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「スペインゲーム祭」の内容をお届け。『Denshattack!』に続く期待のスペイン産ゲーム展示から、小高和剛氏のスピーチまで
スペインのゲームメーカーが日本や世界のパブリッシャーと交流する機会を設ける「スペインゲーム祭」の模様をお伝えしたい。

スペイン貿易投資庁およびスペイン大使館の主催する招待制イベント「スペインゲーム祭」が、9月16日に東京・神田明神ホールで開催された。スペインゲーム祭はスペインのゲームメーカーが日本や世界のパブリッシャーと交流する機会を設けるビジネスネットワーキングイベントだ。ビジネス向けのイベントと聞くと堅苦しく感じられるかもしれないが、スペイン料理が振る舞われたり、スペインの名産ワインを飲むことができたりと、リラックスした雰囲気で行われるのが恒例のイベントとなっている。
本イベントには9月17日から開催されていた東京ゲームショウ2026(TGS2026)に「Games from Spain」として出展した企業や団体が多数参加した。本稿では、スペインによる「東京ゲームショウの前夜祭」というべき盛り上がりを見せたイベントの模様をお伝えしたい。

『Denshattack!』の成功とこれから注目のスペイン産ゲーム
イベントのオープニングステージには、駐日スペイン大使館経済商務部経済商務参事官のゴンサロ・ラモス氏が登壇した。ラモス氏によると、TGS2026の「Games from Spain」にはスペインから35の企業と団体が出展したそうだ。さらに、世界中の優れたインディーゲームを取り扱うTGSによる企画の「SELECTED INDIE 80」に、以下のスペインのゲーム6タイトルが選ばれたことを、うれしいニュースと表現した。

「日本とスペインゲームがつなぐ7年」と題された講演では、Shinyudenのルイス・ガルシア氏がイベントのこれまでの歩みを紹介。2019年に秋葉原UDXで初の交流会が行われたことを発端に、イベントが日本とスペインのゲーム業界をつなぐ大きなものへと成長したとコメントした。
ガルシア氏は、2025年のスペインゲーム祭で紹介された『Denshattack!(電車アタック)』が2026年に発売され、30万人のプレイヤーを獲得するヒット作となったことにも言及。同作はSteamで「圧倒的に好評」のステータスを獲得しているほか、PC版のメタスコアが2026年9月11日時点で88点を獲得していることなどを紹介した。『Denshattack!』は、近年において目覚ましい成果を残すスペインのゲームといえるかもしれない。


今後のスペインのゲームで注目すべきタイトルとしていくつか紹介されたが、そのなかではとりわけ『GOKUI』と呼ばれるタイトルが印象的だった。同作は異形の存在を治療していく一風変わったアクションゲームとなっており、スペインと日本の共同開発プロジェクトによるオリジナルのIPだ。日本のコンセプトアートスタジオであるWACHAJACKとスペインのデジタルアートスクールであるVOXEL SCHOOLが連携して『GOKUI』を開発している。
開発者自らが開発中のタイトルを紹介する「スペインゲーム会社ピッチ」では、12のタイトルが1タイトルにつき1分で紹介された。タイトルによっては開発がかなり進んでいるものも存在し、EF GAMESによるマルチプレイ向けのアクションレースゲームの『RIVALS HOVER LEAGUE』やLoadstarによる探索アドベンチャーゲームの『Stranded』などはスペインゲーム祭にも試遊コーナーが設けられていた。

『ダンガンロンパ』の小高和剛氏もステージに登壇
スペインゲーム祭のイベントVIPとして、トゥーキョーゲームス代表の小高和剛氏がオープニングステージに登壇した。小高氏は自身とスペインの関係性について、2025年にスペインのマドリードで開催されたポップカルチャーイベント「Japan Weekend Madrid 2025」に公式ゲストとして出演したことを紹介した。小高氏にとって同イベントは初めてスペインを訪れることになった機会だったが、おいしい食事や気候の良さからスペイン訪問はすばらしい体験になったという。小高氏はスペインでは昼間からお酒を飲んでいても怒られない雰囲気を感じたようで、素敵な国だとコメントして来場者の笑いを誘っていた。
小高氏は自身の代表作として『ダンガンロンパ』シリーズと『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』を紹介したが、それらがスペイン語には対応していないことが残念だと表明した。なお、『超探偵事件簿 レインコード』はスペイン語にも対応しているので、スペイン語で小高氏の作品を楽しみたい場合は、そちらのプレイを勧めていた。小高氏はほかのクリエイターたちと一緒に乾杯の音頭を取ったほか、閉会の挨拶にも再び登壇し、来場者への感謝を伝えていた。


開発中タイトルの試遊コーナーも展開
会場の一部は試遊スペースとなっており、開発中のゲームをプレイすることができる。本イベントはビジネスネットワーキングイベントであるため、開発中のゲームのパブリッシャーやローカライズ担当会社を探すという側面は強いものの、会場の雰囲気はフレンドリーなものだ。会場にいると試遊を勧められることが度々あったため、いくつかのゲームをプレイすることができた。
そのうちのひとつ『GOKUI』は、日本のプレイヤーにも馴染みやすいタイトルだったように思う。同作は異形の怪物たちを治療していくという独特なものとなっているが、どこか和の雰囲気を感じさせる世界観や3Dのアクションゲームとしてのプレイフィールは親しみやすさがあった。一般的な3Dアクションでは敵の弱点を攻撃していくが、『GOKUI』の場合は特定の部位に治療を施していくというものとなっている。たとえば、相手の背に治療すべき部位があるときは回り込む必要がある。倒すためではなく、治すための位置取りを追い求めるというのが新鮮な感覚だった。

未知の異星を探索する『Stranded』も、試遊して印象に残ったタイトルだ。同作は3Dのアドベンチャーゲームであるが、どのような生物や植物などが存在するのかをさまざまなツールを用いて解析していく、プレイフィールは独特だった。惑星のいたるところから聞こえてくる音をたどったり、視覚や聴覚といった五感を頼りにしたりして未知を解明していくという同作ならではの探索の喜びに満ちている。
『Stranded』は現在の段階では日本語に対応していない。そのため、探索に使うツールや探索で得られた知識については英語に詳しくないと完全に理解することは難しいだろう。もし日本語ローカライズに対応すれば、本作の世界観にさらに深く浸ることができそうだ。

今回出席したスペインゲーム祭を振り返ると、本イベントはゲームそのものだけでなく開発者やファンへの敬意が込められたものであると筆者は感じた。スペインのゲームを日本や世界へ展開していきたいという熱気がありながらも、『ダンガンロンパ』を生み出した小高氏をはじめとしたクリエイターへの敬意を忘れることはない。スペインゲーム祭はそのことを確認する場として洗練されており、参加者すべてがひとりのゲームファンとしてイベントを楽しんでいることが伝わってきた。
スペインゲーム祭はビジネスの場でありながらも、ゲームを楽しむという雰囲気に満ちたイベントだ。東京ゲームショウ2027は、2027年9月16日から9月20日に開催することが発表された。例年どおりならば「Games from Spain」も次回のTGSに出展されるはずなので、スペイン発の新たな魅力あふれるタイトルに期待しよう。
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