ローグライト『メタリックチャイルド』はいまが遊び時。『天穂のサクナヒメ』とのコラボDLCや大型アプデで進化した内容を見よ
パブリッシャーのCRESTは3月31日、『メタリックチャイルド』にて大型アップデートを実施し、新コンテンツを配信した。『天穂のサクナヒメ』とのコラボDLCによって、サクナヒメやココロワヒメをモチーフとしたカスタムが登場。無料のアップデートでは、新モード「Advanced」や「ターミナル・クリード:限界実験室」など、新たな遊びが追加されている。本稿では、コンテンツの配信に先駆け、コラボDLCやアップデートの内容を先に触ってきたので、その内容を紹介しよう。結論を先に伝えてしまうと、スキルに焦点をあてた新たな遊びが本作に追加されていた。
『メタリックチャイルド』本編再紹介。コアを巡る、戦闘とストーリー
まずは本作『メタリックチャイルド』について改めて紹介しよう。本作を知らない方のための説明なので、既プレイヤーの方はDLCの段落まで飛ばしてしまっていい。『メタリックチャイルド』は、コアを集めてロボットたちと戦う、ローグライトコアアクションゲームだ。本作の舞台となる2086年の世界では、ライフストリーム号と呼ばれる宇宙実験室でさまざまな研究が進められていた。アイリーン博士によるプロジェクト「メタリックチャイルド」も、そうした研究の一つ。高度なアンドロイドの開発を目標にスタートし、いくつかの研究成果が生まれていた。しかしある時、アイリーン博士による反乱が発生。制御を失ったライフストリーム号は地球への落下コースを辿っており、大規模な墜落事故が起きようとしている。
主人公のロナは、プロジェクト「メタリックチャイルド」によって開発されたアンドロイドの少女だ。反乱に気づいたロナは、生みの親であるアイリーン博士の行動に戸惑いながらも、被害を防ごうと戦闘を開始する。しかし元より戦闘型ではない彼女は、戦いの末行動不能に陥ってしまう。そこへ、なぜかゲームを起動したプレイヤーと通信が繋がり、遠隔操作でプレイヤーがロナを操作することに。アンドロイド少女の奮闘や反乱の真相が、戦いの中で描かれる。
ロナは落下の阻止に必要なコアジェムを集めるため、宇宙船内で戦いを繰り広げていく。武器の通常攻撃とスキル、掴みと投げによって敵に攻撃。武器ごとに設定された防御アクションと移動によって敵の攻撃を避けながら戦い、ステージ最奥に待つボスを倒すことが目的となる。
ロナの行動の内、武器スキルと掴み、ローリングやガードといった防御アクションはバッテリーを消費する。バッテリーは通常攻撃のヒットによって回復するが、バッテリーが切れると防御アクションも使用できなくなってしまう。上手く立ち回るには、通常攻撃によるバッテリーの回復や残量の管理も必要になるわけだ。
またロナは、ストーリー上の大きな目的のためコアジェムを集めるが、本作では戦闘でもコアが重要な立ち位置となっている。戦闘中、敵のロボットがミニコアと呼ばれる動力源を落とすことがある。ロナがミニコアを取得すると、ランダムな能力を獲得。ミニコアには時間制限があるものの、攻撃力の向上やバッテリーの無限化など、強化によって戦闘が有利に進められる。
ただしミニコアの中には、バグ/ウイルスコアと呼ばれるマイナス効果のものも存在し、防御力低下や攻撃力の低下といった単純なデバフを引いてしまうと、窮地に陥ってしまう。ミニコアによって変化が訪れ、プレイにメリハリを加えているわけだ。バグ/ウイルスコアには、画面の解像度低下やロナがボクセル風になるといったユニークなものも含まれているほか、バグ/ウイルスコアをインストールすることで強化素材が獲得可能。ミニコアを3つ揃えると発動し、能力が底上げされる「コアコネクトシステム」には、バグ/ウイルスコアもカウントされるため、時には上手く利用すると有利な状況を作り出せる。
そのほか要素としては、専用のゲージを使って強力な技を繰り出す「MCスキル」、いわゆるパーク/レリック相当の「スーパーコア」、スキル発動後に装備を切り替えることで発動する「スキルチェイン」などが存在。武器には大きく3種類のカテゴリと、それぞれスキルの異なるものが多数用意されている。上記の紹介については大雑把なものなので、詳細な説明が欲しい場合は過去の記事を参考にしてほしい(関連記事)。
多数のスキルが再現された、力の入ったDLC
され、ここからはDLCを含め、3月31日のアップデートで登場する新要素を紹介していこう。まず「米とコア」について。同コンテンツは、『メタリックチャイルド』と『天穂のサクナヒメ』のコラボDLCだ。
■天穂のサクナヒメとは
鬼が支配する「ヒノエ島」を舞台に豊穣神サクナヒメが大暴れ!
様々な「武技」による華麗な連続攻撃と伸縮自在の「羽衣」による縦横無尽な爽快アクションが展開される。
そして、本作のもう一つの特徴が「米づくり」。
田起こし、田植え、収穫など一つ一つの工程を丁寧に行い良い米を収穫するほど、豊穣神サクナは強くなる!
