『Dead by Daylight』4.7.0にて思い切ったバランス変更実施へ。ボロタイ調整に、ハッチ・カギ弱体化とてんこ盛り

Behaviour Interactiveは4月13日、『Dead by Daylight』にてバランス調整アップデート4.7.0を行うと発表した。思い切ったバランス変更になっている。

Behaviour Interactiveは4月13日、『Dead by Daylight』にてバランス調整アップデート4.7.0を行うとし、主な変更点を公式サイトにて発表した。


殺人鬼バランス調整

パッチノートの内容は多岐にわたる。まず目を引くのが、「ナイトメア」「デモゴルゴン」「ハントレス」「ツインズ」の合計4体もの殺人鬼に対してバランス調整が行われる点だ。調整内容はアドオンの変更といった簡単なものから、基本能力の改修、それに伴うマップギミックの変更など種類が多く、ゲームバランスへの影響は大きいようだ。具体的な内容は以下のとおり。

殺人鬼ナイトメア

・ドリームスネア設置時の移動速度が4.6m/sから4.0m/sに低下
・ドリームスネア設置可能数が8から5個、ドリームパレット設置可能数が10から7枚に減少
・アドオン「黒い箱」の効果を「脱出ゲートが開いた際、寝ている生存者に対し10秒間ゲートをブロックする」に変更
・アクションの速度を低下させるアドオンの効果を「生存者が出すさまざまな物音を大きくする」に変更
・目覚まし時計でドリームワールドから脱出した場合、30秒間睡眠に対する耐性を獲得する効果が追加

殺人鬼デモゴルゴン

・ポータル使用時の移動速度が上昇
・ポータル使用後、移動や攻撃アクションを行えるようになるまでの時間を短縮
・ポータル使用後、探知不可状態の時間を増加
・アドオン「ライフガードのホイッスル」の効果を「ポータルの近くにいる生存者は殺人鬼の本能によって強調表示される」に変更
・アドオン「腐ったかぼちゃ」の効果を「裏側の世界に入るために使ったポータルが破壊される。ポータルを使用する度、追加で200BPを得る」に変更

殺人鬼ハントレス

・アドオン「兵士の巻きゲートル」の効果を「ハントレスが手斧を1本も持っていないとき、移動速度が4.6m/sに上昇する」に変更
・アドオン「玉虫色の刃」の効果に「他のアドオンによって最大所持数を増加できない」が追加

殺人鬼ツインズ

・ヴィクトルで生存者をダウンさせた場合、攻撃後のクールダウンを3から5秒へ増加
・操作をシャルロットに戻すとき、カメラ操作までの時間を短縮
・アドオン「沈黙の布」の効果を「操作をシャルロットに変更した場合、探知不可状態を20秒獲得する」に変更
・アドオン「玉虫色のペンダント」の効果を「待機中のヴィクトルが潰されたとき、潰した生存者に30秒間無防備状態を与える」に変更

ナイトメアは2019年7月にリワークされて以降、非常に長い期間強力な殺人鬼として君臨し続けていた。テクスチャのバグによってドリームパレットの見分けがつくようになったことなど、一時的に評価が下がった背景も持つが(関連記事)、開発チームによると、現在は1マッチ平均約3人の高い殺傷率を誇っているという。そういった関係から、今回弱体化に向けて調整が行われるようだ。

たしかに、ドリームスネアは生存者とのチェイス中にデメリットなく設置が可能なうえ、その効果は絶大。手慣れた生存者であっても一度踏むだけで、パレットを挟んだチェイスに失敗してしまうことも多くある。しかしドリームパレットの弱体化は、“1マッチ平均約3人の高い殺傷率”というデータに引っ張られてしまったのではという懸念が残る。つまり、スネアに巻き込まれたのではないかということだ。ドリームパレットは明確なデータこそ出ていないが、スネアと比べると非常に扱いにくい能力なのは周知の事実だろう。試合序盤に及ぼす影響力が低いため、ドリームパレットが効果を最大限発揮する頃には発電機がまわりきってしまうこともしばしば。マップによって偽のパレットを設置できる機会にムラがあることも、その不人気さを助長している。これらの調整がナイトメアにとってどれだけの影響をもたらすか、目が離せないところだ。

パークのアップデート

アップデート4.7.0では生存者を中心にいくつかのパークにもバランス調整が入るようだ。詳細は以下のとおり。

小さな獲物

・マップ上の残りトーテム数が表示される効果が追加
・トーテムを浄化する度、探知範囲が5度ずつ減少する効果が追加
・殺人鬼の罠を探知する効果が削除

怪我の功名

・血痕だけでなく、走った際の赤い傷跡を隠す効果が追加
・効果時間が合計180秒から合計90秒へ短縮

ソウルガード

・発動時、30秒のクールダウンが発生する効果が追加

手札公開

・効果を8mから16mへ増加
・複数人が“手札公開”を装備しても、効果が重複しないように変更

残心の戦術

・生存者を負傷させた際、30秒間のクールダウンが発生する効果が削除
・オーラ表示範囲が増加

与えられた猶予

・脅威範囲内で効果が発動するという条件を削除
・我慢状態の効果時間が15秒から12秒へ短縮

執念の対象(リワーク)

