謎めく大作オープンワールドアクション『紅の砂漠』の新映像から見える“できそうなこと”考察。ワイヤーアクション、熊乗り、遺跡探検、つまりいっぱい

オープンワールドアクション『紅の砂漠』発売に向けて、公開されている映像から内容を想像する。

『紅の砂漠』は『黒い砂漠』の開発・運営のPearl Abyssによる、シングルプレイ、オープンワールドアクションアドベンチャーゲームだ。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S/Mac App Store。発売日は2026年3月20日を予定している。

最新のデモ版のプレイレポでもお伝えしたとおり、本作は多様で多彩なアクションがシームレスに繋がる自由度の高い作品となりそうだ(関連記事)。発売予定日も明らかとなり、手元で実際にプレイできるまでのカウントダウンが始まったいま、今回は本作に含まれる要素やコンテンツについて、弊誌のXアカウントやYouTubeチャンネルにて公開してきた画像や映像、あるいはこれまで公式に公開されてきた情報などをもとに、想像・考察していく。

自由でダイナミックなバトル

本作のアクションはかなり自由度が高く、どのようなモーションからも別の動きに自然と繋がり、自在なコンボが繰り出せるとのこと。詳しくはプレイレポ(関連記事)の方も参照されたい。バトル映像では、複数の兵士たちと一対多の戦闘を行うシーンや、鎧をまとった巨大なドラゴンとの緊張感溢れる戦闘シーンなどが見受けられる。ドラゴンとの戦いはボス戦になるのだろう。戦地の真ん中で兵士たちを相手に戦うミッションと、強大な1体のモンスターと1対1のヒリつくバトルを繰り広げるボス戦のようなものがそれぞれ用意されているのかもしれない。

特に、ドラゴンとのバトル映像では敵の挙動にも目を奪われる。多段ヒットしそうな炎のブレスや、一時的に一切の行動がとれなくなる竜巻による拘束技、火山の噴石のように上空へ燃える岩を飛ばす時間差攻撃など、相手側も多彩だ。弱点へ一定のダメージを入れることで大ダウンを取れるようで、「自分ならこのフェーズで何を使ってどのように戦うだろうか」と考えるのが楽しそうだ。

映像を見るとわかるが、とにかくアクションの種類が多い。手に持った武器での攻撃のみに絞ってもシンプルに斬りつけるものから、回転して飛び退りながらの斬撃、盾を用いる突進、ガード、属性を付与した攻撃、武器のリーチを生かした範囲攻撃などがある。さらに、ドラゴンとの戦闘では回避行動として神秘の力でワイヤーアクションを活用したり、時間の経過を遅くした上で隙を見定め弓矢を多数射るなど、移動でも使える手段を戦闘に取り入れれば戦術の幅はかなり広そうだ。

さらに、武器種も剣、槍、弓、斧などを持ち替えながら使用でき、素手で行えるアクションもあり、多種多様な戦闘方式とコンボがあるようだ。。コンボ派生は無限大だろう。覚えることは多いかもしれないが、ひとつひとつの操作をしっかり体に染み込ませて、それぞれを咄嗟に放てるようになれば対応力は上がりやすく、スタイリッシュかつタクティカルに、楽しくバトルができそうだ。

自分のプレイスタイルに合った武器にこだわって一筋にやり込むのも良いだろうし、さまざまな武器やアクションを幅広く活用して臨機応変な立ち回りをするのも良さそうだ。こういった作品の場合は、発売後にはユーザー側から“一風変わった遊び方”などのプレイ映像が投稿されることも多いので、今から人々の遊び方含めて楽しみだ。

乗れる物が多そう

本作では、主人公が単体で行えるアクションのみを見ても移動に関するものが多い印象がある。自身を垂直に打ち上げるものや、神秘の力を利用して高所にフックをかけて光るロープにぶら下がるようなワイヤーアクション、マントをはためかせてホバリングするなどさまざまだ。しかし公開されている映像を見るに、もっと長距離や高低差のある土地を移動する際に便利な乗り物が、多数用意されているようだ。

また別の映像では、爬虫類のような鱗、そして翼と尾を持つ、いわゆるドラゴンのような生き物の背に乗って空を飛び回る映像が目を引く。高所を素早く移動できて便利そうだし、こういった特殊な移動手段でしか到達できないポイントもありそうで楽しみである。

また、馬、熊、陸を走る二足歩行のラプトル型恐竜に乗って走るシーンもある。生き物以外の移動手段として、一人用の小型船をカヌーのように漕いでいる姿や、リフトを操作してエレベーターのように高低差のある場所を移動しているかのような光景がみとめられた。

中でももっとも驚くべき映像は搭乗型のロボットのようなものに乗って、移動と攻撃を行っているシーンだ。この部分では、右手から何かを射出し敵を牽制しながら、背中についたジェトパックからの噴射を利用してホバーする様子も窺える。行く手を阻む相手が生身の人間であれば、この装甲を打ち破られる心配はなさそうだ。熊に乗っている際の映像でも、熊パンチで攻撃するシーンがあるので「乗ったままで攻撃をすることができる」乗り物はいくつかあるのかもしれない。