内容としては、サクナヒメ風のカスタム3種やコラボボスなどを収録されている。『メタリックチャイルド』におけるカスタムとは、見た目と特殊能力をセットにしたもの。「米とコア」に収録されたカスタムの場合には、ロナがSF風にアレンジされたサクナヒメの衣装を身にまとい、専用の特殊武器を使って戦えるようになる。衣装だけでなく、髪型や一部モーションなども変化。凛々しく神々しいロナの姿は、普段の幼いロナとは異なるものとなっている。またロナとサクナヒメは、どちらも声優の大空直美さんが声を担当している。性格は異なるがどちらも幼い少女の姿をしており、本DLCによって『メタリックチャイルド』でサクナヒメを操作できるといっても過言ではないだろう。
「米とコア」の導入で使用可能となるカスタム3種の内、「豊穣と武の神御衣」および「豊穣と武の神御衣(狐の面)」では、ロナが専用武器「戦闘型の鋤」を所持した状態でステージに挑戦する。戦闘型の鋤は、ハンマーをベースにした特殊装備だ。『天穂のサクナヒメ』コラボDLCの共通要素として、専用武器にはスキルゲージが用意されている。スキルゲージは、攻撃のヒットなどにより上昇し、被弾によって減少。ゲージの蓄積状況によって発動するスキルが変化する。
戦闘型の鋤では、ゲージ30%程度までが胴貫打ち、30%から70%程度までが高波返し、70%以降で天河が発動する。胴貫打ちは、回転しながら鋤で相手を殴る攻撃スキル。高波返しは、波のようなエネルギーを発生させる遠距離攻撃スキル。天河は、その場で飛び上がり縦方向に回転しながら敵を殴打するスキルとなっている。『天穂のサクナヒメ』における同名の技が再現されているわけだ。
性能面では、胴貫打ちは移動するため使いやすく、高波返しは発生や範囲が優秀、天河は足を止めるものの範囲と火力が高めになっている。通常攻撃こそハンマーがベースとなっているので重い印象を受けるものの、本作のスキルとしてはいずれも強力。ステージ終盤まで、専用装備を維持しても攻略できるだろう。なお「豊穣と武の神御衣」と「豊穣と武の神御衣(狐の面)」の違いは、お面の有無となる。
カスタムとしては、コラボDLC「ココロワヒメ」を導入すると「聡明の神御衣」が使用可能となる。「豊穣と武の神御衣」シリーズがサクナヒメをモチーフにしたカスタムだったのに対して、「聡明の神御衣」はココロワヒメをモチーフにしたカスタムだ。適用すると、ロナがクールで知的な雰囲気に様変わり。ソード&シールドをベースとした専用武器「聡輪ノ御剣」を所持しており、スキルゲージの蓄積状況に応じて発動可能スキルが変化する仕組みは共通となる。
ただし、聡輪ノ御剣で使用可能なスキルは2種類。原作『天穂のサクナヒメ』でココロワヒメの戦闘描写はないため、2種類とも彼女をイメージしたスキルとなっている。具体的には、スキルゲージ50%未満では「機巧巨砲」が発動し、前方に向かってエネルギーボールを射出する。全体のモーションが長いため隙が大きいものの、本作では貴重な遠距離攻撃が可能だ。
一方、スキルゲージ50%以上では「機巧光輪」を発動し、歯車をその場に設置する。歯車からは、短い間隔で2方向へエネルギーボールが発射。歯車の持続時間はかなり長く、設置の隙は少ない。発射が2方向では少々当たりづらいが、コアコネクトシステムが発動すると4方向に強化されるほか、弾一発ずつに十分な火力が込められている。
ソード&シールドのガードでモーションの後半がキャンセル可能な点や、複数同時に設置できる点も考慮すると、かなり強力なスキルと言えるだろう。単に強いだけでなく、長時間持続する設置技は本作のスキルとして珍しい。ココロワヒメのイメージにも沿っており、サクナヒメモチーフのカスタム同様見た目と性能の両面で遊びがいのあるものとなっていた。
コラボDLCには、カスタム以外にもいくつかの要素がある。大きなものとしては「米とコア」を適用した状態でプレイしていると、いわゆる中ボス相当のフロアボス「鹿鬼大将・玄影」が立ちはだかる。ベースは、『天穂のサクナヒメ』でサクナヒメと戦った同名の鹿のボスだ。原作では、後ろ足の蹴りやお供の雀鬼がプレイヤーを苦しめていたが、本作では突進攻撃を含めた接近技やエネルギー弾などを展開。小さな鳥のロボットも現れ、SF風にアレンジされた多彩な攻撃を仕掛けてくる。
前述のカスタムの解放条件に設定されているためか、強さは従来のフロアボスとそう変わらない。舞台が宇宙へ移ったことでどのように変化したか。そういったアレンジが、鹿鬼大将・玄影の見どころだろう。またコラボDLCでは、直接ゲームプレイに関係しないところにも手が加えられている。サクナヒメやココロワヒメの姿でロボットたちと戦っていると、ステージ中に出現する回復アイテムや、口に運ぶ際のミニコアがおにぎりに変化。そのほか専用の待機モーションやロード画面なども用意されている。なお、コラボDLCカスタムの専用装備にはそれぞれ複数のスキルが用意されているものの、残念ながら状況に応じた使い分けなどはできない。ゲージの蓄積が早く、狙って減少させるのが難しいためだ。それでも各装備に複数のスキルが用意されているのは、制作に熱が込められているということなのだろう。
