『エルデンリング』Steam版向けおすすめゲーミングPCはこれだ。徹底検証

待望のリリースを迎えた『エルデンリング』DLC「SHADOW OF THE ERDTREE」。今回マウスコンピューターのゲーミングPCブランド「NEXTGEAR」と「G-Tune」を使用した動作テストをおこない、グラフィックとアクションの両側面にフォーカスを当てて検証する。

『エルデンリング』DLC「SHADOW OF THE ERDTREE」は6月21日に待望のリリースを迎える。本作は「狭間の地」と呼ばれる壮大で美麗なオープンフィールドでの冒険に、トライアンドエラーの末にたしかな達成感を感じられるアクションバトルなど、フロム・ソフトウェアのタイトルの集大成とも言える。

そんな『エルデンリング』の推奨スペックは2022年のタイトルということもあり、そこまで高い性能を求められないが、最大4Kおよび60fps対応という設定を余すことなく楽しむにはある程度のマシンスペックが必要だ。そこで今回はマウスコンピューターのゲーミングPCブランド「NEXTGEAR」と「G-Tune」のモデルを使用した動作テストをおこない、グラフィックとアクションの両側面にフォーカスを当てていきたい。「SHADOW OF THE ERDTREE」で久々に本作に復帰する人や、DLCにあわせて『エルデンリング』に入門したい方の参考になれば幸いだ。対象となるモデルは、価格レンジで分けた以下2機種。

・NEXTGEAR JG-A7G60 (定価:税込19万4800円)
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/gngear-jga7g60b6adcw101dec/

・G-Tune DG-I7G7S(定価:税込29万9800円)
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/ggtune-dgi7g7sb7adcw101dec/


映像品質設定「低」「高」「最高」で、フレームレートの最低値・最大値・平均値を測定。計測はMSI Afterburnerのbenchmark機能でおこなう。モニターは「ProLite XB3288UHSU」を使用した。なお『エルデンリング』の最大フレームレートは、60fpsであることに留意してほしい。

検証地点はリムグレイブの以下7カ所。
①「小黄金樹」の木の周りを1分間歩く
・オブジェクトが多い場所を歩き回る
②「小黄金樹」近くの狼の集団と1分間戦闘する
・小型の敵多数が出現した状態で戦闘を行う
③「小黄金樹」近くの熊と1分間戦闘する
・オブジェクトに囲まれながら、大型の敵一体と戦闘を行う
④「関門前の廃墟」にあるキャンプで複数の兵士と1分間戦闘する
・人型の敵多数が出現した状態で戦闘を行う
⑤「飛竜アギール」と1分間戦闘する
・処理が重いボスと対峙した状態で戦闘を行う
⑥「嵐の丘」で巨人と1分間戦闘する
・大型の敵多数が出現した状態で戦闘を行う
⑦「曇り川の洞窟」を1分間探索する
・人型の敵やオブジェクトが存在する小規模なダンジョンを歩き回る
⑧「啜り泣きの半島」で巨人の矢を避けながら「モーンの城」へ向かって1分間移動する
・大型の敵から放たれたオブジェクトを避けながら移動を行う

検証地点を示した地図

コスパ抜群なエントリーモデル「NEXTGEAR JG-A7G60」

1台目は「NEXTGEAR JG-A7G60」(定価:税込19万4800円)で検証をおこなう。

主な仕様
・CPU:AMD Ryzen 7 7700 プロセッサー
・グラフィックス:GeForce RTX 4060
・メモリ標準容量:16GB (8GB×2 / デュアルチャネル)
・M.2 SSD:1TB (NVMe Gen4×4)

マウスコンピューターで近年登場した「NEXTGEAR」ブランドは、同社の直販WEBサイト限定で販売されるゲーミング製品のこと。同社といえば「G-Tune」ブランドが有名であるが、「NEXTGEAR」は“カジュアルクラスゲーミング”というコンセプトが位置づけられており、コストパフォーマンスを重視しているのが特徴だ。「NEXTGEAR JG-A7G60」も20万円弱と比較的安価な価格設定であり、ゲーミングPCが気になっているという人が手を出しやすいのもうれしいポイントだ。ただいくら安いと言ってもゲームをプレイするのに満足な性能がともなっていなければ意味がない。本製品がどの程度のスペックをもつのか早速検証していきたい。検証結果は以下のとおり。


「LOW」や「HIGH」の段階では『エルデンリング』の最大フレームレートである60fpsに張り付き、さすがのGeForce RTX 4060の実力をうかがわせた。リフレッシュレートが60Hz以上のモニターでプレイする場合、性能をいかんなく発揮することができるだろう。しかしグラフィック設定が「最高」かつ、画面解像度が3840×2160の「MAX 4K」においてはフレームレートが低下しており、30~40fpsほどにおさまってしまっている。

高難易度のアクションゲームだからこそfpsの低下を顕著に感じた側面もあるが、プレイしていても60fps時と比べカクカクと動きの重さ・飛び飛び感を感じざるを得なかった。特に③地点の多数の木々に囲まれながら、熊という大型の敵と戦う場面が一番PCに負担がかかりフレームレートが低下しているのがうかがえる。⑦地点のみ、ほかの検証場所と比べfpsが向上した結果になっているが、こちらは「曇り川の洞窟」という奥まった洞窟であり、ほか地点のひらけたロケーションと比較して描画処理が少なかったからではないかと考察する。オープンフィールドなゲームは広大な地形を扱う以上、処理が重くなりがちなケースが多いため、フレームレートが低下するのだろう。

