「Steamオータムセール 2022」でおすすめしたい、“ちょっぴり埋もれてる気がする”ゲーム11選。ここ3年で発売されたタイトルで

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現在Steamにて、オータムセールが開催中だ。5万本以上のゲームがセール対象となっている。セール期間は、日本時間で2022年11月30日の午前3時まで。Steamでは年々、新作のリリース本数が増加傾向にある。2020年には年間1万本リリースに迫り、2021年には1万1000本を突破。今年はすでに、前年リリース本数を上回る1万1697本が新たに配信されたようだ(SteamDB)。それゆえに、光る部分があるものの、多数ある話題作のなかで埋もれ気味になってしまうタイトルも多いことだろう。そこで今回は、2020年以降にSteamでリリースされた作品を対象に、「ちょっとだけ埋もれている気がする」魅力あるセール中タイトルをAUTOMATONライター陣がピックした。皆さんが知らなかった、あるいはうっかり遊び忘れていた作品を発掘していってほしい。なお「埋もれている気がする」の判断基準は個人によってそれぞれ異なるので、そこはご容赦いただければ幸いだ。

Nuclear Blaze

707円(1010円、30%オフ、日本語あり)(Steamストアリンク

『Nuclear Blaze』は短編アクションアドベンチャーゲームだ。熟練の消防士である主人公の新たな任務は、燃え盛る森に降り立ち、火災の原因を調査しながら生存者を捜索することだ。しかし捜索する中で “謎の実験施設”を見つけたことをきっかけに、主人公の任務は想定外の事態へと進んでいく。

本作はパズル要素のあるアクションゲームになっており、各エリアの燃え広がる火をすべて消火することで、次のエリアへと進むことができる。アクションに関してはかなりシビアな操作が求められるシーンや、初見殺しのような要素もあるが、エリアの随所にチェックポイントが用意されているため安心だ。また、本作は初期状態ではかなり歯ごたえのある難易度となっており、EasyやHardといったような難易度プリセットは存在しない。しかしプレイヤーの好みに合わせて自由に難易度を設定することができる。たとえば、使用できる水の量を調整したり、自動で放水するようにしたり、果てにはプレイヤーが死なないように設定することもできる。

本作を制作したのは、横スクロールローグライトアクションの金字塔『Dead Cells』のクリエイター陣。同作での開発経験が存分に活かされており、白熱したアクション、直感的な操作が楽しめる。ゲームは基本的には一本道となっており、2時間程度でクリアすることができる。寒さに向かう季節、燃え盛るピクセルグラフィックの火で暖を取ってみてはいかがだろうか。
by. Sora Hashio

Ultimate Zombie Defense

348円(520円、33%オフ、日本語あり)(Steamストアリンク

『Ultimate Zombie Defense』はタワーディフェンスCo-opゲームだ。プレイヤーはソロまたは最大4人のチームを組み、迫りくる無数のゾンビから身を守らなければならない。強力な武器やアーマーを身につけ、金網フェンスや有刺鉄線などの障害物、タレットや地雷などの武器を用いて大規模な基地を建築しよう。時折襲来する強力な特殊ゾンビに備えてプレイヤーの装備を強化し、基地をより堅牢堅固なものへと進化させるのだ。

本作では見下ろし視点で、ウェーブ制の基地防衛が展開される。ウェーブに上限はなく、ウェーブごとにゾンビが強化され10ウェーブごとにボスとなるソンビが登場する。また、本作には多様なカスタマイズ要素が存在する。タイプの異なる4つの職に、職ごとに特化したスキルツリー、さまざまな武器や建築物などなど……。違う武器や職を試したくなり、ついつい繰り返しプレイしてしまう。

次回作となる『Ultimate Zombie Defense 2』も発表されている本作。シンプルながら奥が深く、ゲーム後半はうまく考えて基地を建設しなければ一瞬にしてゾンビにやられてしまう。ソロプレイも可能だが、ぜひ友人と一緒に無敵の基地を建設し、大量のゾンビを爽快に殲滅してみてほしい。
by. Sora Hashio

ケチャップandマヨネーズ

640円(800円、20%オフ、日本語あり)(Steamストアリンク

『ケチャップandマヨネーズ』は、2人の少女の活躍をにぎやかに描くコミカルなRPGである。本作の主人公は、赤い髪のケチャップと白い髪のマヨネーズ、2人の少女だ。ある日、2人はちょっとしたきっかけから各地を巡ることになり、旅へ出発。個性的なキャラクターたちも次々に登場し、ハチャメチャで騒がしい不思議な冒険が展開されていく。

