

ところが、voices38についてはその正体は現時点でも明らかになっておらず、個人であるのか団体であるのかすら不明という状態だ。Denuvoの独自調査では、DiscordユーザーID、Redditアカウント、7個のSteamプロフィールがvoices38と関連のあるものとして提示されている。

TorrentFreakの報道によれば、今回Denuvo社はカリフォルニア州の連邦裁判所に対して召喚状の発行許可を求めている。その内容は、Discord、Valve、Redditに向けて、先述の各アカウントの詳細およびIPアドレスの情報開示を要求するものだ。なおSteamについてはそのアカウントの取引履歴の開示も要求している。Denuvo社は3社にすでに直接連絡を取ったものの、いずれも法的な根拠なしに情報を提供できないと回答したという。そのため連邦裁判所への召喚状の発行許可申し立てに踏み切ったのだろう。

なお、voices38を巡った訴訟に関連して、Denuvoの回避ツール開発などを中心に活動していたクラッキング集団「DenuvOwO」が解散したと伝えられた。また海賊版フォーラムの「CS.Rin」はDenuvOwOのリリースへのリンクを削除したほか、メンバーの一部がフォーラムから追放されたとのこと。訴訟による直接的な影響かは不明ながら、voices38に対して訴訟が提起されたことをきっかけに、法的リスクへの懸念が生じた可能性も考えられる。

いずれにせよ今回のDenuvoの召喚状の発行許可は、Discord、Valve、Redditの要求していた“法的根拠”にほかならないだろう。これによってDenuvoの調査が進めば、voices38の身元の特定、ひいては訴訟の進展も期待できるだろう。今後は調査によって、実際にvoices38がDenuvoの主張するDRMの回避をおこなっていたかが焦点となっていくと見られ、その動向は注目される。

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Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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