「NEXTGEAR JG-A7G60」MAX 4K設定でのスクリーンショット

以上、検証結果を鑑みると「NEXTGEAR JG-A7G60」を使用した『エルデンリング』のプレイでは、設定を下げてスムーズなアクションを楽しむか、グラフィックを味わうためにfpsの低下を許容するか、どちらかを取るかのトレードオフとなってしまう。ただ先述したように今回検証対象だった『エルデンリング』は、オープンフィールドを採用した特にPCへの負担が大きいタイトルでもある。そのためアドベンチャーゲームやコマンドバトルRPGなど処理が重くないゲームをメインにプレイしたり、プレイヤー自らグラフィック設定を細かく調整したりするのであれば、「NEXTGEAR JG-A7G60」は安価なエントリーモデルとして輝いてくれるのではないだろうか。

『エルデンリング』を最大限に楽しむなら「G-Tune DG-I7G7S」

2台目は「G-Tune DG-I7G7S」(定価:税込29万9800円)で検証をおこなう。

主な仕様
・CPU:インテル Core i7-14700F プロセッサー
・グラフィックス:NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER
・メモリ標準容量:32GB (16GB×2 / デュアルチャネル)
・M.2 SSD:1TB (NVMe Gen4×4)

続いて「G-Tune DG-I7G7S」はマウスコンピューターの定番ゲーミングブランド「G-Tune」のモデルである。グラフィックスカード「NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER」発売に合わせて、2024年1月に販売開始をはじめた最新鋭の製品であり、そのスペックは折り紙付きだ。参考までに「GeForce RTX 4070 SUPER」のUL Solutionsが展開する3DMarkの統計スコアを確認すると“21048”、本稿1台目「NEXTGEAR JG-A7G60」搭載の「GeForce RTX 4060」の“10625”と比べると倍以上のスコアで、その卓越した性能が客観的にもわかるだろう。それでは実際に『エルデンリング』での検証では、どういった結果が出たのかを確認していく。検証結果は以下のとおり。

「LOW」や「HIGH」設定では「NEXTGEAR JG-A7G60」と同じく60fpsで安定しているが、注目したいのは「MAX 4K」の結果だ。「G-Tune DG-I7G7S」は画面解像度3840×2160でグラフィック設定が「最高」でも60fpsをキープしている。大型のボスである「飛竜アギール」や、1台目でもっともfpsが低下していた③地点という処理が重そうな場所でもなんなく動作しているのが見て取れる。地点によっては一瞬50fps台に下降することもあるが、ほぼフレームレートの最大値に張り付いていると言っていいだろう。

繰り返しになるが『エルデンリング』の魅力はアクションとグラフィックの2軸が存在する。アクションだけを楽しみたいなら設定を下げてfpsを安定させるのも手だが、そのためにグラフィックを犠牲にしてしまうのはもったいない。今回「MAX 4K」設定の検証をして感じたことは、グラフィックが綺麗だとこんなにも変わるのかという実感だ。

元々ハイクオリティな仕上がりであるため、ある程度設定で低く設定しても綺麗だと思えるだろう。だが「狭間の地」を流れる空気感や、木々や空を覆う黄金樹の光のゆらめき、手ごわいエネミーたちの肌や鱗の質感など、4K×最高設定でのプレイは明らかに没入感が違った。そしてその美麗な世界で繰り広げられる、滑らかでストレスのないアクションはグラフィック設定を下げたときの体験とは別物である。

「G-Tune DG-I7G7S」MAX 4K設定でのスクリーンショット

そのため「G-Tune DG-I7G7S」でアクションとグラフィックの両立を目指し、『エルデンリング』の魅力を味わい尽くすのをおすすめしたい。約10万円という価格差に悩む人もいるかと思うが、そういう時は自分がゲーミングPCを購入して、どんなゲームをプレイしたいのかというニーズに向き合って検討してみるとよいだろう。

以上、マウスコンピューターのゲーミングPC2種での動作検証をお届けした。本稿では『エルデンリング』本編の検証をおこなったが、DLC「SHADOW OF THE ERDTREE」発売にあわせて、ゲーミングPCへのデビューや新調を考えてみてはいかがだろうか。今回紹介した機種は以下の商品ページより購入が可能だ。

・NEXTGEAR JG-A7G60
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/gngear-jga7g60b6adcw101dec/

・G-Tune DG-I7G7S
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/ggtune-dgi7g7sb7adcw101dec/

マウスコンピューターのHPはこちら
https://www.mouse-jp.co.jp/

『エルデンリング』は、PC(Steam)/PlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに発売中。有料拡張コンテンツ「SHADOW OF THE ERDTREE」は6月21日に発売予定だ。

Yuuki Inoue
Yuuki Inoue

RPGとADVが好きなフリーのゲームライター。同人ノベルゲームは昔から追っているのでそこそこ詳しい。面白ければジャンル問わずなんでもプレイするのが信条。

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