『サイレントヒルf』はいろいろ尖ってる。“壺おじ”開発者新作のおっさんは意外と動かしやすい。スロットローグライク『CloverPit』が沼。今週のゲーミング

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。512回目です。

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。512回目です。やっと涼しく。

今日も探索

今週も『Hollow Knight: Silksong』をのんびりプレイしていました。メインクエストらしき場所がマップに示されているのですが、その時々にやり残したことがないか気になる性分で、あちこち探索していたら全然ゲームが進まない。それだけマップは広大だし、また各地にはボス級の敵がおり、たいていは戦わなくても良い相手ではあるものの、何かしら報酬があるだろうと期待し、何度もやられては再挑戦することに。さらにサブクエストも豊富に用意されている。

前作もそうでしたが、クオリティの高いビジュアルだけでなく、レベルデザイン的にもエリアごとの特徴付けがはっきりしており、本シリーズはやはり探索が楽しい。一部高難度な所はあるが、探索にアクションスキルが求められる部分も良いアクセント。また、突然ボスに遭遇することがあるため、雰囲気ある場所を訪れると思わず引き返してしまうことも。そんな緊張感も楽しんでいます。
by. Taijiro Yamanaka


狂気の沙汰ほど面白い…!

『CloverPit』をプレイしました。まだまだラッキーチャームの強い組み合わせなどは試行錯誤の段階ですが、それでもついつい回してしまうような中毒性がある作品です。ただのジャックポットだけでは飽きたらず、「このシンボルを含んだラインが揃った場合、もう一度揃ったことにする」マークの効果で、ジャックポットのさらに上が揃ったりするので気持ちいいですね。大量のラインが揃った際には途中から演出が加速していくのも快感で、そこに「このシンボルを含んだラインが揃った場合、現在の利子に応じたコインを入手する」マークも組み合わさると見事にコインがインフレしていきます。数字がでっかいと、楽しい!

揃うとラウンド中に稼いだコインが没収されてしまう「666」の存在も、良いスパイスとして効いていると思います。これだけの額ならあと1ラウンドもあれば余裕でしょう、などと油断することは決して許されません。どれだけ稼いだところで、666を出してしまえば獲得コインはリセット。強いラッキーチャームを揃えても死の緊張感が常につきまとうのが、余計に勝ったときの快感につながっています。666対策のラッキーチャームもあるにはありますが、それも所持枠とのトレードオフ。勝つならそんなものに枠を費やしている場合ではないでしょう。倍の、倍の、倍の、倍プッシュだ!!
by. Naoto Morooka


意外としっかり歩ける

今週は『QWOP』『Getting Over It』開発者などによる新作『Baby Steps』を遊んでました。本作は35歳無職の主人公ネイトが、気がついたら奇妙な世界にいたので山を登るゲームです。プレイヤーは、2本の足を片足ずつ操作して広大な世界を進んでいきます。過去作同様、独特な操作が採用されているわけです。本作はイメージよりずっと操作しやすく、少し慣れればかなり思ったとおりに動かせます。最初はまっすぐ歩くのすら困難だった主人公も、1時間も歩いていれば山道をスタスタ進んでいけるようになっているでしょう。進行ルート上には、もちろん狭い足場やジャンプが欲しくなる難所など、困難なポイントが存在。操作がしやすくても落ちるときには落ちるので、全体として遊びやすくなりつつもジャンルらしい醍醐味がしっかり感じられます。

本作は、35歳ニートの主人公ネイトのストーリーが意外としっかり展開されていきます。マップ上にはメインのルート以外に、本筋と関わりのないチャレンジルートも存在。そのため、苦労して登ってみたら何もなかったなんてこともよくあるのですが、あっちこっち歩き回りながらなんとか進んでいくゲームプレイは、ストーリーも相まって味わい深い体験となっていました。
by. Keiichi Yokoyama


これは納得

先日のセールを機に『スプリット・フィクション』をプレイしています。進行度としてはおそらく折り返しを過ぎたぐらいですが、とても好感触です。前作『It Takes Two』よりもキャラクターに感情移入できており、また当時Nintendo Switchで同作をプレイしていたというのもあって、グラフィック面の進化には驚かされました。映像体験としても素晴らしいです。SFとファンタジー、どちらの世界観が好みか選びがたい。

ゲームのつくりは、ステージを追うごとに複雑さが増していくのではなく、違った切り口で横に広がっていくイメージ。ジャンプやダッシュなどの基本アクション以外は各物語固有のものが導入されるので、知識の積み重ねを要求するといった性質は比較的薄く、常に新鮮な気持ちで世界観に浸れます。ちゃんとアクションが難しいところもあり、シンプルながら作業感が出ないというのはすごいバランスだなと。

またお互いが別々に自由行動するシーンがあるからこそ、一緒に合流して進むときの楽しさが際立つような感覚もあります。たとえば序盤に訪れるファンタジー世界「アンダーランド」では、異なる変身能力を得た2人が、同じ区間をそれぞれの方法で突破するようになっていたり。力を合わせて乗り越える場面はもちろん、“協力しない”瞬間も魅力的です。
by. Shion Kaneko


尖ってる

『サイレントヒルf』を1周目クリアまでプレイしました。銃器が登場せず近接武器のみということで、シリーズ随一といえるほどアクションに振り切ったゲームです。一方でホラー表現も上質で、武器を入手できるまでの怖さはかなりのもの。また武器を入手してからも、カカシの振りをしたアヤカカシなど、アイデアの光る恐怖演出が散りばめられていてぞわぞわしながらプレイしていました。

アクション性の強さと、『サイレントヒル』シリーズとしての本格的なホラー表現はミスマッチではないかと考えていたのですが、遊んでみると意外にも良い組み合わせ。張り詰めた緊張感が激しい戦闘で大いに発散され緊張と緩和をもたらしている印象です。一方でスタミナがすぐ枯渇し回復までのテンポが遅かったり、所持品枠がかつかつで拡張の機会も少なかったりと、慎重なリソース管理を求めてくる点は好みが分かれる部分かもしれません。

また、露骨で強烈なグロテスク表現も含まれているので、ホラー作品ファンでも苦手な人はいそうな部分。奥ゆかしくじわじわ、というよりはいろんな方面に振り切っていて、セリフ回しも含めてパワフルに表現をぶつけてくるゲームになっています。シリーズ過去作のエッセンスも備えているものの作風は異なり、引っ掛かるところもありつつ、個人的には楽しめるところの多い作品でした。
by. Hideaki Fujiwara

AUTOMATON JP
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