都市開発シム『Cities: Skylines II』では家賃を払えず家を失う市民が発生する。前作から丸ごと作り直した新経済システム公開

Colossal Orderは8月14日、『Cities: Skylines II』の経済システムについての新情報を公開した。リアルな新経済システムでは、都市から出ていったり家を失ったりする世帯が発生することもあるという。

デベロッパーのColossal Orderは8月14日、『Cities: Skylines II』の経済システムについての新情報を公開した。リアルな新経済システムでは、都市から出ていったり家を失ったりする世帯が発生することもあるという。


『Cities: Skylines II』は、高い評価を得た都市開発シミュレーションゲーム『Cities: Skylines(シティーズ:スカイライン)』の続編だ。プレイヤーは居住区やインフラなどを整備し、さらに産業を活性化させながら街を一から建設。市民の生活や経済などが複雑にシミュレーションされ、それらのニーズや状況変化に対応しながら街を発展させていく。

『Cities: Skylines II』の前作からの進化ポイントとしては、ビジュアルの大幅アップグレードや、より柔軟な道路作成ツールの導入、交通AIの向上、気候・季節システムなどの情報がこれまでに公開されている(関連記事1関連記事2関連記事3)。またマップの広さに関しては、序盤は前作の三分の一ほどとなるが、拡張した末の広さは前作の約5倍、159平方kmにもなるという。

このたび本作公式サイトでは、新たな経済と生産システムについての情報が公開された。まず、本作では経済にまつわるシステムが一から作り直されているという。新システムはさまざまな要素を管理しており、各世帯のお金やリソースの使い方のほか、各企業の戦略などを司っているそうだ。企業は潜在的な利益や利用可能な資源、労働力など多岐にわたる要素を考慮して展開していくように設計されているという。


また各世帯は世帯の規模や構成を考慮して住む場所を選択。大家族は住宅が密集していない地域にある広めの家を好む一方、小規模な世帯は住宅が密集している地域や家賃の低い地域の家でも満足するという。また職場への近さも各世帯が住む場所を選ぶ際の条件になるといい、子どもがいる世帯は学校の近くに住みたがるそうだ。各世帯はそうしたさまざまな条件を総合的に判断したうえで、世帯内の幸福度を最大化させるような家を選択するという。

一方で世帯が家賃や維持費を払えない場合は、別の家を探すことになる。低確率ながら市外への引っ越しが検討されることもあるそうだ。そして世帯が貧しく、新しい家や市外への引っ越し資金もない場合は家を失い、状況が改善されるまで町の公園で暮らすことになるという。


なお本作では、ゲーム序盤の都市に政府による財政支援がおこなわれることも明かされている。序盤の都市の出費の一部を政府が補助金として負担してくれるそうで、新規プレイヤーが都市を成長させていくのをサポートしてくれるという。政府の補助金には民間人への失業手当も含まれているといい、人々が自立して生活を向上させられるように支援してくれるそうだ。つまり序盤では上記のような貧しくて家を失う世帯なども発生しにくくなっているわけだろう。

ただし政府補助金は都市が成長していくにつれて減っていくとのこと。補助金があるうちに本作の経済システムを理解し、家や職を失う世帯を出さないような都市運営を身に着けることが求められそうだ。なお開発チームは複雑で奥深い経済システムを備えつつも、管理は複雑になり過ぎないようにしていると説明している。細かいことをいちいち気にせず、町づくりに集中してプレイすることができるように設計されているそうだ。

なお本作は都市の経済状況について詳しく確認できる「Economy Panel」が用意されている。都市の財政、ローン、税金、都市内の各種資源生産などを詳細に確認できるという。ちなみにローンについては前作からシステムが変更され、借入可能な銀行が1社限定となるそうだ。スライダーを操作してローンの規模を決定できるUIが採用されているとのこと。貸付金利は都市に市役所と中央銀行を建設して引き下げも可能だそうだ。


そのほか今回の発表では企業やサプライチェーンについても詳細が解説されている。たとえば企業には工業系企業(Industrial Companies)や商業系企業(Commercial Companies)、オフィス系企業(Office Companies)といった分類が存在。労働力やサービスを提供する顧客、輸送コストなど、それぞれの業態にあわせて異なる要素が考慮されて立地が選ばれるそうだ。

またサプライチェーンについてはプレイヤーが細かく管理する必要はないように設計されているそうだ。一方で細かく管理したいプレイヤー向けのシステムも用意されており、特定の産業に特化したエリアを設定することも可能とのこと。詳細はこちらの公式サイト(英文)を確認されたい。

前作から作り直されたという、奥深い経済システムが登場する『Cities: Skylines II』。公式サイトではこれまでさまざまな要素の進化が紹介されており、現時点では発売に向けてさらに4つの要素が解説されることが明かされている。8月21日には「Game Progression」システムについて紹介される予定だ。ポイントを消費して開発ツリー(Development Trees)をアンロックしていくシステムだという。発売に向けて公開されていく、さらなる新情報にも注目しておこう。

『Cities: Skylines II』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに10月25日発売予定だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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