基本プレイ無料超自由オープンワールドMMO『逆水寒』を“戦わずに100時間”遊んで、戦ってみた。戦わずにレベル最大まで育てたキャラなのに、やけに強い
オープンワールドMMORPG『逆水寒(Justice)』を戦わずに100時間遊んだ末に、戦いに挑んでみる。

NetEase Gamesは『逆水寒(Justice)』を11月7日に配信開始した。対応プラットフォームはPC/iOS/Android。
『逆水寒(Justice)』(以下、逆水寒)はオープンワールドMMORPGだ。舞台となるのは12世紀初期、北宋時代の中国。武侠小説の人気作家・温瑞安の作品群を原作としており、プレイヤーは壮大な歴史上の中国を冒険することになる。

本連載ではこれまで戦いを避け、日常系のコンテンツを中心に楽しんできた。しかし本作はMMORPGだ。バトル系のコンテンツもたくさん用意されている。連載の最終回となる本稿では、満を持して本作のバトルを楽しんでみることにした。なお今回のプレイにあたって、ズルなどはせず、コツコツ時間をかけて通常のプレイで育てたアカウントを使用している。
戦闘してないけどレベルマックス
まず本作のバトル関連のシステムを簡単に説明しておこう。『逆水寒』ではキャラメイクをおこなう前に、キャラの流派を選ぶ必要がある。流派はいわゆるクラスやジョブにあたるものだ。それぞれ使用できる武器やスキルが異なり、アタッカーやタンク、ヒーラーなど違う役割をもっている。それぞれの流派の特徴については公式サイトの紹介ページをチェックするとよいだろう。ちなみに筆者のマイキャラは素問というヒーラー職である。
RPGである本作にはキャラにレベルが存在しており、当然高いほど強くなる。レベル上げをしたくなるところだが、本作では戦闘とは関係ない日常系のコンテンツをこなしても経験値が入る仕様。筆者のキャラはほとんど戦っていないが、これまでいろいろと遊んできた結果、試遊用サーバーのレベルキャップである69レベルに到達している。
オススメビルド機能で手軽に強く
しかしキャラの強さはレベルだけで決まるわけではない。装備やスキルも重要だ。本作では多彩なスキルが用意されており、さまざまな条件を満たすことで習得できる。スキルは攻撃や回復などに使えるいわゆるアクティブスキルのほかに、常時効果を発揮する「内功」や「妙技」などのパッシブスキル的なものが存在。多彩な効果のスキルたちを組み合わせて、キャラを強化するのだ。

これまでおこなってきたアクティビティの報酬のおかげで、装備やスキルはそこそこ集まっている。しかしどのようにビルドを組めばよいのか、バトル初心者の筆者には見当がつかない。そこで役に立つのがオススメビルドを紹介するゲーム内機能だ。流派別に定番のスキルセットが紹介されており、安心できる構成が分かるようになっている。紹介されているなかにはまだ習得していないスキルもあるが、入手方法についても教えてくれているので強化の指針にもなる。
ひとまず習得していないのスキルの欄は適当に別のものを装備して、いよいよ戦いの旅に出ることに。本作のマップには、各地に強敵と呼ばれるボスが存在している。これまでは逃げ回ってきたが、腕試しがてら戦いを挑んでみるのも面白そうだ。まずは初期の村の近くにいる「猪王」に挑戦してみることにする。
自動スキル回しで簡単&爽快
本作では連発できる通常攻撃のほか、アクティブスキルを8つほど同時に装備することが可能。戦闘ではいわゆるスキル回しをおこなって攻撃や回復をおこなっていくことになる。しかしスキルはそれぞれクールダウンの時間が異なり、使う順番で効果が変わったりする。うまく戦おうとするとなかなか操作が忙しく、バトル初心者の筆者にはちょっとだけハードルが高い。
しかし本作には簡単スキル回しという機能がある。オンにすると通常攻撃ボタンを押しっぱなしにしているだけで、自動で各種スキルを使ってくれるのだ。試してみるとこれが非常に快適。レベル最大まで戦闘を避けてきた筆者であっても、簡単操作で爽快に技を繰り出しすぐさまバトルを楽しめるようになった。何より気持ちいいのは、丹精込めて育ててきた自分のキャラが存分に強さを発揮してくれる点。平和主義とはいえ長時間プレイしてきたキャラの成長を感じることができた。

