『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』にて「無理やり外せるパーツ」を探すコミュニティ誕生。“新技術”のためにハイラルを破壊し尽くす物騒集団

 

ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』にて、Reddit上に風変わりなコミュニティが誕生した。「ハイラル中のオブジェクトを無理やり破壊してパーツをもぎ取ること」を目指しているという。


『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』ではリンクの新たな能力「ウルトラハンド」によって、さまざまなものをビルド可能。攻略に役立つメカからなんの役にも立たない装置まで、プレイヤーたちが多彩なもの作りに励んでいる(関連記事)。国内外のSNSやコミュニティで、プレイヤーたちはお互いのノウハウや創造物を共有。海外掲示板Redditにおいても、ユーザーによる多彩な発明が日夜投じられている。

そんなRedditにて先日、一風変わった本作のコミュニティ「HDPD」が誕生した。HDPDとは「Hyrule Detachable Parts Division」の略称とのこと。日本語では“ハイラル取り外し可能パーツ部門”といった意味になるだろう。同コミュニティの目的は、その名のとおりハイラル中の取り外し可能なパーツを探して回ることだという。ただし、目標となるのは容易に取り外せるパーツではない。強引に“もぎ取れる”オブジェクトを探し求め、ハイラル中を破壊して回っている様子だ。

たとえば下記のユーザーは空島にある発射台を回転させるハンドルの取り外しに挑戦。杭とおきあがりこぼしを駆使してハンドルに大きな力を加えている。ハンドルはおきあがりこぼしに引っ張られて歪んだものの、取り外すことはできなかった。一方でおきあがりこぼしを止めると、発射台の台座が突然物々しく振動し始めた。この原因は、ハンドルと発射台を杭で繋ぐことでなぜか台座が動くことにあるようだ。結果的にハンドルの取り外しには至らなかったものの、発射台における不思議な挙動が発見されたかたちだ。


さらに同コミュニティ内のユーザーたちが躍起になっている問題がある。それはゴーレム製造房・左腕の蔵内にある、扉の取り外しだ。左腕の蔵には、鎖と重りのついた大きな扉が存在。頑丈そうな扉を何とか外せないか、ユーザーらはあの手この手を試している。

下記のユーザーは扉に多数のロケットをくっ付けて点火。扉の反対側には地面に数本の杭が刺しこまれている。ロケットの推進力で扉は本来の位置から大きくズレて、そのまま杭を乗り越えるかたちに。扉は杭に阻まれて元の位置に戻れず、プルプルと不穏な挙動を見せている。しかししばらくすると扉は杭を無視して瞬間移動。何事もなかったかのように本来の位置におさまった。ほぼ外れたような状態であったが、結局取り外しには至らなかった。


ほかにも左腕の蔵の“扉外し”にはさまざまなアプローチが試されている。ロケットと浮遊石を組み合わせたり、弓スロー時の物理演算の変化を利用したり。HDPD内のユーザーらが奮闘しているものの、いまだに取り外しには至っていない。仕様上取り外せないのではないかという推察も見られるものの、それでもめげずに挑戦し続けるユーザーは一定数いるようだ。

なお、HDPDが取り外し可能なパーツを探す目的は、本作の“技術”を発展させることにあるという。本作では、ユーザーらがゴーレム製造房に破壊して取り外し可能なオブジェクトがあることを報告。特に右脚の蔵のエレベーターの柵は、軽量かつふわふわとした不思議な物理演算を備えていることが注目され、さまざまなもの作りに利用されている(関連記事1関連記事2関連記事3)。

HDPDでは、そうしたもの作りに変革をもたらす新たなパーツを探しているのだろう。ハイラル中を破壊して回る一見物騒な集団ながら、もの作りに活かせるパーツを発見することが理念としてあるわけだ。


そんな本コミュニティでは、上記スレッド以外にもさまざまな試みがおこなわれている。イチカラ村の広場ハテノ村の学校の鐘を取り外そうと試みたり、スナザラシのソリの縄を切って拝借したり、執事ゴーレムを勝手に乗り物に載せて連れ去ったり。そうした活動が実を結び、もの作りに転用できるような大発見に至る可能性もありそうだ。HDPDの今後の動向にも注目していきたい。

『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』はNintendo Switch向けに発売中だ。