『カービィのエアライダー』で求められる動体視力。『ムーンライター2』は前作の3倍面白い。『ハイマー2000』はAI系ゲームでストーリーが良き。今週のゲーミング
Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。519回目です。

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。519回目です。調子が悪ければ病院へいきましょう。
なりふり構わぬ

『Neon Abyss 2』をたまにプレイしています。少し前にDLC「Archenemy Returns」が配信され、前作に登場したボス全34体がまとめて復刻されて一気にボリュームアップしました。攻撃パターンやビジュアルはアップデートされている。本作は、リリース直後にユーザーレビューで「賛否両論」となり、人気だった前作のバランスに寄せる調整が繰り返されていますが、これまでロックされていた扉が今回アクセスできるようになったことから察するに、このDLC自体は当初から計画されていたようです。ただ、早期アクセス期間中は無料とされたことも計画どおりだったかは不明。
このDLCにあわせて大型アップデートも配信されており、前作の武器がいくつも復刻され、さらに多数の武器やアイテムについてアッパー調整がまた実施されました。それはそれで好ましいけれど、続編としての個性を伸ばす方向性ももっと期待したいところです。
by. Taijiro Yamanaka
「犯人はヤス」「え?」

『ハイマー2000』をプレイしました。設定からしておもしろそうだと思い、気がついたときにはカートの中にありました。たぶん自立して動いてます。自然な会話をして進めていくゲームというと、AIヤスが話題になった2023年リリースの『SQUARE ENIX AI Tech Preview: THE PORTOPIA SERIAL MURDER CASE』を思い出しました。が、最重要とも言える自然言語生成の機能がまだ発展途上の技術ということもあって削除された状態でしたから、そこにいたのは相棒ヤスというよりは、相棒ロボ・ヤスでした。あちらもアプデを楽しみにはしているんですけどね。
ではハイマーはどうかと言うと、こちらも自然な会話はできるようで、できませんでした。会話が自然になることもありますが、プレイヤーの任務進行状況に合わせて、特定のキーワードに反応して決められた応対をするといった印象。しかしすばらしいのは、そうした状態である理由が、廃墟のAIであるゆえに機能制限された状態で稼働していると、物語の中でサラッと説明されていることでしょう。本来であれば自然なやり取りをできていたはずのハイマーが、かろうじて起動してぎこちなく動き続けている。AIとの成り立たない会話そのものを、物寂しさを漂わせる演出として使ってしまう。この一点だけでも拍手したいくらいですが、全体のストーリーも描写も最高の作品でした。
by. Naoto Morooka
“思い出補正”じゃなかった

『カービィのエアライダー』をプレイしていました。『エアライド』は軽く遊んでおり、子供の時分における印象深いタイトルとして記憶に残っています。ただ最近はまったくプレイしていないという状況。そのため本作発表時には、SNSでもたまに見られるような、「隣り合って一緒に遊んでいた経験が特に楽しかっただけ」という、いわゆる“思い出補正”がかかっているのではないかという懸念も少しはあったわけです。
しかし、いざリリースされ『エアライダー』を遊ぶとまったくそんなことはなく、色褪せなさに驚きました。強烈な個性を持つマシンには新たな顔ぶれが加わり、さらにキャラとの組み合わせによって“カスタマイズ性”が増した。ほかにはコース、フィールド、バトルのルールも増加。16人までプレイ可能なシティトライアルでは、いつどこで“事故”や“事件”が起こってもおかしくない。そうした予測不可能な面白さや化学反応が、本作で磨きがかかった部分かなと思っています。
ちなみにあえて昔から変わった部分をあげるとするなら、ゲームスピードに目が追い付かなくなってきたことでしょうか。特にロードトリップやシティトライアルで強化が進むと、高機動なマシンが今どう動いているのか把握しきれず、爆速のスピード感についていけないことも稀にある。この衰えは“思い出補正”だと嬉しいのですが。
by. Kosuke Takenaka
物量に飲まれる

『風燕伝:Where Winds Meet』をプレイしていました。本作は基本プレイ無料のオープンワールドアクションゲームですが、課金要素はほぼ装飾アイテムのみ。無課金でも攻略が難しくなる心配がなく、気軽に進められるゲームです。リッチなグラフィックも特徴で、絵作りは『ゴースト・オブ』シリーズ風。戦闘は『SEKIRO』風味の弾き要素がありつつもカジュアルなバランスです。いずれも上質にまとまっていて、これが無料で遊べるのは凄い時代。
とはいえゲームの流れは基本プレイ無料オープンワールドゲームとしてオーソドックスで、『原神』の天然樹脂のようなスタミナ制の周回系要素もあります。サブクエストや読み物など膨大なテキストで形作られた世界観が持ち味となる反面、中国発基本プレイ無料大型ゲームあるあるですが、やはり内容が頭に入りづらい部分があるのは気になっています。翻訳自体は自然な方ですが、人名・地名が中国語由来で覚えるのが難しかったり、文章ごとにニュアンスがやや変わったりと読みにくめ。歩いているだけで次から次へと何かしら起こる高密度なゲームなので、テキストを読み込んでいると別のテキストがなだれ込んでくる……といったことも割と多いです。
せっかく用意された物量を捌ききれないもどかしさもありますが、この規模のゲームを課金圧なく気軽に続けられるのはやっぱり魅力。のんびり改善も待ちながらつまみ食いで遊び続けることになりそうです。
by. Hideaki Fujiwara
別ゲーにもほどがある

『ムーンライター2(Moonlighter 2)』をプレイしています。10時間プレイしましたが、前作の3倍ぐらい面白いです。とはいっても、自分は前作はコンセプトや雰囲気は好んでいたのですがゲームとしてはあんまり面白くなかったという評価だったのもあり(リリース初期プレイ)、その分3倍面白く感じるわけです。
前作が2Dで今作は3D。システムは変わらず昼ショップ経営に夜ダンジョン探索と、いつ寝てるんだウィルお前、という流れ。戦闘がめちゃくちゃテクニカルになったことで面白さがテコ入れされてます。前作の戦闘は2Dゼルダアクションを重くした……程度にビルド幅もなく、探索戦闘あんまり面白くなくて。今作は、3Dアクションとして新生されていて、近接遠距離カバンアタックなど、駆け引き要素が強くて、かつ被弾リスクが高い。『Hades』っぽくなっている……という雑かもですが、そんな系譜です。戦闘を楽しくして解決。
探索もパワーアップしていて、探索中アイテム価値上げる要素多いし。ショップパートはまだやや単調ですがパークとか混ぜて利益底上げするのも面白い。「前作の反省フルパッケージ」みたいなゲームです。単に3Dにしただけでなく、ちゃんと面白さの研究をしてそれを盛り込んだ気合を感じます。というか中の人別人なのでは?と思うレベル。緊張感が面白さになってる反面難しさも上がり気味。まったりゲーとしては向いてませんが、前作よりはるかに面白いし、早期アクセスなので今後どんどんよくなると思うのでおすすめです。
by. Ayuo Kawase




