『キングダムカム・デリバランス2』で失敗だらけ。『トライブナイン』だいぶ面白くなってきた。『さいはて駅』は男性こそ遊んでほしい。今週のゲーミング

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。484回目です。いつ寒くならなくなりますか。
毒盛りアプデ

今週は、ローグライククレーンゲーム『ダンジョンクロウラー幸運ウサギと魔法の爪』に大型アプデが配信。本作の難易度システムがあまり機能していないと先週書きましたが、さっそくテコ入れされました。難易度を1段階上げるごとに、自キャラのデバフや敵の強化が追加される仕組みはそのままに、計4段階から20段階に拡張。これまでの比ではないくらい難しくできるようにして対処したかたちです。強引ですがこれはこれで良いかもしれない。
また、状態異常である毒の扱いに強みを持つプレイアブルキャラも追加されました。毒関連のアイテムなどの追加も実施されており、単純に敵に毒を与えるだけでなく、毒をたっぷり盛ってから使用すると強力なものも。毒により特化したプレイを楽しめるようになった。これまで毒要素はちょっと地味な存在だったため、こちらもテコ入れが必要だと判断されたのでしょう。キャラデザも良いし、しばらく試してみようと思います。
by. Taijiro Yamanaka
ちゃんと甘いけど甘すぎない

今週は『アサシン クリード ミラージュ』を空き時間にこつこつとプレイしていました。最新作『アサシン クリード シャドウズ』の発売日が数日後に迫っているということで、このタイミングで前作を遊んでおきたかったというわけです。今度の作品は発売前からそれなりに批判を浴びていますが、個人的には良いところも探していきたいなと思っています。
本作を遊んで最初に感じたのは、システム面のバランスがなんとも絶妙であるという点でした。たとえばパルクールの仕様。壁の出っ張りやロープなど、しっかりとオブジェクトがある場所でないと登れませんが、スタミナ制限などはないためストレスフリー。常にうきうきしながら移動を楽しんでいます。また一撃で敵を倒せるステルスキルに関しても、ゲームバランスが崩壊するほどではなさそう。むしろ、複数人を相手にした戦闘が結構ハードなので積極的に使いたくなります。便利すぎて「え、いいんですか?」と感じてしまわないぐらいの、程よい塩梅の親切設計がなんとも心に染みました。
グラフィックに関しても大満足。砂色で満ちたバグダッドの街並みに陰影が映え、乾燥地帯がこんなにも美しい景色になるのかと感動しました。ストーリーは比較的短めと聞いているので、まずはクリアを目指して自由に楽しんでまいります。
by. Shion Kaneko
愛し合う2人はいつも一緒、それが何より幸せだ

『さいはて駅』をプレイしていました。ブロマンスと銘打たれていたので、もっと女性向けの作品かと思いながら手をつけてみたんですが、いざ始めてみれば男女問わず楽しめる内容でした。ブロマンス表記はいわゆるアレルギー表示みたいなものです。「男同士って設定だけで無理!」という人に無理強いするものではありませんが、それほどでもなければオススメできますね。
ゲームとして難しく感じた部分はなかったので、探索アドベンチャーというよりはゲームという表現形態を取ったインタラクティブな映画を見ているような気分でした。ところどころ回想や幻覚が挟まっても話がわかりにくくなることなく、むしろ非現実感が際立って惹き込まれます。スクリーンショットにはなごやかなシーンを選んでみましたが、この後2人は激重感情の濁流の中であんなことをしたり、こんなことをされたりするわけで……。スチルや立ち絵差分をふんだんに使った演出も相まって最高でした。
個人的には男性にこそ味わってみて欲しい作品です。身体の下半分に存在する「もう一つの思考器官」に影響されず、純粋に情動や内面の描写を楽しめますから。あぁでも、最近は女性でも心に立派なモノを屹立させ、ファントムペインならぬファントムエレクチオンできる方は、けっこうお見かけしますね。個と個の関係性を思うとき、性など考えるのは無粋なのかもしれません。
by. Naoto Morooka
一切皆苦

アップデートが来た機会に『キングダムカム・デリバランス2』のプレイを再開しました。アプデ前を含めて結構な時間プレイしましたが、失敗続きで無駄な寄り道も多く大して進んでいません。
というのも本作には失敗を誘発する要素がやたらと多いです。会話の相手を説得できないことは多発しますし、戦闘中に大事な装備が壊れたり、こっそり盗みに成功したと思ったら現場で一度顔を見られていただけで通報されたり。また前作より緩和されたもののセーブ手段も限られていて、気軽にセーブしづらいゆえに失敗を受け入れざるを得ない場面も発生しがちです。
そうして遊んでいると、失敗しても気にならなくなっていくのが本作の面白いところ。筆者は慎重派なので、当初は不安な場面に差し掛かったら終了時セーブを利用していちいちゲームを再起動して遊んでいましたし、効率よくプレイするために非公式Modで無制限にセーブできるようにするかどうかの葛藤もありました。でも失敗をいちいち気にしていたらキリがないので、今はもう完璧に遊ぼうという気張りは消えました。
ストーリーやイベントで描かれる中世の人の大らかな生き様を見つつ、自分も肩肘張らずにプレイする。ゲームシステムに目新しさはなく不便なところも多い本作が妙に癖になるのは、思い通りにならないことに寛容になっていく心地よさにある気がしています。
by. Hideaki Fujiwara
トライブナイン、理解した

大作ラッシュにもかかわらず、『トライブナイン』をやり続けてます。2章が終わりエンドコンテンツ突入、厳選などもしており、だいたい理解しました。このゲーム、かなり面白いと思うと同時に説明が難しい。「売り切り型アクションRPG」みたいな面白さが強いです。つまり、『テイルズオブ』とか『スターオーシャン』みたいな方向で面白いゲームなのかなと思います。『ゼンゼロ』というより国産アクションRPG感。
理由としては、ストーリー→探索→戦闘のループに楽しさ感じるからです。特に探索のマップレベルデザインが結構好き。報酬のバランス、ギミックの温度感、マッピングの楽しさ。ここらへんの安定感はJRPGっぽい。合間に派手目なアクションバトルがあり、その先にわかりやすめのストーリーがあり。と考えると、やはり楽しさのベクトルは『テイルズオブ』とかそっちだなと。ソーシャルゲーム的な育成要素もエンドコンテンツもしっかりあるのですが、整理されていない印象でここらへんは粗っぽめ。全体的に『ゼンゼロ』とはベクトルがやや違っていて、そこを期待すると期待に沿えないのも納得。
基本プレイ無料なのですがプレイフィールは売り切りアクションRPGっぽい。ソーシャル要素はまだまだラフ。戦闘は重め、難易度はボスは難しめでここも気に入ってるのですが、死にゲーでもない。と考えるとかなり不思議なゲームです。めっちゃ面白いですが言語化しづらい。いろんな要素があって何かに似てるけど何にも似てない。「国産アクションRPGぽい」というのが一番期待に沿えそうな例えかな……と思いつつ、しっくりこない。そんな不思議なゲームです。
by. Ayuo Kawase