カテゴリー レビュー・インプレ
レビューは、オンラインゲームなど終わりがないものを除き、原則クリアしたタイトルを対象にしています。アーリーアクセスやデモなど正式発売前のゲームはプレビュー、軽い紹介はインプレッションとして分けています。
『Prey』レビュー。傑作の冠を逃した「ボタンの掛け違え」
『Prey』というゲームをプレイしてもっとも印象に残るのは、「高い理念」「優れた表現力」「ゲームプレイについての理解」、そして「その全ての局面において発生しているボタンの掛け違え」だ。
すべてのものになれるシミュレーション『Everything』が、私たちにさりげなく勧める「考え」について
『Everything』をプレイする楽しみは、ゲームプレイの快楽というよりも、知性の快楽である。したがってこの作品が提供してくれるのは、精密なコントロールや戦略などの楽しみではなく、百科事典をぱらぱらとめくって、任意の項目を読み進めていく楽しみといえる。
アストロ坑夫からスペース外交官まで、なんでもやって地球に帰る宇宙サバイバル『The Long Journey Home』紹介
Daedalic Entertainment開発の新作ゲーム『The Long Journey Home』は、宇宙の不幸に見舞われた4人が命がけで地球に帰る、長い、長い旅路の物語である(関連記事:弊誌ニュース)。その旅路は困難をきわめた悲痛なものだ。
極寒の地で30日間のサバイバル生活を送る『インパクト・ウィンター』紹介
「あと30日で、助けが来る」。そう告げられた5人の生存者が、雪と氷に覆われた極寒の地で決死のサバイバル生活を開始する。『Impact Winter(インパクト・ウィンター)』は「氷の惑星と化した地球で30日間生き延びる」という明確なゴールが存在するサバイバル・アドベンチャーゲームである。
『死印』レビュー。絵作りの妙が生む恐怖、ミステリへ移行するシナリオの高い完成度
体験版の内容を紹介した際にも書いたが、『死印』というゲームの根幹について論じる時に、「アートワークの持つインパクト」の話を外すことはできない。ホラーゲームにとって、アートワークが他ジャンルのゲームより比較的重要な意味を持つというのは当然ではあるにせよ、『死印』はアートワークそのものがゲーム自体を牽引している、少し珍しいタイプのホラーADVといえる。
格ゲーカルチャーショック『Slice Dice & Rice』レビュー。動かしていて楽しいキャラクターで事故勝ちを狙え
「Inspired by Bushido Bladeだって?すぐそれ。昔のタイトルを持ち出せばゲーマーが喜ぶとでも思っている。『ブシドーブレード』ってのは、もっとこう、サツバツとして、蛍火ロングソードで……」。こう斜に構える筆者は、きっと懐古アピールのキャッチコピーに疲れていたのだろう。
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』 ハイラル城という「異境」についての考察
本記事は別記事"『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』レビュー 伝統からの脱却と呪縛からの解放"の補稿、いわば延長戦のような立ち位置の記事である。先の記事ではネタバレが過ぎるという判断から触れることを明確に回避していた、ゲーム中におけるラストダンジョン「ハイラル城」にスポットを当て、『BotW』におけるその存在について紐解いてみようという試みだ。
仄暗い巨大船舶を進むADV
『リトルナイトメア』紹介。レインコートの少女の孤独な逃走劇
『リトルナイトメア』は広義のプラットフォーミング(アクション)にあたるが、アクション性に重きを置くというよりも、『INSIDE』が確立したような環境によるストーリーテリングに重点を置いた作品である。基本的な動作は、少女には大きすぎるドアや家具が配された部屋を抜ける謎解きと、彼女を捕まえようとするものたちから逃げ、隠れるといったアクション性を等分に配している。
「怪異」と戦うホラーアドベンチャー『死印』プレビュー。張り付く狂気と不安感、UIへの懸念
異様に首の長い花嫁と、薄暗がりの中でその姿を照らす電話ボックス。そのミスマッチなコントラストの一枚絵で恐怖心を煽り立て話題となったホラーアドベンチャーゲーム『死印』。発売を約2週間後に控えた本日5月18日昼、PlayStation Networkで第1章がプレイ可能な体験版が配信される。
『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』レビュー。100年間の悲しみに耐えた屋敷と、そこに封じられた一族の魂
プレイヤーは本作を、後世まで語り継がれるウォーキングシミュレーターの金字塔として認めることだろう。