そうして自動スキル回しに頼り、猪王をあっという間に撃破。初期村の近くのボスということであまり強くはないのだろうが、それにしても意外なほど弱く感じる。これまで非戦闘系のコンテンツばかり堪能してきたが、それでもキャラクターはしっかり強くなっていたようだ。猪王を倒したことで報酬が得られ、新たなスキルを覚えられたほか、別のボスの居場所の情報が手に入った。こうして各地の強敵を倒していけばさらに強くなっていけるだろう。これまで長時間遊んだぶん戦闘も楽勝……と、このときの筆者は初陣の勝利で調子に乗っていた。
いろいろなバトルコンテンツ
このまま探検を続けてもよいのだが、本作のバトルコンテンツはマップ上での戦闘だけではない。メニュー画面から「迷城」というところを開くと、さまざまなバトルコンテンツを遊べるのだ。たとえば「江湖波乱万丈」というコンテンツではミッション形式のバトルが楽しめるという。次はこちらを遊んでみることにする。
迷城のバトルコンテンツはパーティー前提だが、ソロモードも別に用意されている。ソロの場合はNPCたちが自動でパーティーに加入してくれるかたちとなるようだ。実際に遊んでみるとNPCたちがわちゃわちゃと登場。MMOなのでパーティー前提なのは当然かもしれないが、試遊サーバーという都合上筆者はこれまでほぼソロで遊んでいた。賑やかさが新鮮で、とても楽しく感じる。

ミッションの内容は本作のメインストーリーと繋がっており、ちょっとした会話イベントなども存在。ステージごとに独自ギミックも用意されており、たとえば絵の中に入り込んだり、シューティングゲームのような操作になったりと、バリエーションも豊富だ。筆者のキャラのレベルが推奨レベルを大幅に上回っていることもあってか、敵は簡単に倒せるが、それでも遊び応えのあるコンテンツである。
手強い高難度ボスたちも
サクサクと敵を倒せるのは爽快だが、適正難度のコンテンツにも挑んでみたくなってきた。「迷城」ではほかにも、強敵ボスたちに挑めるコンテンツが用意されている。ボスは総計で10体以上存在しており、さらに難度設定はそれぞれのボスでいくつか段階がある。高難度設定ボスの推奨レベルはレベルキャップである69だ。おそらくこれがエンドコンテンツにあたる要素だろう。さっそく挑戦してみると、かなり手強い。数発攻撃を食らうとダウンしてしまうため、しっかり戦略を練る必要がある。ちょっと雲行きが怪しい。

さらにそんなボスたちにはそれぞれ専用のギミックが用意されていた。たとえばあるボスとの戦いでは、自キャラが特殊スキルとしてパリィのような技を習得する。敵の近接攻撃を弾きながら、パリィ不能の範囲攻撃(AoE)をかわして戦うバトルになっていた。ちなみにNPCはなかなか倒れず、ギミックも率先してこなしてくれるなど優秀である。一方の筆者はなかなか攻撃を避けられず、すぐにダウンしてしまう。NPCが蘇生してくれるので戦線復帰はできるのだが、ヒーラーの筆者が真っ先に死ぬという気まずい状況だ。NPCを立ち回りのお手本にしたくなってくる。
NPCの活躍のおかげで数体のボスを倒すことには成功したが、それでも中盤以降のボスには歯が立たず全滅続き。さすがに戦闘を始めたての自分に限界を感じる。レベルを現時点のマックスまで上げていても、即席ビルドを組んだだけではエンドコンテンツを勝ち進むのは難しそうだ。装備やスキルの構成をしっかり考えて、強力な装備なども集める必要がありそうである。倒せるボスからドロップアイテムを集めたりして、地道に強化を進めるのがよいのかもしれない。
さすがにエンドコンテンツには太刀打ちできなかったが、平和的なプレイしかしてこなかった筆者のキャラで、ここまで戦えたのはいい意味で意外だった。バトルに初挑戦した筆者は手応えと達成感、そしてさらなる強さを得ることへの情熱を感じている。平和的にのんびりと生活を楽しむのもよいが、歯ごたえがある強敵に挑むのも、やはりゲームの醍醐味のひとつ。挑みがいがあるボスが用意されているのはありがたい。
とはいえ『逆水寒』はいよいよ正式リリースを迎え、先行プレイ期間は終了してしまう。長く遊んできたこのセーブデータともそろそろお別れだ。製品版でも同じようなヒーラーキャラを作るか、それともアタッカーを作ってみるか。強敵へのリベンジ計画に心躍らせる筆者は、いろんなビルドを構想しながら、来たるべき決戦の日に備えている。負けっぱなしではすまされないのだ。
なお、本作にはPvPコンテンツも用意されている。ソロで遊んでいる筆者は体験できていないが、3対3のチーム戦や60人でのサバイバル対戦など、いろんなルールでの戦いが楽しめるようだ。そちらではおそらくボス戦とはまた違った、対人戦ならではの駆け引きが展開されることだろう。筆者はこれ以上熱くなると収拾がつかなくなりそうなので、まずはPvEを制覇したい。

以上で『逆水寒』の先行プレイの模様を伝える本連載は終了となる。全10回に渡ってお送りしてきたが、紹介した遊び方は本作のほんの一部だ。本作には多種多様なコンテンツが用意されており、紹介できなかった要素もたくさん存在する。また紹介した内容も掘り下げれば、よりディープに遊ぶこともできるだろう。本作の正式サービスがいよいよ始まるため、皆さんもいろんなコンテンツを試して、自分だけの楽しみ方を探してみてほしい。
『逆水寒(Justice)』はPC(Steam)/iOS/Android向けに配信中だ。ゲーム内は日本語表示に対応する。




