『エルデンリング』DLCが本当に良かった。『8番出口VR』はホラー的にもちょうどよかった。高自由度ノベルゲー『Inverted Angel』は読み応えあり。今週のゲーミング


Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。449目です。影探しがち。

ボールの当たる音が心地良い


今週は『POOOOL』を少しプレイ。『スイカゲーム』とビリヤードを組み合わせたような物理パズルゲームです。さまざまな大きさ・色のボールがランダムで供給され、それを打っては次のボールを打つことを繰り返し、同じボール同士がぶつかると一段階大きな1つのボールに変化して、その際にスコアが入る。ボールは11段階の大きさがあり、最大のボール同士がぶつかると消えます。

ボールを打つ際は方向と強さを操作し、また別のボールに当てて狙った方向へ飛ばすといったテクニックも使用でき、この辺りはまさにビリヤードゲーム風。上手くボールをくっつけられずにいるとフィールド内がギュウギュウになっていって、最終的にはゲームオーバーに。ただボールが増えると、適当に強く打ってゴチャッとさせれば偶然くっつくことも増え、まあまあ窮地を脱することができる。数ある『スイカゲーム』ライクな作品の中では、ちょっとユニークな作品だと感じました。
by. Taijiro Yamanaka


自称彼女の正体を探るべく


今週は、『Inverted Angel』を遊んでいました。本作は、突然部屋にやってきた恋人を名乗る見知らぬ女性の正体を推測していく、ノベルADVです。彼女は恋人を自称しており、主人公のことをいろいろと知っています。しかし主人公には彼女に関する記憶がないなど、恋人だと仮定するとおかしな点も多数存在。彼女は果たして恋人なのか、ストーカーなのか、あるいはもっとほかの何かなのか。プレイヤーの引っかかった疑問や考えた仮定によってストーリーが分岐し、見知らぬ彼女とのさまざまな顛末が描かれていきます。

本作では、プレイヤーが自由入力した内容をAIがニュアンスで捉え、正誤の判定やルート分岐がおこなわれます。シーンによってはかなり意図を拾ってくれるので、断片的で曖昧な答えでも先へ進行可能です。一方、判定がシビアなシーンも存在。近い意味の文章ではダメでも言い回しを変えると通るなど、的確な推理を求められる場合もあります。見知らぬ女性と、AI双方の気難しい部分とも向き合えるプレイヤー向けと言えるでしょうか。単に気難しい作品というわけではなく、突然押しかけてきた自称恋人の言動には、多数の魅力的な謎が存在。解釈次第で分岐するシナリオは幅があり、テーマもしっかりしていて、読み応えのある内容になっています。個人的には、ちょっと不思議で地に足の付いた、平和なチーズケーキが好みでした。
by. Keiichi Yokoyama

バーチャル・リアリティ・おじさん体験


『8番出口VR』をMeta Quest 2でプレイしました。本作は言わずと知れたコタケクリエイトの間違い探しホラーゲーム『8番出口』のVRバージョンです。

VRとホラーは相性がいい、と巷ではよく言われがちな印象があるのですが、個人的にはVRホラー自体あんまり得意じゃなかったりします。逃げ場のない目の前にホラー演出が出てきたらそりゃ怖いだろうという感想で、ジャンプスケアで怖がらせてきたりするタイプのホラーゲームをVRでプレイするのはかなり苦手。途中で投げだしたりしてしまうタイプなのですが、『8番出口』なら丁度いい塩梅かなと思ってプレイしてみました。実際、没入感もあって異変たちはオリジナル版よりも怖く感じるものの、注意深く進めば気づける異変やじんわりと怖がらせてくるものが多いので途中で無理!とはならず、楽しみながらプレイできました。ゲームテンポもゆっくり目であまり激しい視点移動をしなくてよいのもVR初心者向きで、総じてオリジナル版の良さを順当に生かした仕上がりとなっている印象でした。異変もちょっぴり増えています。

そして本作の大きな魅力として、『8番出口』のアイドル、“おじさん”にVRで会うことができます。ちょっとしたインタラクションも可能で、ちょっとつつくとスマホを落としたりしてしまうチャーミングな一面も見られるのがうれしい(申し訳ない気持ちも少し)。おじさんと目線が合うとドキッとします。おじさんとの蜜月を心ゆくまで味わいたいファンにもおすすめの一本となっています。
by. Jun Namba


ホロウより愛をこめて


『ゼンレスゾーンゼロ』を遊んでいました。昨年実施のベータ「吸音テスト」には参加していたのですが、それ以来は特に触れる機会がありませんでした。なので、状態異常ゲージが追加されていたり、零号ホロウ関係のシステムが追加されていたりと、細かなところが結構進化していて驚きました。薄々予想もしていましたが凸のシステムも増えており、たいへん。

一通りメインストーリーを終わらせた感想としては、重めの背景もありつつも軽妙な話の流れが良い。爽快なアクションと相まってコミックス的な雰囲気が重視されている感じがある。たびたび話題になるモーションも、ディズニーやピクサーなどのように動きが豊かで、流石の表現力といったところでしょうか。

ちなみに現状では、凍結が強そうなので蒼角をメインの状態異常担当にしつつパーティを組んでいます。とはいえ属性も陣営もいまいち揃っていないので、凍結メイン構成はエレンを引くまでお預けになりそう。できればほかのヴィクトリア家政メンバーを組み込みたいところ。ただパイパーとルーシー、そして猫又が手許に居るので、先にこちらで組んでもいいのかもしれない。どちらにせよ育成のために、しばらくはホロウにひたすら潜ることとなりそうです。
by. Kosuke Takenaka


さみしさ


『エルデンリング』DLCクリアしました。要素は網羅して、だいたい40時間ぐらい遊んだ気がします。『エルデンリング1.5』という感じでしたが、本編よりも思いやりがそこそこある感じで、それでいて本編の良さもでており、個人的にはめちゃくちゃいい体験でした。賛否両論あるラスボスについても、もともと盾主体なこともあり、割と理不尽さ感じる前に撃破。達成感よりも終わってしまった寂しさが勝つぐらいには、好きでした。

以前にも書いたようにDLCは、本編で結構あった嫌がらせが割と常識的なレベルに収まっており、かつレベルに余裕があったり戦い方や意地悪パターンも心得ているので、心のリソースが苦しみよりも楽しみに割く余裕があり、本編よりもずっと楽しいゲームでした。いつも何か起こる可能性がありつつ、広大で幻想的な世界を眺めながらする旅は、本当によかった。そういう意味では「苦しまない遊び方を積極的にした」というのは大きそうです。

影樹の破片は積極的に集めましたし、寄り道もしているし、本格的に詰まりそうなら友人に助言をもらったり。真っ直ぐボスに向かい早解きを求めればもっと苦痛で心象悪かったんだろうなと。なので、自分の感想はあくまで「良い評価を生み出しやすい遊び方」ではあったのかなとも思います。NPCイベント消化の無理ゲー感やだいぶスキなし破天荒ボスなど不満もありますが、本当に楽しく、不思議にも僕の心をとても癒やしてくれるゲームでした。ありがとう、フロム・ソフトウェア。
by. Ayuo Kawase