マーベラスの新RPG『エターナルアニマ』先行プレイ感想。本作のバトルは長考不可避、先読み×タイムラインのド頭脳バトルで「最良の結果」を追い求め時間を費やす

王道のスタイルながら、バトルはターンごとの敵の行動とその結果が常に予測表示される「未来予測」を始めとした独自要素を多々採り入れた個性的なものになっている。

マーベラスは9月9日、Nintendo Switch 2/PS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)向け新作RPG『ETERNAL ANIMA(エターナルアニマ)』を発表した。2027年3月4日の発売を予定しており、価格は通常版がパッケージ版・ダウンロード版ともに税込7678円、デジタルデラックスエディションが税込8778円だ。

本作は物体に宿る記憶を読み取る異能「読思術(どくしじゅつ)」を持つ主人公「ウェイド」となり、現代と過去を行き来しながら、隠された歴史の真実や「受け継がれる叡智」「受け継ぐことの意味」と向き合っていく「時代をつなぐ“継承”のJRPG」だ。

RPGとしての作りはストーリーに沿ってマップの探索や敵との戦いをこなしていく王道のスタイルながら、バトルはターンごとの敵の行動とその結果が常に予測表示される「未来予測」を始めとした独自要素を多々採り入れた個性的なものになっている。各地に残された持ち主の思いや記憶を読み取って新しい「ジョブ」や「スキル」を獲得する「叡智継承」なる要素もバトルに並ぶ特色のひとつだ。

本作は2023年に「PROJECT LIFE is RPG」の名で発表され(プレスリリース)、約3年ほどの長き沈黙を経て突如、その姿を明かした。

そうした経緯もあって、主にシステム周りは断片的な情報の公開に留まっていた感じだが、弊誌はこのたび、マーベラス本社にて本作を先行体験できる機会に恵まれ、件のバトルシステムを始めとする特徴的な要素の実態や遊び心地を確かめることができた。しかも没頭しすぎたあまり、いつの間にか“ゾーン”に突入してしまい、試遊時間の終了にまったく気づかず遊び続けてしまうという稀有な体験(?)までするに至った。

その想定外の没入感に飲まれた経緯も交えつつ、本作がいかなる特色と見所を持ったRPGであったのかをお伝えしていこう。

基本は王道JRPG。バトルは最良の結果を探りに探る戦略性マシマシの作り

最初に本作の概要を触れておこう。本作は俯瞰視点のフィールドマップを探索したり、敵との戦闘(バトル)をこなしながらストーリーを追っていく正統派のRPG……もとい、JRPGである。

作中の舞台となる世界「グラステラ」は各大陸全体を俯瞰した広域マップと、村やダンジョンなどの局地マップの2種類で構成。それぞれをストーリーに沿って移動したり、探索したりしていくのが基本の遊び方となる。いかにもJRPGらしいゲームデザイン、といった趣である。

対照的にバトルシステムに関しては、意欲的な試みと独自の仕様が異彩を放つ仕上がりだ。バトルは局地マップ内で徘徊する敵のシンボルに接触すると同時に発生。画面構成はサイドビューで、左側に敵、右側に最大4名のパーティメンバーたちが並ぶ。

進行もJRPGとしては伝統のターン制だが、最初にパーティメンバー全員分の行動を決め、一通り選び終えたら実行に移す(それに合わせて敵が行動する)という、いわゆる「往復型」の仕組みで展開される。行動の順序もプレイヤーが自由に選択可能。ほかの仲間を先に行動させ、その後に主人公のウェイドが続くという流れを組み立てることができる。

そして戦闘中では、行動実行時に敵がどう行動し、それによってどんな結果になるのかがメンバーごとに常時表示。具体的には受けるダメージの量、状態異常の有無といった情報がすべて可視化されるようになっているのだ。この予測結果は、パーティメンバーの行動を決める際に選んだ攻撃(スキル)といったコマンドの種類に応じて変動する。

そのため、適切な行動に当たるコマンドを選べば次に受けるダメージの量が減ったり、最良時にはノーダメージという結果を導き出せたりもする。こういった予測される結果を可能な限り良いものにするための戦術を探り、時には多少の妥協も覚悟の上で決断していくというのがバトルにおける勝利の鍵であると同時に、醍醐味となっている。

予測結果に関しては、ダメージ量など以外に順序も画面中央下部に設けられた「タイムライン」で可視化される。このタイムライン上の順序もプレイヤーの選んだコマンドの種類に応じて変化。基本的にはスキルごとに設定された「発動速度」の値が低いほど先制できるチャンスが大きくなる感じだ。しかも、先制攻撃が実現すれば敵に与えるダメージが倍になるクリティカル攻撃が確定発動するボーナス付きである。積極的に狙っていくことが推奨されるのは言うまでもない。

さらに敵にはそれぞれ弱点に当たる属性も設定されていて、これも戦闘中にアイコンで可視化される。その弱点のアイコンと共通する属性のスキルによる攻撃を当てることができれば敵の行動を遅らせる「ディレイ」が発生する。

