Switch/PS4『Dusk Diver 酉閃町』グルメ42品攻略記。台湾・西門町を舞台としたゲームは、実際の食文化をどれほど再現しているのか?

10月24日、『Dusk Diver 酉閃町』がNintendo Switch/PlayStation 4向けに発売された。台湾の西門町を忠実に再現したゲームでもある。同作は、どれほど西門町の食文化を反映しているのか。現地に赴き食レポする。

 

⑨:Oyami Cafe 西門店

フルーツスタンドの品出しからも言える通り、台湾の飲食店はその多くが11時ごろから営業を始め、おおよそ22時ごろには店じまいを始める。当然、食べ歩きの攻略法としては「営業開始の早い店に早く行き、営業終了の遅い店に遅く行く」のが定石となるが、もちろん中には優先して回ったほうがいい店もある。刺青街の中心部に位置するOyami Cafe 西門店はその最たる例だろう。

ティーカップをあしらった看板が目印のこちらのカフェ、入り口はビルの脇の方にあるため、初めて訪れる人には少し見つけ辛い店かもしれない。しかしここ、実はある趣味の人たちからは「聖地」的な扱いも受けているほどのテーマ・カフェ。だからこそ、多少遠回りにはなったとしても、気のいいお姉さんが山盛りのニンニクをサービスしてくれる露店に行く前に、必ず寄ってもらいたいのだ。

その趣味とは夢幻少女系、日本語ではメルヘンチックと書く。狭い階段を登った先は、もう刺青街ではないと思っておいてほしい。ペールグリーンを基調としたファンシーな内装に、白馬のオブジェがお出迎え。調度品の数々はどれも可愛くまとめられ、御伽噺のような空気感が西門店でも一二を争うフォトジェニックなスポットとして知られている。

夢幻少女系への並々ならぬこだわりは、料理だってもちろん可愛く美味しく仕上げてしまう。ゲーム中で食べられる料理は「盆栽コーヒー」「シーフードパスタ」「苺ワッフル」の三品だが、一品につきそれぞれ50枚ほど写真を撮ってしまったので是非見てほしい。お店の一押しのメニューは苺ワッフル、クリームたっぷり、苺はどっしり、写真でこの満足感が伝えられるだろうか。

甘いものが苦手な方には「盆栽コーヒー」をおすすめしておこう。カップに浮かぶチョコレートを土に見立て、そこにミントの二枚葉が顔を出した、盆栽らしからぬメルヘンな一杯だ。見て楽しいのも勿論だが、チョコの甘さとミントの爽やかさがコーヒーの味に層を重ね、チビチビ長く楽しめる一杯でもある。「シーフードパスタ」と共に、店内の素敵な空気と一緒にお腹に収めてもらいたい。

 

18 盆栽コーヒー

19 シーフードパスタ

20 苺ワッフル

 

Oyami Cafe 西門店
108台北市萬華區武昌街二段50巷15號
https://goo.gl/maps/QSNVwxnch89XmABJ7

 

⑩:魷魚船

メルヘンチックな空気を思う存分堪能し、後の憂いが無くなったのなら、カフェを出た足でそのまま「平民美食」を食べに向かおう。次の目的地はOyami Cafeの目と鼻の先。カフェの巨大なティーポット型看板の丁度真下がフードスタンドが立ち並ぶエリアとなっており、ここには士林や饒河街といった観光夜市で人気を博した食べ歩きグルメの数々が台湾中から集まってきている。

中でもゲームの序盤攻略の上で最も重要になるのが、ここ「魷魚船」。何故ならこのお店で提供されるイカ揚げは、ゲーム内で食べると主人公を強化する素材のドロップ率を上昇させる効果を持つからだ。まだテクニックも無い序盤の戦闘では、是が非でも基礎体力アップを優先したいところ。おそらくは大半の人がゲーム内の小銭を握ってゲーム内のこの店に通うこととなるだろう。

ゲーム中で食べられる料理は「するめ揚げ」の一品だが、実はここにはひっかけがある。この店は確かにするめ揚げの専門店だが、その味付けは檸檬風味から新疆風味まで何十種類にも及ぶ。そして店員のお姉さん曰く、ゲーム内で食べられるするめ揚げはニンニク風味のもので間違いないらしいのだ。主人公のユモも、数ある中から体力のつきそうな味を選んで食べていたというわけだ。

調理している姿を見られるのはフードスタンドの魅力の一つ。ゲーム内では描かれてはいないが、実際の店舗では串に通したイカ一杯を丸ごと姿揚げにし、目の前で好きなように切り分けてもらえる。調理している人が気前がいいのもフードスタンドの魅力の一つ。ニンニク風味と聞いて貴方が想像している量、その二倍のニンニクがトッピングされると思ってもらって構わない。

Oyami Cafe前の道は比較的人通りが少ないので、山もりのイカとニンニクに遠慮なくむしゃぶりつこう。唐辛子をベースとしたスパイシーな味付けだが、引き締まったイカの歯ごたえに生ニンニクのシャキシャキとした触感も相まって、驚くほど脂っこさやしつこさがない。見た目のボリューム感に反して、気付けばものの数分で無くなってしまう一品に仕上がっている。

 

21 するめ揚げ

 

魷魚船
No. 21, 武昌街二段50巷萬華區台北市108
https://goo.gl/maps/izQMQQjujYkweu7P8

 

つづく
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Kousaku Akano
Kousaku Akano

兼業作家。毎日呷るように酒を飲んでいるので、毎日その日の酒にあったゲームを遊んでいる。酒ならなんでも呑むので、結果としてゲームもなんでも遊ぶ。

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