都市開発シム『Cities: Skylines』は開発元予想の「40倍」売り上げていた。小規模開発で大きな成功
『Cities: Skylines(シティーズ:スカイライン)』の売上は、開発元Colossal Orderにとって予想外の成功ぶりだったという。同作の売上は、開発元の売上想定を40倍も上回ったようだ。
『Cities: Skylines(シティーズ:スカイライン)』は、都市開発シミュレーションゲームだ。プレイヤーは居住区やインフラなどを整備し、さらに産業を活性化させながら街を一から建設。市民の生活や経済などが複雑にシミュレーションされ、それらのニーズや状況変化に対応しながら街を発展させていく。Steamユーザーレビューでは本稿執筆時点で18万件以上が寄せられ、うち93%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。高い人気と評価を得ている作品だ。
また続編となる『Cities: Skylines II』がまずはPC(Steam/Microsoft Store)向けに、日本時間10月25日に発売予定。PS5/Xbox Series X|S向けにも2024年春の発売が予定されている。これまでに公式サイト上では、交通AIの進化や経済システムの向上など、新作でのさまざまな要素の詳細が明かされてきた(関連記事1・2・3・4・5)。
そんな本シリーズの開発元Colossal Orderにとって、前作『Cities: Skylines』の売上は予想外の好調ぶりだったようだ。海外メディアPC Gamerの雑誌「PC Gamer Magazine」における、スタジオCEOのMariina Hallikainen氏へのインタビューで明かされた。同氏によれば、前作の成功には完全に意表を突かれたという。前作には当初長期にわたって展開される計画もなく、ヒット作のサポートを続けるために開発チームの方針転換もあったそうだ。なお開発元による想定では、本作の発売前の売上見込みは30万本だったという。
一方、昨年6月時点で『Cities: Skylines』は1200万本を売り上げたことが伝えられている。発売前の見込みと比べて、40倍もの売上を記録しているわけだ。ちなみに『Cities: Skylines』のリリース時点で、Colossal Orderはわずか13人のスタッフによる小規模スタジオであったという(GamesIndustry.biz)。そして本作の成功を受けてか、昨年7月時点でスタッフは30人に増員。新作『Cities: Skylines II』の開発チームも増員されたと見られるものの、その数は20人に満たないそうだ。前作に引き続き、比較的小規模なチームで開発する方針があるのだろう。
なお新作のコンソール版は当初PC版と同じく日本時間10月25日の発売が予定されていた。しかし先月、コンソール版の発売が2024年春に延期されることが発表。さらにPC版のシステム要件が引き上げられた。発売を目前にした予定変更に、パフォーマンス面への懸念も生じ、フィードバックも寄せられていた。Colossal Orderはそうした声への回答として、PC版は「開発元が定めていたパフォーマンスの目標水準(ベンチマーク)を達成しないまま」リリースされることが伝えられた(関連記事)。
そんな新作に向けては、先日より海外メディアにより先行プレイを通じたレビューも投じられており、本稿執筆時点でレビュー集積サイトMetacriticのメタスコアは76を記録。新たな道路作成システムのスムーズさのほか、資金やリソース調達の戦略性の広がりなどが評価を受けている。一方開発元の告知どおりパフォーマンス面は課題として指摘されているほか、DLCを含む拡張が続けられた前作に比べるとコンテンツが物足りないとする意見も見られる。新作にはリリース後のパフォーマンス改善だけでなく、前作のような長期的な展開によるコンテンツ拡張も期待されるところだろう。課題を乗り越え、高い人気と評価を博す『Cities: Skylines』の売上記録を超えることができるかも注目される。
『Cities: Skylines II』は、PC(Steam/Microsoft Store)向けに10月25日発売予定。PS5/Xbox Series X|S向けには来春発売予定だ。