ディレイを発生させるとタイムライン上にいる該当の敵アイコンは後ろ(右側)へ後退。そのまま同じ敵に連続してディレイが発生する弱点属性の攻撃を仕掛けていくと、敵のアイコンはタイムライン上の右端から脱落。そのまま「ブレイク」状態になるのだ。

ブレイク状態になった敵はそのターン中の行動が一切不可能(キャンセル)に。隙だらけになるため、そのまま連続ダメージを与える好機になる。パーティメンバー全員に致命傷を与えかねない攻撃を阻止する際にも、ブレイクは重要な役割を果たす。さながら最大のチャンスを生むと同時に危機の回避にも繋がる一撃とも言える感じで、バトル全体にスリルと爽快感を提供する要素となっている。

ほかにもバトルには前列と後列の概念、攻撃するたびに溜まっていく「BP」を活用した一時的なスキル強化、主人公ウェイド専用の属性の異なる攻撃への変更と実行を可能にする「ジョブ」の切り替えなどの独自要素が存在。

「ジョブ」に関しては複数の種類が用意されているのに加えて、その入手方法もマップ内に置かれた英雄たちの遺産を「読思術」で読み取るという、探索を兼ねたものになっている。ちなみに「読思術」による読み取りではジョブ以外に、新しいスキルを獲得できることもある。

このように本作はバトルシステムの個性を突き詰めた作りをしており、遊び心地は王道のJRPGながらも独自の戦略性と、それについて考える面白さを凝縮した内容にまとめられている。常に次のターンで起きる結果を想定し、決断していくことが要求されるのもあって、思いのほか骨太で、試行錯誤のし甲斐もバツグンな遊び応えである。

最良の結果を追求する思考に次ぐ思考が“ゾーン”へと誘う

このバトルシステムを実際に体験して感じたのは、圧倒的な没入感である。言い換えれば中毒性。考え始めると同時にゾーンに突入し、周囲に意識が向かなくなる。

今回の試遊では雑魚敵との戦いのほか、ボスとの戦いも体験できたのだが、そのボス戦で筆者はゾーン突入の状態になってしまった。その結果、試遊時間が終了したとの会場内でのアナウンスにまったく気付かずゲームを続け、マーベラス関係者に声をかけられて初めてその事実に気づいたほどだった(その節はお手数をおかけしました……)。ちなみにそこまで没入しながらも、肝心のボスは倒しきれず、当日の試遊は終わった。無念でゴザる。

これほどの没入感を生むのも、長考に見合う大きなリターンが用意されているのが大きい印象だ。先制攻撃すれば確定発動するクリティカル攻撃、敵の行動を遅らせる「ディレイ」と、それを重ねた果てにある「ブレイク」。いずれも狙うなりの価値が大きいのもあって、自然に狙いにいきたくなる。特にブレイクを決められた時の嬉しさと達成感は格別。連続ダメージを与える好機を作れるのみならず、主力メンバーの余力を残したり、脱落を防ぐ結果にも繋がるため、バトル全体にアクセントを与える要素として効果的に機能している。

視覚的な分かりやすさへのこだわりにも光るものを感じた。予測結果はすべてアイコンで示され、受けるダメージも数値ではなく、ゲージの増減で表現されるため、致命度合いがひと目で把握できる。ディレイを重ねると敵がタイムラインから脱落してブレイクになるという仕組みにも絵的な納得感があり、敵をジリジリと追い詰めては大ピンチに陥れる過程には、このシステムならではの楽しさがある。

それでいて、こちらの想定を崩す仕掛けや展開が用意されているのも面白い。ディレイは弱点属性を突くと発生するという仕組みから、「毎ターン弱点を突き続ければ一方的な勝利をつかめそう!」と考えるだろう。

ところが敵は時折、弱点属性を一時的に封じる行動(弱点警戒)でディレイ対策を仕掛けてくる。これは雑魚敵のみならずボスも同じで、時々、見直しの必要に迫られることがあるのだ。加えて弱点を突くのに用いるスキルは、種類によってはMPを消費するため、それらを無計画に使い過ぎるとMPが枯渇して出せなくなり、絶好の機会を見送らざるを得ない判断を強いられたりもする。

一応、MP自体はアイテムによる回復は図れるものの、継続的に使うならばある程度、先の展開を見越して使う必要がある。ちなみに戦闘終了時に体力(HP)とMPが全快するような救済措置はない。それもあって、戦闘が終わった後のMPの残量にも気を配る必要がある。

こうした工夫もあって、一方的な展開にはなりにくく、一筋縄ではいかないバランスとなっている。状況によっては、最悪の予測結果が判明しているなかで、それを受け入れざるを得ないこともある。その時の悔しさは結構なものだ。

ただ、もっと先のことを考えていれば防げたという、納得感が出るところは本作特有の見所とも言える。そもそも、本作はランダム要素がほとんど省かれているので、戦闘時に出る結果は、基本的にプレイヤーの試行錯誤の果てに導き出されたものとなる。最悪の予想結果すら、想定されたものになるのだ。

