『エルデンリング』と時期被っちゃったけど、GWにでも遊んでほしいゲーム5本
本日よりゴールデンウィークに突入する。祝日にして3日であるが、土日も含めると人によってはかなり大きめの連休になるだろう。ゲームに興じるのには良い機会だ。そのタイミングで、『エルデンリング』発売によって、あなたが見逃したかもしれないゲームについて、紹介したいのである。
『エルデンリング』は今年2月25日に発売された。同作はサブクエストの消化や各ダンジョン制覇を含むと、100時間以上を要する。ようするに、結構な長期間かかりきりになってしまうのだ。発売時から話題が沸騰していた影響で、『エルデンリング』の影に隠れてしまった作品もあるわけだ。そんなわけで、2月中旬から4月中旬にかけて発売されたゲームのなかで、AUTOMATONのライター陣がおすすめしたいゲームを紹介する。
TRIANGLE STRATEGY
7680円/Nintendo Switch(マイニンテンドーストア)
『TRIANGLE STRATEGY』は3月4日に発売された、Nintendo Switch向けタクティカルRPGだ。HD-2Dで描かれる、往年のタクティカルRPGを想起させるピクセルアート。国家間の利権をめぐる争いを綴った重厚な戦記ロマン。好きな人にはたまらない要素がたっぷり詰まった本作なのだが、『エルデンリング』とリリース日が1週間しか離れておらず、発売直後はあまり話題にならなかったように感じている。埋もれさせるには惜しい本作を、この場を借りてご紹介したい。
本作はストイックなタクティカルRPGである。バトル面の難易度はやや難しめで、ユニットの性能やマップの地形を把握し、綿密に盤面を構築する必要がある。難しめとはいっても難易度はベリーイージーからハードまでの4段階から選ぶことができるため、タクティカルRPG初心者の方も安心だ。シナリオも戦記物らしくシリアスな展開が多く、メインキャラクターたちを説得して物語の分岐先を決定する「信念の天秤」システムも非常に面白い。世界観の補足としてゲーム内から参照できる読み物も豊富なため、フレーバーテキスト好きにもおすすめだ。狭間の地の探索に一区切りがついた褪せ人諸君は、是非本作を手にとってみてほしい。
By. Aki Nogishi
両手いっぱいに芋の花を
※販売元のPLAYISMは弊社アクティブゲーミングメディアのパブリッシングブランド
1870円(Steam/Nintendo Switch)
『両手いっぱいに芋の花を』は、旨味と要素を整理して、食べやすく仕上げたダンジョンRPGだ。本作の世界では、深刻な土壌汚染によって人類が危機に陥っていた。ある迷宮に、錬金術師が作った作物の種が遺されているという。プレイヤーは調査隊の一員として、3人パーティーを編成。ダンジョンの最深部へと辿り着き種を手に入れるため、モンスターと戦いながら探索を進めることになる。
ダンジョンRPGにおいて、迷宮内は危険に満ちている。うっかり強敵と遭遇してしまったり、探索中引き際を見誤ったり、帰還用のアイテムを買い忘れたりなど、判断ミスは全滅に直結する。死と隣り合わせの探索が緊張感に繋がっている反面、遅々として探索が進まない瞬間があるのも事実だろう。本作では、敵との遭遇は完全固定のシンボルエンカウントのみ。敵の行動は予測表示され、全滅しても失うものはない。ほかにも遊びやすさに繋がる工夫が導入されており、強敵の戦いや未知の迷宮の探索に集中しやすくなっている。泥臭い世界観と攻略の歯ごたえ、遊びやすさに引き立てられた旨味が備わった一品だ。
本作が発売されたのは、『エルデンリング』の発売から約2週間後。対戦相手が悪かったと言うほかないが、食べやすさと旨味のバランスに対して、地中に埋もれすぎている印象も受ける。残ったGW中にプレイする作品としてはプレイ時間も手頃なので、まずは体験版を試食してみてほしい。
By. Keiichi Yokoyama
Life is Strange: True Colors
6380円(Steam/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch)