ケチャップとマヨネーズは、アクション要素を取り入れたバトルを繰り広げながら、先へ歩む。本作のバトルでは、敵の攻撃ごとにさまざまなギミックが用意されている。たとえば、敵の攻撃をタイミングよく防いだり、ハートを動かして攻撃を避けたり、水鉄砲で導火線に付いた火を消したりといった具合。『マリオ&ルイージRPG』や『UNDERTALE』のようなアクションと共に、敵の個性にあわせたミニゲームによってバラエティ豊かな戦闘が展開されるわけだ。またイベントでは、とりあえず暴力で解決しようとするケチャップと、マイペースなマヨネーズの前に、思わずツッコんでしまいそうな状況が登場。可愛らしいキャラクターたちによる、コミカルな会話劇が繰り広げられていく。本作はまだまだ開発中(早期アクセスとして配信中)であり、プレイ時間は2時間ほど。完成まで先が長そうな点は人を選ぶかもしれない。しかしプレイできる範囲においては、すでに明るくかわいい冒険が待ち受けている。完成に先駆け、ライブラリに積んでおいてはどうだろうか。
by. Keiichi Yokoyama

Light Infantry

465円(930円、50%オフ、日本語あり)(Steamストアリンク

『Light Infantry』は、バグ風の能力を使ってステージを攻略する、2Dアクションゲームである。本作の舞台は、世界征服を企む悪の軍団が現れた世界だ。主人公のブラックソルジャーは、平和を守ろうと悪の軍団へ立ち向かう。しかし、強大な悪の軍団に対して、ブラックソルジャーの装備はあまりにも貧弱。ブラックソルジャーは敵の攻撃の前にあっけなく倒れてしまう。そんなところに、バグの神を自称する妙なおじさんが登場し、能力を授ける。ブラックソルジャーは、敵をバグらせながら戦いを繰り広げることになる。

主人公が授かった力は、バグ風の現象を引き起こすものだ。一口にバグといっても、小さな笑える不具合から、ゲームそのものを破壊する重大なバグまで多種多様に存在する。しかし本作におけるバグは、あらかじめ用意されたバグ風の現象を起こすもの。無敵になったり、ゲームを一気にクリアしたりなど、そうした派手な力ではないわけだ。具体的には、主人公が攻撃すると、直線上のヒットした対象の状態が変化する。敵のフリーズや壁抜け、狙って出すのは難しいもののステージクリアフラグの生成などが可能。一方、主人公は敵の攻撃を受けると一撃で倒れてしまうので、本作では無法な能力を使った、難しいステージの攻略が繰り広げられていく。また本作には、開発者自身によるBGMが用意されており、心地よいBGMと遊びがいのあるアクションが特徴といえるだろう。
by. Keiichi Yokoyama

A=B

406円(580円、30%オフ、日本語あり)(Steamストアリンク

『A=B』は、プログラミングゲームだ。本作はシンプルさを押し出しており、「命令が1つしかないプログラミングゲーム」とされている。その命令とは、「=」だ。たとえば、タイトルの『A=B』は「Aという文字を、Bに置き換える」という命令となる。「ABBA」という文字列を「A=B」というプログラムにかければ、「BBBB」に変換されるわけだ。いたってシンプルである。

プレイヤーは本作で学生となり、教授に怒られながら課題をこなしていく。課題はたとえば「小文字のa,b,cを大文字のA,B,Cに変える」などの簡単な内容から開始。「=」のもつ置き換え機能を理解し、わからないことがあればマニュアルを少し開けば、どんどん課題をこなしていけるだろう。やがて、プレイヤーは「そんなことは不可能なのでは?」と疑問を抱く課題にさえ直面する。ただその課題は、解決可能なのである。

そして難題解決のために重要なのは、「=」という命令への深い理解と、プレイヤーのひらめき。「=」というシンプルながら多彩な可能性をもつ命令で、想像もしなかった仕組みを作り上げる喜びを味わえるわけだ。プログラミングゲームはその性質上、埋もれがちなジャンルといえる。その一方で、本作を含めて秀逸かつじっくり取り組める作品も多い。シンプルでとっつきやすい本作を、その入門におすすめしたい。
by. Seiji Narita