こういった乗り物の入手手段については、現時点で明らかにされていない。たとえば、生き物に乗るための前段階として、野生生物である恐竜や熊を“テイム”するのだろうか。また、テイムするとして一度テイムした動物はいつでも好きな時に呼び出せるようになるのか、それとも、手懐けたその場で乗ることができ、降りたらそこで関係が終了する、いわばタクシーに近いものなのか。もし入手手段がテイムでないならば、一体どのように? ――などなど、想像は尽きない。

雄大な自然を探索

また本作は、オープンワールドアクションアドベンチャーであるため、舞台となる「ファイウェル大陸」は見渡す限り自由に歩き回れるものと思う。スクリーンショットなどで明らかになっているその風景は、緑豊かな丘陵、オーストラリアにあるような茶色い岩のゴツゴツした峡谷、中世ヨーロッパを彷彿とさせる城下町的な町並みなどが印象的だ。

牧歌的な風景に見えるカットもあれば、一変して自然の厳しさを思わせるカットもある。昼と夜でも表情を大きく変えるファイウェル大陸の夜空は、実に幽玄だ。時間や角度、見方によってコロコロとその顔を変える、表情豊かな土地のように感じられる。また、宙に浮く島のようなものも見受けられ、こういった謎に満ちた場所へも探索に行けるのかもしれない。ゲームプレイにおいて、本当にその世界に暮らしているかのような没入感で臨んでしまう筆者は、さまざまな土地でその風景を写真に収め、海外旅行をしてきたような気持ちに浸れそうだ。

街へ赴けば驚くほどたくさんのNPCが歩き回っており、個々の生活を営んでいるという。戦場へ行けば、やはりそこでも多数のNPCが各々戦っているそうだ。一人一人がそれぞれ人格や個性を持ち生活を営む、これぞまさに「世界」。NPCの方から主人公に話しかけてきているように見える映像もあり、コミュニケーションが楽しみである。主人公としてのプレイヤーは、この世界と、そこに住む人々に対してどのように干渉、介入していくことができるのか。探索の映像では、街の掲示板から1枚の紙を手に取る主人公の姿が見てとれる。これによってサブクエストが発生するといったことがあるのだろうか。

そもそも主人公クリフの周囲はかつて灰色たてがみ団とともにいたが、敵対集団「黒い熊」との戦いの中で一人、また一人と命を落としていったそうだ。物語の目的には灰色たてがみ団の再興と黒い熊への復讐があるそうだが、メインストリームにおける物語の展開もさることながら、NPCをはじめとする「この世界全体」との繋がりや関係がどのように描かれるのかについても気になるところだ。

どのような街に、どんな人が暮らしていて、何を求めているのか。主人公には何ができるのか。大きな目的のためには、おそらく小さなミッションもこなしていく必要があるだろう。筆者は冒険の先で、世界に受容されたような感覚を得るのが好きなので、この美麗な風景と街と人にどうやって溶け込んでいけるか、大変楽しみだ。

謎解き要素も気になる

戦闘の映像を見ていると、主人公が魔法のようなものを使うシーンもありドラゴンも登場するので、いわゆる中世ファンタジーの世界としては馴染みがある光景が散見される。しかし、大砲や弓などを使った戦争も繰り広げられているという時代背景がある中で、異彩を放っているのが現代的なデザインの謎のギミックに関する映像だ。

どのような動力を用いているのかわからないこれらの機構は、この時代のこの世界の技術レベルに似つかわしくないように感じる。一部は蒸気機関のようにも見えるし、また別のものは現実のものにたとえられないような未知の素材やエネルギーを使っているようだ。また到底浮きそうにない岩や島が宙に浮いてるシーンも散見され、ここだけが異世界や異文明に通じているような雰囲気を漂わせている。前述の搭乗型ロボットが乗り物類の中で異質なのだが、逆にこれら謎の機構とはルーツをともにしているようにも見える。

さらには、主人公の持つ光るロープのようなものが、これらのギミックの解除や動作に活用できそうだと思わせるシーンもあったので、やはり普通の人では入れないところに主人公だけは踏み入ることができるということなのかもしれない。

これらの建造物は、どのような背景があってここに建てられていて、何が隠されているのか。また、ギミックを解くにはどのような謎解きが必要なのか。ここには、簡単に触れてはいけない何かがしまわれているのかもしれない。たとえば主人公を主人公たらしめる理由が謎解きと密接に関わっているかもしれず、触れてはいけない深淵に触れるようで、おぞましくもあり楽しみでもある。

ワールド内のさまざまなパズルは論理パズルを解くことになるのか、それともアクションを用いて何かを持ち運ぶようなものなのか。どういった謎解きがあるのかはまったくの不明だが、たとえばあの宙に浮く島にはなんらかの謎解きを要する遺跡や神殿がありそうだなという具合に、風景からも想像を掻き立てられる。

うっすら明かされている要素も楽しみ

本作には、戦闘や探索だけではなく、生活コンテンツで楽しみたい人に向けて素材採集や釣り、クラフトなど、嬉しい生活要素が存在する。現在明かされている断片的な情報と映像だけを見ても、たくさんの興味深い要素を自分のやり方とペースで楽しめそうで、期待と想像が膨らむことだろう。

紅の砂漠』は2026年3月20日(日本時間)に発売予定だ。

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Kei Aiuchi
Kei Aiuchi

RPG、パズル、謎解きアドベンチャー、放置系などを遊びます。比較的やりこみ型。特に好きなゲームは『ルーマニア#203』

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