『Life is Strange: True Colors』の日本語版が、2月25日に発売された。舞台の美しさ、物語の儚さなど、アドベンチャーゲームの魅力が詰まった作品だったが、『エルデンリング』と同日に発売された影響で、その影に隠れてしまった感が否めない。本作を知らない方に向けて、簡単にご紹介したい。
本作は、プレイヤーの選択により物語が変化するアドベンチャーゲームだ。舞台は、自然に囲まれた街ヘイブン・スプリングス。主人公アレックスが、街の人々と交流しながら兄の死の真相を探るという、ミステリー仕立ての物語が描かれる。そこにエッセンスを加えるのが、主人公がもつ「感情を読み取る能力」である。他者の心はもちろん、モノに宿る記憶も読み取ることが可能。街の各所には、あらゆる人々の想いの痕跡が散らばっており、その情報量は膨大だ。過去の記憶に思いを馳せていると、ヘイブン・スプリングスに住む人々の息吹を感じさせる。
また、若年層を主役に据えたストーリー展開が魅力の本シリーズ。作中に登場する音楽や若者文化の役割が、物語の説得力を強固にしていると思う。個人的には、特に音楽が素晴らしいことを特記したい。戦いに疲弊した褪せ人諸賢。よろしければ、ヘイブン・スプリングスへと足を運び、この美しい風景と物語に身をゆだねてみてはいかがだろうか。
By. Yu Naganeo
サムライブリンガー
※販売元のPLAYISMは弊社アクティブゲーミングメディアのパブリッシングブランド
980円(Steam/PS4/Nintendo Switch)
『サムライブリンガー』は、自分だけのコンボアクションが楽しめる和風ローグライトアクションゲームだ。プレイヤーは荒神スサノヲとなり、戦場に蔓延る侍衆を蹴散らして戦技を会得。戦技を自由に組み合わせて多彩なコンボをつくり、強敵となる大妖怪を撃破。撃破報酬で己の武力を高め、やがては宿敵ヤマタノオロチの討伐に向かうのだ。
自動生成される戦場では、プレイヤー好みに仕立てたコンボで雑兵をバッサバッサと斬り伏せられる。派手なモーションやエフェクト、心地よい効果音も相まって、爽快なアクションが味わえるだろう。また強敵との戦闘においては、攻撃モーションや属性を見抜き、弱点を突いて戦う戦略的なゲームプレイも体験できる。クリア後の開放要素はやや物足りなく感じるものの、100人以上の戦国武将になりきれる武具をコレクションしたり、各種レコードの達成でステータスを伸ばしたりと、やり込みプレイも可能。総じて、ロープライスなタイトルとして十二分な体験が詰まった作品になっている。筆者としてはさらなる脚光を浴びてほしいところだ。
なお戦場の猛将を撃破していくと、キュートにデフォルメされた武具一式がずらっと拠点に並べられる。ちょっぴりマイナーな武将の武具にも忠実な装飾が施されており、装備すれば武将にちなんだ“それっぽい”プリセットアクションが楽しめるのだ。『エルデンリング』の素性で迷わず「侍」を選択するような、戦国武将好きの方には強くおすすめしたい。
Lunacid
720円(Steam)
※本作は日本語非対応で早期アクセス配信中
『Lunacid』は、フロム・ソフトウェアの初期アクションRPGにインスパイアされた作品だ。本作は『シャドウタワー』や『キングスフィールド』の影響を受けたと標榜しており、一人称視点かつ初代PS~PS2世代を彷彿とさせるグラフィックとなっている。本作の世界は、「Great beast(大いなる獣)」なる存在の出現によって毒の霧に閉ざされている。プレイヤーは不要な存在として、大井戸のなかに投棄された名もなき主人公となる。主人公は、地下世界からの脱出を目指すために、未知なる古の存在が眠るダンジョンの奥深くへと潜っていくのだ。
本作は日本語に対応していないものの、手探りでプレイできる内容となっている。インスパイアされたと標榜するだけあり、序盤の難易度的な苦しさやレベルデザインのほか、ゲームメカニクスなど随所にフロム・ソフトウェア作品の影響が見られる。それらも単なる真似ではなく、調整すべきところは調整し、きちんと楽しさに繋げている印象だ。
なお、本作のリリースは3月16日。“本家新作”である『エルデンリング』のリリースから約3週間後であった。狙ってか狙わずか、本家作品にみんながまだ夢中になっている間に、初期作品に影響を受けた本作が出てしまったわけである。『エルデンリング』が落ち着いたフロム・ソフトウェアファンの方は是非、こちらにも触れてみてほしい。
By. Seiji Narita