『ストリートファイター6』新追加キャラ「舞」先行プレイ感想。なんでもできる“万能型キャラ”といっても過言ではない

この度弊誌は『ストリートファイター6』の新追加キャラである「舞」の先行試遊をする機会に恵まれた。本稿では舞試遊のプレイ感想をお届けする。

カプコンは2月5日、『ストリートファイター6』に向け、Year 2追加キャラクター第3弾「舞(不知火舞)」を配信する。このたび弊誌は「舞」実装に先駆け、先行体験できる機会に恵まれたため、プレイ感想をお届けする。なお試遊にあたり、技のフレームや性能について網羅的ではないことについては、あらかじめご了承いただきたい。

舞はSNKが手がける対戦格闘ゲーム『餓狼伝説』シリーズに登場するキャラクター。不知火流忍術の後継者で現役のくノ一であり、大きな扇子や炎を利用した戦闘スタイルが特徴だ。なお『ストリートファイター6』では『餓狼伝説』とのコラボキャラクターとして、すでに「テリー・ボガード」が参戦。舞はテリーに続いて2人目のコラボキャラクターとなる。本作における舞は一体どんなキャラクターなのか。筆者が試遊して確認した限りでは、“万能型”という印象を受けた。

幅広い立ち回りをもたらす多彩な技

まず舞の必殺技について確認する。舞は扇子を弾として放つ「花蝶扇」、対空技や無敵切り返し技としての用途がある「飛翔龍炎陣」を打つことができる。リュウ、ケンなどのような、いわゆる「道着キャラ」の要素を備えているわけだ。実戦では「道着キャラ」の例に漏れず、弾を打つことによって盤面をコントロールし、嫌がってジャンプした相手を対空技で落とす、“飛ばせて落とす”スタイルが強力だろう。

クラシック操作時
モダン操作時

ちなみに道着キャラは強烈な癖がなく、スタンダードな性能をしていることが特徴のひとつとされる傾向にある。とはいえ、『ストリートファイター6』で道着キャラと呼ばれるキャラはある程度の“色付け”がなされているように思える。たとえばケンは入れ替えや運びの性能に秀でているし、リュウであれば火力が魅力として挙げられるだろう。このように「道着キャラ」の特徴をそれぞれ鑑みたとき、舞の特徴は「取りうる選択肢の豊かさ」にありそうだ。

たとえば“飛ばせて落とす”の要である花蝶扇は全体の動作こそ大振りな印象を受けたが、相手を揺さぶる打ち分けのバリエーションは豊か。弱/中/強での速度の違いだけでなく、タメの有無によるタイミングのぶれや、跳ねた扇子による2段目の警戒も必要だ。試遊で筆者が体験した際には、「パリィを取ったから、ガードをしたから」と動き始め、跳ねた扇子に当たってしまう場面もあった。花蝶扇のタメ段階には注意を払いたい。

加えて突進技「必殺忍蜂」、そして空中から急降下する「ムササビの舞」を用い、中距離以遠から奇襲をかけるというスタイルも有効なように思われた。通常版ムササビの舞/必殺忍蜂ではダウンとなってしまうものの、OD版ムササビの舞/必殺忍蜂は追撃も可能で、コンボの火力を伸ばしたうえで、さらにラインを押すことができる。相手のしゃがみ中キックなどの技を読んで、上空から攻撃を叩きこむこともできるはずだ。

ただ試遊でムササビの舞を使った際には、それなりの硬直があるように見受けられた。動きを読まれた場合、ドライブインパクトも確定しかねないので、乱用には気をつけたい。逆に舞を相手取ったら、安易なムササビの舞にバックステップやガードなどからの反撃を意識することで戦いやすくなるかもしれない。

SAコマンド/クラシック操作時
特殊技/クラシック操作時

SAについてはそれぞれ独自の強みを持っているが、特に尖った部分を持っているのは1ゲージを消費するSA1だろう。ゲージが1本でよいので、ある程度は気楽に焔ストックを獲得できる。とはいえ、焔ストックがない状態のダメージが「低すぎる」とは感じず、焔ストックのために無理にSA1を使わなくてもよいのではないかと感じた。相手を運ぶSA2もあるため、状況によって臨機応変にSAを使うことが求められるだろう。ゲージの使い方の面でも、十分な選択肢が用意されているといえる。

ちなみに特殊技についてだが、ターゲットコンボが2つと、中段技が1つの計3つだ。ターゲットコンボはそれぞれ弱キック、強キックを続けて使う。連打癖があるプレイヤーは暴発に気をつけたい。中段技「扇骨打ち」のフレームは詳しくは検証できなかったものの、モーションが小さくまとまっていることもあり、ドライブラッシュからの選択肢として効果的だろう。ちなみに、本作でドライブインパクトをたまに返せる程度の筆者は、CPUとの対戦では舞の扇骨打ちに対して一度も立ちガードができなかった。舞実装直後のランクマッチでは普段以上に立ちガードを意識したい。

操作タイプを選ばない“幅広さ”

モダン操作/手動操作時の必殺技

ところで本作のモダン操作時には、使用するボタン数に対しコマンドが重複する都合上、いくつかの必殺技、特殊技が省かれてしまう。キャラクターによっては、コンボで使用する技や、使いたい強さ(弱/中/強)の必殺技が使えない状況もざらにある。一方舞については、立ち弱パンチ、立ち中パンチ、ジャンプ弱パンチ、ジャンプ中キック、ジャンプ強キックが出せず、必殺技については、「必殺忍蜂」の打ち分けができないのみと、使えなくなっている技は少ない。舞は特殊技やターゲットコンボが少ないこともあって、クラシックと使用感の違いがほぼない状態で使うことが可能だ。

これは何を意味するかというと、「モダン操作を継続して使用しやすい」ことを意味する。モダン操作は初心者層を中心に、幅広いランク帯で使用されているものの、やはりクラシック操作のプレイ人口の方が多い。つまりインターネット上で情報を拾おうとしたとき、同じキャラでもモダン操作は情報に乏しいわけだ。たとえばアシストコンボ以上のコンボを試そうとすると、モダン操作では出せない技がコンボレシピに含まれていた、という経験をしたプレイヤーもいるのではなかろうか。

しかしモダン操作で使える技が多いと、クラシック操作の情報が流用できる機会も増える。立ち弱パンチや立ち中パンチが今後のコンボ開拓によって重要な位置を占める技になる可能性もあるが、最大ダメージコンボや、いわゆる中足ラッシュコンボなどでは、格段困ることもなさそうに思える。そのため、情報の少なさで困ることも少なくなると筆者は考えている。操作タイプの違いがあっても使用に影響を及ぼしにくいという意味でも、“万能型”ということができるかもしれない。

舞は2024年6月に参戦が発表されてから、約8か月を経てついに実装されようとしている。発表当時から大きく話題となり続けた舞について、さまざまな理由から一度は使ってみたいという人も多くいるだろう。先行プレイをした身から、舞に興味のある人へ向けたメッセージとしては「気になったらぜひ触ってみるべき」ということだ。操作タイプから立ち回りまで、多様な選択を受け入れる懐と引き出しの広さを持った舞は、きっと多くのプレイヤーの期待に応えてくれるはずだ。

ストリートファイター6』Year 2追加キャラクター第3弾「舞(不知火舞)」は、2月5日配信予定だ。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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