Stacklands

390円(520円、25%オフ、日本語あり)(Steamストアリンク

『Stacklands』は、カードを使った村づくりゲーム。自然を開拓し、生き抜くことを目的としている。キャラクター、動物、資源、建物、モンスターなどが全部カードで表現されており、クラフト、建築、資源収集、戦闘などすべてのアクションを「カードを重ねる」というワンアクションで行うことができる。狭い机の上でボードゲームをやろうとすると、ゲームをセットするときはなんとかスペースがあっても、ゲームが展開するにつれてカードを置く場所がなくなりそうになることがある。そのような本筋と関係ない焦りを、ルールの枠内で味わえるスリリングなゲームだ。近いシステムのゲームに『Cultist Simulator』があるが、ストーリーを重視した同作に比べ、『Stacklands』では戦略的な要素が強くなっている。

資源や生産物は売却してコインに変換することができる。そのコインでカードパックを購入し、より多くの素材やレシピを手に入れることが可能。パックにはいくつかのテーマがあり、価格や引けるカードが異なる。拡大再生産に成功すると、より高価なカードパックを購入でき、物語を進めることができる。カードパックの購入や開封という、運要素の演出がスパイスとなっている。部屋の中がごちゃごちゃしているのに、それを指摘されると「いや、これは必要なものを常に手元に置いておけるようにするためだから。自分的には完璧に整理されてるから」と主張するタイプの人にやらせてみたい作品だ。
by. Daiki Imazato

Potion Craft: Alchemist Simulator

1216円(1520円、20%オフ、日本語あり)(Steamストアリンク

『Potion Craft: Alchemist Simulator』は錬金術師となってポーション屋を開き、町の人々の悩みに応えていくゲーム。経営シミュレーションゲームではサブ要素にされがちな「レシピ取得」を主軸に据えている。本作ではポーションの合成にあたり、「ポーションマップ」上を探索していくような、特殊な見せ方を採用している。マップ上には効能を示すアイコンが点在しており、ポーションのアイコンが、スタート地点となる原点からマップ上を移動。素材ごとに移動ルートの曲線が設定されており、それらを組み合わせ、目的の効能アイコンを通過できればその効能のポーションを作れるという仕組み。複数のアイコンを通過させることで、複数の効能をもつポーションを作ることも可能。ただし、マップ上には通過できない領域もある。また、すり鉢で素材を加工することで、こまかく曲線を伸ばすことができる。一つの素材からさまざまな長さの曲線を作ることができるため、調合の幅は広い。

ほか作品でしばしば見られる錬金や合成のシステムでは、レシピの要素を、素材の組み合わせや、素材を入れる順列を指定することで差別化することが多かった。本作ではレシピを「原点からの向きと距離」に還元し自由度を高めることで、レシピ開発から原価コスト削減までを自由に試行錯誤できるようになっている。究極的には、まだ誰も(ひょっとすると開発者さえ)見つけていない組み合わせがあるかもしれないということだ。ゲーム自体の雰囲気は穏やかだが、細かい操作や判断次第で、仕入れた素材が金の卵になったり無駄になったりするという緊張感もある。「さじ加減」という日本語が薬剤の調合に由来することを実感できる。
by. Daiki Imazato

ヤマふだ! にごうめ

1056円(1320円、20%オフ、日本語あり)(Steamストアリンク

「かわいい女の子2人がえっちらおっちら山道を登っていく『Slay the Spire』」。そういった形容から想像するであろう「良さ」が十二分に実現されている作品だ。本作は、デッキ構築型登山ゲーム。山札から3枚引いて、そのうち1枚を使うという点は、『Slay the Spire』よりもシンプルだ。デッキ構築型のカードゲームでは、自分の手札が悪かったり、敵の次の攻撃が強かったりで、どうしても守りのターンと攻めのターンに分かれることが多い。この緩急が、山登りにおけるペース配分という要素にうまくスライドされている。血生臭い『Slay the Spire』とは真逆の世界観だが、山登りをテーマとしているため、体力回復の手段が限られていることや、踏破と帰還を繰り返すゲームサイクルも自然に感じられる。与ダメージに相当する「のぼる」の総量が一定値を超えるとステージクリアとなる点にも、少しずつ数字を積み上げていく登山的楽しさがある。

