Switch/PS4『Dusk Diver 酉閃町』グルメ42品攻略記。台湾・西門町を舞台としたゲームは、実際の食文化をどれほど再現しているのか?

10月24日、『Dusk Diver 酉閃町』がNintendo Switch/PlayStation 4向けに発売された。台湾の西門町を忠実に再現したゲームでもある。同作は、どれほど西門町の食文化を反映しているのか。現地に赴き食レポする。

 

12 たけのこサラダ
※在庫切れのためアスパラサラダ注文

13 天ぷら

14 三色丼

 

美観園
108台北市萬華區峨嵋街47號
https://goo.gl/maps/suZtZpuk8CFTWhZb8

 

……ゲーム内世界の西門町と酉閃町が表裏一体の関係であるのと同じように、どうやら現実世界の西門町もゲーム内世界の西門町と表裏一体の関係にあるようだ。先ほど「公式協力店舗はゲーム内世界にそのまま再現されている」とは言ったが、こうして現地で実際に目を凝らしてみると、二つの世界には少しずつ違いが存在する事に気づく。

 実際のゲームのオープニングでも、現実にある西門町と異界にある酉閃町、よく似た二つの街の違いに主人公が気付くところから物語は幕を開けた。現実世界の西門町に住む人々の目には、ゲーム内世界の西門町の違いがどのように見えているのだろうか。ここでは私の考察に替えて、実際に公式協力店舗で働く人々にそんな質問をぶつけてみた回答を、二つほどご紹介しておこう。

 半島咖啡スタッフの回答は「全く同じ、強いて言うならちょっと違う」。
 美観園スタッフの回答は「このお店そのもの、でも今はちょっと違う」。

 それぞれ、二つの世界に存在した違いの理由は下記の通りだった。

 「強いて言うなら私がいないから」
 「客席のテーブルを少し前に新調したから」

 

7:曜の豆腐料理

大通りで賑わう有名店の味をいくつか堪能したところで、お次は脇道の探索も進めていこう。ルート構築を考えれば半島咖啡訪問後のタイミングがもっとも望ましい。コンビニで水を購入した人はまずはこちらに顔を出してみるのもいいかもしれない。店舗が近いのもあるが、なにより少なくない人が「一度口の中の味をリセットさせたい」と感じる頃合いだと思われるからだ。

阿宗麺線と半島咖啡の間の道、峨眉街6巷を曲がってすぐの場所に目当ての店はある。赤い看板が目印の大衆食堂、曜の豆腐料理だ。メニュー表に書かれているのは魯肉飯に麻辣鴨血に米粉湯等々、これらは全て台湾における「庶民の味」の代表格で、値段も全てが100元(約350円)以下となっている。観光客が出歩く時間より現地の人が休憩する時間帯の方が混むようなのでご注意いただきたい。

ゲーム中で食べられる料理は「臭豆腐」「台湾風おでん」の二品。特に看板を背負っているだけあって臭豆腐には手堅い評判がある。店内にはイートインスペースが数席。パックに入れてもらえるので食べ歩きも可能だが、ここでは是非、店内で食べさせてもらうべきだ。二品とも注文してすぐに目の前の鍋で調理が始まる、出来たてをその場で食べた方がより味わい深いのは間違いない。

一般的に、臭豆腐から強烈な臭いが発生するのはその調理過程であり、豆腐を揚げる鍋に席が近ければ近いほど腐敗臭も強く感じると言われる。ではここ曜の豆腐料理の臭豆腐はどうかというと、鍋から漂う煙を肴にビールに舌鼓を打つこともできるほどマイルドな臭いしかしない。パパイヤの漬物をアクセントに、サッパリ酸味のきいた味付けで箸もサクサク進んでしまう。

台湾風おでんは中国語では「滷味」と書き、店頭に並べられた具材から好きなものを選択する方式になる。ゲーム中に出てくる滷味の具材には肉団子、厚揚げ、大根などが候補として挙げられているが、ここでもオススメはやはり豆腐。香り漂う甘いスープをたっぷり吸い込んだ豆腐は、スープの旨味を濾し取ってほのかに甘みを帯び、こちらも箸が進むこと請け合いだ。

 

15 臭豆腐

16 台湾風おでん

 

曜の豆腐料理
108台北市萬華區中華路一段144之36號
https://goo.gl/maps/fwnr8toVmV8pZcZH6

 

⑧:萬國鮮果部

峨眉街に戻り、今度は西へと足を進めよう。先ほど紹介した美観園より先に進むと見えてくる大きな建物は萬年商業大樓。ゲーム・アニメ・漫画などを取り扱う専門店が集まると、ゲーマーにも名の知られたビルだ。西門町は「若者文化の聖地」と言われているが、一口に若者文化と言ってもその内実はさまざまあり、モザイク状に見える街並みにも実は区画ごとに独自の色合いがある。

たとえば萬年商業大樓のある交差点を一つ手前の角で北に曲がる脇道。武昌街二段50巷から続く漢中街50巷は通称「刺青街」と言い、その名のとおりタトゥー・ショップが多く軒を連ねるエリアとして知られている。それは同時にこの付近が若い観光客が多く集まるエリアであることを意味し、同時にこの近辺に我々を魅了する食べ歩きのフードスタンドが集結していることも意味するわけだ。

角を曲がって最初に目に飛び込んでくるのは、萬國鮮果部の豪華絢爛なフルーツスタンド。まだ日が高いうちに来ても構わないが、これまで紹介した店を順に回っているなら、この道に来た時点で既に日は暮れているかもしれない。だが、安心してほしい。それも予想の範囲内。日中はまだ果物が出揃っていないことも多いし、なによりここは時間によって「栄え」が大きく変わってくる。

口で説明するより実際の写真を見てもらったほうがいいだろう。夜闇のフルーツスタンドは屋台の明かりに怪しく照らされ、氷から立ち上る蒸気は暗がりの中で美しく揺らめく。ゲーム中で注文できる料理は「パパイヤミルク」の一品のみだが、仕入れ状況によって品揃えが大きく左右されるため、ゲーム内では他の屋台で販売されている果物をここで注文してみるのはいかがだろうか。

対象となるのは「グアバのカットフルーツ」「スイカのカットフルーツ」「トマトと梅の砂糖漬け」の三品。グアバは酸味が爽快で口直しにもってこい、言うまでもないがスイカは水分補給に最適で、それぞれ量り売りで好きな分量だけ持ち歩くことが出来る。トマトと梅の砂糖漬けは一口サイズの塩分補給として、どれも一袋は懐に忍ばせておくと食べ歩きの精度も安定するだろう。

 

17 パパイヤミルク
※在庫切れのため別店舗にて購入

 

萬國鮮果部
108台北市萬華區武昌街二段50巷
https://goo.gl/maps/d1mz3zHdJbkBY8x96

つづく
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Kousaku Akano
Kousaku Akano

兼業作家。毎日呷るように酒を飲んでいるので、毎日その日の酒にあったゲームを遊んでいる。酒ならなんでも呑むので、結果としてゲームもなんでも遊ぶ。

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