・以下の能力に変更

「殺人鬼にあなたのオーラが表示されたとき、あなたにも殺人鬼のオーラが表示され、かつ治療・修理・トーテム浄化速度が2/4/6%上昇する。もしあなたがオブセッションであるとき、30秒ごとに3秒ずつあなたのオーラが殺人鬼に表示される」

結論から入ると、「怪我の功名」「与えられた猶予」「執念の対象」は大きな変更と言えるだろう。

怪我の功名は実用性に乏しく採用率が低いパークの1つであったが、今後は効果時間はそう長くないものの赤い傷跡をも隠せるようになる。被攻撃時の加速で殺人鬼の視界に映らない位置に移動してしまえば、それ以上追うことは非常に難しくなるだろう。ある種チェイスを補助するパークの1つと捉えても良い立ち位置になりそうだ。前チャプターにて追加された生存者「リー・ユンジン」の固有パークである「自己防衛」もそうだが、従来よりも生存者の赤い傷跡を隠すパークが増えてきている。そのため殺人鬼をプレイする場合は、より一層生存者自体を“目視”で追うようなプレイヤースキルも大事になるだろう。

与えられた猶予は採用率がもっとも高いパークの1つだ。発動のための条件があるものの、効果時間中であれば殺人鬼の攻撃を1回我慢できる破格の性能を持っている。そのため殺人鬼によっては、効果を発動させないよう立ち回りをすることも多く、代表的なものがレイスの透明化だろう。しかし生存者からすると、どの殺人鬼と対峙しているかわかっていたとしても、確実に効果を発動できるタイミングがつかめないジレンマがあるためか、今回のような調整に踏み切ったようだ。効果時間こそ短くなったが、与えられた猶予の効果がいつでも発動するという調整は、総合的にパークが強化されたとみて差し支えないだろう。そもそも救助させないように、と殺人鬼のキャンプ率が高くなることが目に浮かぶ。

執念の対象のリワークは、長年殺人鬼にとって悩みのタネであった「生存者チームに常に居場所を共有される」ストレスからプレイヤーを解放することに繋がるだろう。本来のパークの意図としてはパッチノートにも記載されているとおり、生存者と殺人鬼お互いにとって作用するパークであることを目指している。しかし本作を遊ぶプレイヤーには、友人とボイスチャットをしつつ一緒に遊ぶプレイヤーも少なくない。そのため、従来の仕様では執念の対象をつけている生存者は殺人鬼の位置を確認し、ボイスチャット上で仲間にその位置を共有。結果として、生存者全員が殺人鬼の居場所を常に把握し、殺人鬼は執念の対象を装備している生存者だけを確認できる状況が再現しやすくなっていた。リワーク後は、あくまでも生存者側に多くの選択肢を持たせつつも、殺人鬼に負荷がかかりすぎない程度の能力に抑えられている。

カギ&ハッチやや弱体化へ

さまざまなバランス調整にくわえて、今回のアップデートでは生存者の勝利条件の1つであるハッチにも変更が加わることとなっている。その内容は、生存者用アイテム「カギ」を使用してハッチを開けた場合、ハッチが開いたままとなる時間を30秒から10秒へ短縮するというものだ。


ハッチは本作で言うところの一発逆転要素である。マップのランダムな位置に出現し、儀式中に生存者が最後の1人となることでその錠前が開く。生存者は殺人鬼よりも早くハッチを見つけ飛び込むことで儀式から脱出できるのだ。

カギはそんなハッチを無理やりこじ開けることができるアイテム。カギ使用者は即時脱出し、使用した後もハッチが30秒開いたままとなる。ハッチが開いている間は、他の生存者も続いて脱出することが可能だ。殺人鬼は開いたハッチを閉じることができるが、ハッチを閉じるとマップの脱出ゲートが通電するフェーズへと強制的に移行されてしまう。

開いたハッチを放置すれば続々と生存者が脱出し、ハッチを閉めれば発電機がすべて修理完了し脱出ゲートを開くことができるようになる。殺人鬼にとってはどう転んでも喜ばしくない状況を作り出してしまうため、緩和の意味を込めてまず今回のような調整が行われるのだろう。カギが依然として強力なアイテムであり続けることは変わらないが、ハッチおよびカギに対してマイルドな弱体化が行われる大きな試みとなる。なお、開発チームも明記しているとおり、今回のカギ調整は最終的な決定事項ではない。今後もバランス調整を行っていくとしているため、その点に注意してほしい。

また本アップデートには、先日の発表で案内されていたフック上でのもがきの仕組みの変更が含まれている(関連記事)。グラフィックアップデートの一環として、農場でお馴染みのコールドウィンド・ファームのグラフィックも一新されるようだ。


4.7.0アップデートは4月14日からSteam版で開始予定のテストビルドにて公開が予定されている。さまざまな調整が入った殺人鬼や新たな農場をひと足早くプレイしたい場合は、こぞって参加してみるといいだろう。

Tadashi Harao
Tadashi Harao

対人ゲームが好きです。初めて遊んだ対人ゲームはMGO、熱中のあまり息切れ起こしながら遊んでました。

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