また、本作ではキャラクターがとにかくかわいい。萌えキャラというより、女児向けアニメの愛らしいキャラクターという印象だ。クリアすると、喜ぶ主人公2人の3Dモデルの背後にカメラが移動し、2人の肩越しに山頂からの風景を見ることができる。本作は幾分小さくまとまっているが充実感があり、現時点では100件以上寄せられているSteamユーザーレビューのすべてがサムズアップであるのも納得がゆく。システム(デッキ構築)、テーマ(登山)、雰囲気(女の子2人の和やかな旅模様)といった要素が、幸せなかみ合い方をしていると感じた。それぞれの要素の調和は「ヤマふだ!」というタイトルに端的に表れていると思う。
by. Daiki Imazato

The Planet Crafter

1683円(1980円、15%オフ、日本語あり)(Steamストアリンク

『The Planet Crafter』は惑星開拓オープンワールドサバイバルゲームだ。プレイヤーは敵対的な惑星を居住可能な惑星へと変貌させるために、資材や道具を集めながら惑星のテラフォーミングをしていく。基地の建設の自由度は極めて高く、好きなところで好きな建築物を設置することが可能。

プレイヤーが衛星を打ち上げたり、木々を植えたりすることで、惑星は徐々に変貌を遂げていく。初めて雨を発生させ、雨音を聴き、砂漠地帯に豊かな緑色の絨毯が敷かれたときの感動はひとしおだ。また惑星には探索可能な墜落船や洞窟などもあり、遠出することで惑星の謎を解き明かしていくストーリーも存在。自由度や探索面においては『サブノーティカ』や『No Man’s Sky』などに通ずる点があるため、そういったゲームに食指が動いてしまう方々にオススメのゲームだ。

既プレイの筆者から初プレイの方々へ、一つだけアドバイスをするのであれば「とりあえず、なるべく高いところに拠点を構えたほうがいい」。
by. Mayo Kawano

Night of the Dead

1721円(2570円、33%オフ、日本語あり)(Steamストアリンク

『Night of the Dead』はゾンビが跋扈する世界を生き抜く、マルチプレイ対応のサバイバルクラフトゲームだ。本作の大きな特徴はサバイバルクラフトの一環として、“基地建設”が組み込まれていること。プレイヤーは基地建設に必要な資材を集め、自動射撃装置や火炎放射器などを設置していく。すべては数日ごとに発生するゾンビの大量発生を生き抜くため。基地建設スキルとサバイバルスキルを駆使し、プレイヤーは多種多様なゾンビに対応し、一日を有効に過ごしていかなければならない。

本作は早期アクセス配信段階ながらも、大規模なマップを完備、クラフト素材やレシピも充実している。農業や調理、釣りや重火器の制作なども可能で、スキルシステムも存在する。複数人でマルチプレイをする場合は役割分担をしながらプレイしていく楽しみ方もあることだろう。マップ上で出現するゾンビやアイテムのランダム性を含めて、遊べば遊ぶほど奥行きのあるゲームとなっている。また、ストーリーを物語るメモの収集など、探索要素も充実している。マルチプレイ可能な点を含め、本作は『State of Decay 2』や『7 Days to Die』などを好むゲーマーにオススメだ。
by. Mayo Kawano

Ultimate Fishing Simulator 2

1332円(2050円、35%オフ、日本語あり)(Steamストアリンク

『Ultimate Fishing Simulator 2』は、釣りシミュレーターゲームだ。本作は8月23日に早期アクセス配信を開始して以来、精力的にアップデートを続けており、ハロウィンイベントを開催するという、釣りゲームとしては一風変わった試みもおこなっている。現時点ではアメリカ、ポーランド、スロバキア、ドイツ、ロシア、タイの6つのロケーションで、のんびりと釣りを楽しむことが可能。釣れる魚はバスやイエローパーチ、ナマズ、パイクといった淡水魚から、レベルが上がればアジにマグロ、サメ、マヒマヒといった海水魚まで幅広い。本稿執筆時点で、すでに60種類以上の魚が用意されている。

ひたすらに釣ってレベルを上げ、釣った魚を売って稼いだお金で新たなタックルを買って、まだ見ぬ魚を追い求める。それが本作ゲームプレイの主な流れだ。ただそれだけなのに、たまにふと起動して釣りたくなる。日々ゲームをプレイする中で、休憩がてらにプレイできるような作品である。なお、大物が運良くかかった際には、リールの速度やドラグを調整し、ロッドが折れたりラインが切れたりしないようにしながら釣り上げようと大忙しだ。のんびりのつもりが、思わぬアタリに夢中になってしまう。そんな魅惑を秘めた魔性の作品である。
by. Koutaro Sato

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