この公平性をにじませたバランスは、まさに本作随一の魅力と言ってもいいかもしれない。それに常に最良の結果を得られるわけではないからこそ、組み立てた戦略が決まったときの快感は格別で、さらに良い結果を目指す意欲も強く刺激される。

筆者もまさにその意欲に駆られてゾーンに入り、周囲が見えなくなってしまった。特にボス戦はこのシステムとバランスの真髄が存分に発揮される場面で、同じ状態に陥る人は少なくないはずだ。それほどまでに、ターンごとの一手を考える過程が面白く、没入感が高い。

ゆえにこれから本作をプレイする機会が得られた人に向けては、ボス戦は時間に余裕のあるときに挑むようにと助言しておきたい。さもなくば、重要な予定に出遅れるとか、仕事の進捗が鈍る……みたいな悲劇を見るかもしれない。

難易度にも触れておこう。基本的に雑魚敵とは程よく易しく、ボス戦は毎ターン適切な行動を選ばなければ窮地に陥る、メリハリの利いたバランスだった。難易度は複数用意されており、今回は標準の「ノーマル」でプレイし、ここまでの内容もそれを前提としている。ほかにもストーリーを重点的に楽しみたい人向けの易しい難易度に加え、戦略を極限まで練りたい人向けの高難易度も用意されているという。特に高難易度は、システムの特性上、シミュレーションゲームやカードゲームが好きな人にも刺さるかもしれない。

長考による時間を挟みやすい作りもあって、バトル全体のテンポも気になるところだが、早送り機能はデフォルトで備わっている。早送りなしでも(筆者の印象としては)極端にテンポが悪いとは感じる瞬間はなく、過度なストレスなく楽しめる感じだ。

ただ、繰り返しになるが、本当にゾーンに入るほど集中すると周囲の時間が分からなくなるほど没頭してしまうため、プレイ時間や状況には注意したい。

本作はNintendo Switch 2向けにも発売されるが、携帯モードで遊べば、ゾーン突入の危険性はおそらく劇的に高まるだろう。電車の中でボス戦に挑めば、降りる駅を乗り過ごすのは確実だ。もしも本作のNintendo Switch 2版の購入を検討されているのならば、あらかじめそうなる未来の予測結果を脳内に表示した上でプレイするのがいいだろう。

バトル重視、もしくはシステム重視派のRPG好きなら刺さりそう

ここまでバトルを中心に取り上げたが、マップの探索については今回の試遊範囲に限ると、可もなく不可もなくという印象に留まった。本作のストーリーにおけるテーマである過去と現代を行き来する展開も体験できなかったため、それにちなんだ探索の仕掛けの有無については、製品版で確かめる必要がありそうだ。

ただ、探索中に行き先が分からず右往左往し、進行テンポが乱れるようなことはなかった。ミニマップ機能と次の目的地を示すアイコンが表示されるという、現代のゲームらしい工夫が凝らされていたのが大きい。

ダンジョンの規模も大きすぎず小さすぎずで、ちょうどいいボリューム感だった。ほかに規模の大きなダンジョンが用意されている可能性はあるが、今回体験したダンジョンの規模を基準に、多少広げる程度に収めればいいバランスになりそうだ。

しかしながら、広域マップもそうだが移動中の速度が若干遅めだったのは気になった。走る動作も確認できなかったため、製品版も同様の仕組みになるのかが注目される。

ストーリーもマップ探索同様、現代と過去を行き来する展開はなかった関係で多くは語れない。それでも、「読思術」で英雄の遺産を読み取ると、その英雄のバックストーリーがノベルゲーム風の演出で語られる仕掛けは、掘り下げの深い内容も相まって興味深かった。

試遊中に入手できた遺産は、ストーリー進行上必ず手に入るものがほとんどだったが、進行に必須ではない遺産や、そこでしか読めない物語が用意されているのかは気になるところだ。もしあれば、収集意欲を刺激する要素になりそうで楽しみである。

RPGとしての手触りや雰囲気は、まさに王道のJRPGといった趣。対し、バトルシステムは本作でしか味わえない体験が凝縮されており、これを目当てに遊んでも十分な満足感が得られそうだ。何より、没入しすぎたときのゾーンに入る感覚は相当なもので、試遊終了時間を過ぎていたことに気づかなかった筆者は、恐怖すら覚えた。ある意味、この日いちばんの恐怖体験だったと言ってもいい。

主にRPGにバトルの面白さと手応えを求める人や、システム周りの個性を求める人には非常に刺さりやすい作品との印象だ。製品版の発売まではまだまだ時間があるが、もし体験版が配信されるなど、直接確かめられる機会があれば、ぜひチェックしてみていただきたい。バトル中、無意識にゾーンに入って飲まれる恐ろしさをきっと思い知らされる……はず。

『ETERNAL ANIMA(エターナルアニマ)』は、Nintendo Switch 2/PS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)向けに2027年3月4日発売予定だ。

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2D&3Dアクションと手ごわいストラテジーが大好物の人。積みゲーが一向に減っていかない呪いに悩まされています。

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