“RPGっぽい宿屋の記録”推理ゲーム『魔王城前店の宿泊名簿』無料公開。断片情報から謎に迫る『オブラディン』風ゲーム

個人ゲーム開発者の作っちゃうおじさん氏は9月20日、無料ブラウザ推理ゲーム『魔王城前店の宿泊名簿』を公開した。

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個人ゲーム開発者の作っちゃうおじさん氏は9月20日、無料ブラウザ推理ゲーム『魔王城前店の宿泊名簿』を公開した。PC/スマートフォンのWebブラウザから、ダウンロード不要でプレイ可能だ。

『魔王城前店の宿泊名簿』は、魔王討伐へ向かった冒険者たちの記録を読み解き、過去の宿泊名簿を復元していく推理ゲームだ。公式説明では「オブラディンライク」と標榜されており、断片的な情報を突き合わせて人物や出来事を特定するという、『Return of the Obra Dinn』に似た作風になっている。プレイヤーは冒険者たちの「思考盗聴記録」を手がかりに、誰がいつ、どの宿のどの部屋に泊まっていたのかを突き止めていく。

物語のきっかけとなるのは、学校から出された「町の歴史を調べる」という宿題だ。主人公は家族が営む宿屋について調べることになり、倉庫に残された大量の古い資料を発見。まずは主人公が暮らす「谷風亭」の、100年前の宿泊名簿を完成させることになる。

本作でおこなうことは、大きく二つある。ひとつは、冒険者たちの記録から手がかりを探し、次に読むべき「資料」を見つけ出すこと。もうひとつは、集めた情報をもとに宿泊者を各部屋へ配置し、「宿泊名簿」を復元することだ。この二つを行き来しながら、100年前に起きた出来事を少しずつ明らかにしていく。

手がかりとなるのが「思考盗聴記録」だ。作中の宿では各客室に魔術がかけられており、宿泊代表者に問題がないか確認するため、就寝後にその人物の思考が記録される仕組みになっていた。そこには本人がその日に見聞きしたことや、考えていたことまで残されている。

たとえば、最初に読める調査員シラベの記録では、自身が谷風亭の3号室に泊まっていることが分かる。さらに「1号室にいる眼帯の男」や、隣の2号室から聞こえてくる騒ぎについても記されている。こうした何気ない記述から、ほかの宿泊者の正体や居場所を絞り込んでいくわけだ。

ただし新たな記録を探すには「資料ID」を推理する必要がある。資料IDを構成するのは、日付、宿、部屋番号、そして宿泊代表者の冒険者ギルドIDだ。記録に書かれた情報をもとに各項目を割り出し、完成したIDを入力することで次の資料を探していく。

たとえば「001TK312」であれば、1日目の谷風亭3号室に泊まった、ギルドID12番の宿泊代表者による記録を指す。つまり文章を読むだけでなく、「この人物は誰なのか」「どの部屋に泊まっているのか」「誰が宿泊代表者なのか」といった情報を組み合わせなければ、新たな記録にはたどり着けない。

人物の特定には「ギルド名簿」も利用できる。名簿には冒険者の名前、外見、職業、ギルドIDが並んでおり、記録中に登場する特徴と照らし合わせて候補を絞れる仕組みだ。また、発見済みの資料には、その文章を手がかりとして見つけられる「未発見資料」の数が表示。新たな記録を見つけると数字が減っていくため、行き詰まった際には、まだ別の資料につながる情報が残っている箇所を探す目安にもなる。

そして、もうひとつの目的となるのが、「宿泊名簿」の復元だ。ギルド名簿からキャラクターを選び、その人物が泊まっていた部屋へドラッグして配置していく。ひとつの部屋に複数人が泊まっていた場合は、宿泊代表者を含めた全員を特定する必要がある。

同じ日、同じ宿の1号室から3号室までの宿泊者を正しく揃えると、その宿の名簿は「解決」となり、ほかの日と宿を調べられるようになる。ただし、冒険者たちは日によって同行者や泊まる宿が変わるため、一度分かった組み合わせが別の日にもそのまま当てはまるとは限らない。そのため、推理では複数の記録を行き来しながら情報を照らし合わせていく。ある人物が隣室について触れているなど、別々の文章に散らばった手がかりをつなぎ、新たな資料を探しながら宿泊者を特定。判明した人物を名簿へ配置していくことになる。

記録をたどっていくうちに、宿泊者の正体だけでなく、冒険者たちが抱える思惑や秘密も少しずつ見えてくる。また、魔王軍の策略には、正面からの戦いとは異なる奇妙な罠も存在。宿泊部屋を「XXXしないと出られない部屋」へ変える罠や、女体化トラップなども登場する。冒険者たちがどのような罠に巻き込まれ、その裏で何が起きていたのかも、残された記録から追っていくことになる。最終的には、冒険者たちが何を隠していたのか、そして真の勇者が誰だったのかを突き止めるのだ。想定プレイ時間は約1時間30分となっている。

本作の開発を手がけるのは、個人ゲーム開発者の作っちゃうおじさん氏だ。同氏はブラウザゲームサイト「作っちゃうおじさんのゲーム置き場」を10年以上運営し、これまでに100本以上のゲームを公開。Steamでは『ダンジョンデストロイヤー』『ダンジョンボンバー』を配信している。

『魔王城前店の宿泊名簿』は、『Return of the Obra Dinn』『ギルド探求団へようこそ!』『デスゲームの報告書』などから影響を受けて制作されたという。同氏は9月17日、同月19日から20日にかけて実施されるゲーム制作企画に向けて、「魔王城付近の宿泊名簿から、勇者が失踪した理由を解き明かす」オブラディンライクを制作すると予告。その後9月20日に、本作を公開した。公開後には『ギルド探求団へようこそ!』の開発者であるパルソニック氏も好評を寄せるなど、さっそくじわじわと話題になっている

なお作っちゃうおじさん氏は本作の公開にあたって、自身についてゲームシステム作りを得意とする一方、世界観やテーマ設定にはまだ勉強が必要だと感じていたと説明。本作ではそうした部分にも取り組み、それぞれの登場人物の思惑や行動が、推理を重ねるほどひとつの物語につながっていく構成を目指したという。冒険者たちの何気ない思考から宿泊者を割り出し、次の記録へとたどり着いていく本作。100年前の魔王討伐の裏で何が起きていたのか、残された記録を追って確かめてみてはいかがだろうか。

『魔王城前店の宿泊名簿』はPC/スマートフォン向けに無料公開中。Webブラウザからダウンロード不要でプレイできる。

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Junya Shimizu
Junya Shimizu

ローグライクが大好きです。映画や海外ドラマも好きなので、常に時間に追われています。

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