スキルが大幅に強化された新モード Advanced
DLCだけでなく、大型無料アップデートも見どころである。アップデートでは、ゲーム内に新モードが登場している。その内の一つ「Advanced」は、メインストーリークリア後を対象にした、従来のステージを異なるバランスで遊べるものだ。装備の通常攻撃力が基本モードよりも若干低下し、代わりにスキル攻撃力が大幅に上昇。各部屋での追加の敵の出現方式が、Wave単位から逐次補充へと変更されている。プレイした範囲内においては、上記の変更に加えて敵の数や攻撃頻度自体も上がっているようにも感じられた。ゲーム内の説明文では、「スキルを中心とした戦闘スタイルに適しており、難易度がさらに上がったメタリックチャイルドが待ち構えています。」と謳われている。
敵が強くなった分苦戦を強いられるが、やはりというべきか、強化されたスキルが攻略のカギを握っている。詳細な値は武器ごとに異なるものの、通常モードと比べるとスキル攻撃力は2倍程度に上昇し、バッテリー消費も減少。スキルが攻撃手段として頼れる上に、扱いやすくなっているからだ。筆者の場合には、基本モードから立ち回りを大きく変更することになった。というのも、通常モードにおいてスキルをほとんど使っていなかったためである。本作には、通常攻撃やスキルに加えて、投げやフィールドギミック、MCスキルなど多数の攻撃手段が存在している。その中において、スキルはバッテリーを消費し、基本的にモーションが長いために隙も大きい。バッテリーの管理とダメージを天秤にかけた結果、バッテリーを消費してまで使うものではないと判断し、通常モード攻略時はさほどスキルを使用していなかったのだ。
筆者の例はかなり極端なものだと思われるが、Advancedではスキルが有力なダメージ源として進化。強力なスキルを携えた武器や専用武器付きカスタムなどの価値も向上し、当然ながら取捨選択の判断基準も変化している。また、従来のモードでも強かったチェーンスキルや、スーパーコアやミニコアでのスキル攻撃力強化など、システムを活用すると手軽に大ダメージも叩き出せる。強い要素がはっきりしたことで、システムやビルドでゲームを攻略しやすくなったわけだ。スキルを中心とした戦闘スタイルに適しているというより、『メタリックチャイルド』がスキルを中心にした大規模なバランス調整を受けたという印象である。
また今回のアップデートでは、敵の殲滅と強化を繰り返し、ハイスコアを目指す「ターミナル・クリード:限界実験室」が追加されている。Wave単位で敵が出現し、敵の強化と引き換えにロナの強化を選択できるなど、ゲームの基本的な流れは従来のターミナル・クリードと同じである。ターミナル・クリードではボスの討伐がクリア条件となっていたのに対して、ターミナル・クリード:限界実験室では、際限なく敵が出現。時折登場するボスも倒しながらスコアを稼ぐ、エンドレスなバトルモードとなっている。ストーリー上でロナの前に立ちふさがったメタリックチャイルドたちも敵として出現するため、己の限界を試すのにうってつけだ。
ターミナル・クリード:限界実験室でスコア2000を達成すると、一度だけ復活できるアイテムを所持した状態でステージを開始できるカスタム「SMASHING THE BATTLE」が解放可能となる。そのほか追加要素としては、強力なスキルを携えた武器や、「Advanced」の制覇が解放条件のカスタムなども追加されている。
スキルを中心に新たな遊びが登場
追加要素を振り返ると、複数のスキルが用意されたコラボDLCカスタムや、スキルが大幅に強化されたAdvancedモードなど、スキルに焦点を当てた要素が多数登場。Advacedでは、既存の武器スキルや強化効果の価値も向上しており、本作が新しい輝きを放っている。またコラボDLCのカスタム群は、いずれも複数のスキルを備えた専用武器を携えている。そのため、通常モードにおいても十分に活躍するが、Advancedではさらにスキルが強力に変化。特にココロワヒメモチーフのカスタムは、バッテリーや火力を底上げすると、ほとんど設置しているだけでも敵を殲滅できたので、ぜひ試してほしい。総じて、新要素によって本作にスキルを中心とした遊びが本作に多数加えられているわけだ。
『メタリックチャイルド』は、Nintendo Switch/PC(Steam/STOVE)向けに発売中。『天穂のサクナヒメ』とのコラボDLCは、サクナヒメのカスタムなどを収録した「米とコア」が980円、ココロワヒメのカスタムを収録した「ココロワヒメ」が680円で配信中。コラボDLCやゲーム内通貨のチップをセットにしたバンドルも配信中となっている。
【UPDATE 2022/4/18 19:00】
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