『ファイナルファンタジーVII リバース』8割楽しさと2割複雑心。『ドラゴンズドグマ 2』で歩む後悔多めの旅路。『Drop麻雀牌』で楽しむパズル性。今週のゲーミング

 

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。434回目です。いろんな変化があって不安もありますが、がんばりましょう。

細かいことは気にしない


今週は『Drop麻雀牌』が配信されたので少しプレイ。麻雀と『スイカゲーム』を組み合わせたようなパズルゲームです。フィールドに麻雀牌を落とし、牌同士をくっつけて面子や雀頭を作り麻雀の役を完成させると、和了った役の点数がスコアになる仕組み。パズルの形式は違うが、役を作っていく際の感覚はどことなく『落雀』に似ている。

ゲームプレイの仕様上、必ずしも実際の麻雀と同じような手順で役を作れる訳ではない側面があり、Steamレビューではそこで評価が分かれている様子。個人的には麻雀は好きですが、本作はパズルメインで捉えており、そういうルールとして楽しめています。牌が全部同じ四角形だからか、面子などを作って消さない限りフィールド内の状況が固定されやすく、詰まないようにと頭を使う。また対子が7組できると、手牌に関係なく七対子が割り込んで完成するため、こちらも気を使う部分。不意に和了れて命拾いすることもあるけど。
by. Taijiro Yamanaka


明るい探索ホラー


今週は、遊べていなかった短編探索ホラーADV『怪奇!開けてはいけない扉卍』をプレイしていました。本作は、行動回数の範囲内で謎の空間を探索し、脱出を目指すゲームです。メインキャラクターは、暇な探偵の青年としっかりした女子小学生の2人となっています。気がつくと見知らぬマンションの一室へ迷い込んでいた2人は、誰かが残したメモを頼りながら周囲を探索。血まみれの部屋、とっくに日付の過ぎた食材、「アけて」と叫ぶ何か。4人家族が住んでいたと思われる家で何が起こったのか。明るい2人によるホラーな部屋の探索が描かれていきます。

本作は基本的にはしっかりホラーをやっています。探索中の演出も相まって、怪異は十分に怖い存在として表現されていると言えるでしょう。ただし本作では、メインキャラクター2人のメンタルが強く、恐怖に負けず朗らかに探索を進行。ホラーとして恐怖を煽りつつも、物語は明るく進んでいきます。恐怖とコミカルさの緩急が激しく、怖いのに明るく楽しい作品になっていました。
by. Keiichi Yokoyama


まぶしい衣装もあふれるキラメキも、時にはかっこいい顔も


今週は『プリンセスピーチ Showtime!』をプレイしていました。たくさんの舞台が上演されている「キラメキ劇場」にやってきたピーチ姫が、グレープ劇団によって乗っ取られた舞台を救うために、さまざまな衣装に身をまとって変身しつつ立ち向かう、という内容。

当然本作の主役はピーチですから、それぞれの舞台にてピーチが奔走するわけです。身にまとう衣装は剣士、パティシエ、探偵など、バリエーションも豊か。それらは今までの「さらわれるピーチ」という像からはイメージが異なり、彼女のさまざまな印象が提示されています。弊誌のコラムにて触れられていることでもありますが、本作はこうしたピーチの“可能性”を、「舞台の主役」となることで、大いなる魅力をもって提示できていると感じます。

ゲーム的には、変身というある意味突拍子のないことも、演劇という“舞台装置”によって丸め込んでしまえる。ピーチは役を演じているのだから、違和感もありません。そしてそれぞれの舞台で活躍するピーチはかわいくも、かっこよくもある。優雅だけではない彼女の魅力というのが存分に詰め込まれています。クッパが夢中になるのも、何となくわかる気がします。
by. Kosuke Takenaka


後悔多き旅路


『ドラゴンズドグマ 2』を遊んでいました。そろそろ終盤手前かなと勝手に思っています。賛否寄せられているゲームですが、個人的には楽しめている派。特に手触りの良いアクションとポーンとの共闘感はクセになる持ち味です。

賛否を呼ぶ要素のひとつになっているファストトラベルの制限も、魅力である戦闘を存分に遊ばせる狙いがあるのかなと感じます。ただ同じロケーションの往復が多発する点に加えて、小型の敵が地方を跨いでも似たり寄ったりなのはかなり気になる部分。戦闘が楽しいといえども繰り返し感が強く、食傷気味なのは否めません。バタルからは敵のスルーも難しくなりますし。

そんなこんなで続けてきた1周目は主要キャラを死なせてしまったり、正攻法がありそうなところをごり押してしまったりと後悔多めの旅でした。ちなみに覚者のジョブはファイターを経て魔剣士で終えることになりそうです。ほかのジョブも使い込んでみたいので2周目もぜひ遊びたい!……のですが、先述したように気になるところはあり、少し時間を空けて心機一転で臨みたいなと考えています。
by. Hideaki Fujiwara


これが愛憎というやつか


『ファイナルファンタジーVII リバース』、ほかのゲームと並行したり、全部のコンプ要素を網羅する遊びをしていましたが、ついに最終盤まできました。楽しいしエモいしオリジナル版を踏襲しているし、メタスコア92に相応しいすごいゲームという印象は変わらず。めちゃくちゃ出来がすごい。ただ終盤になってくると、不満もあったり。

というのも、全体的に結構「なんじゃこりゃ」系忍耐アクティビティが多くなっており……。モーグリのミニゲーム、チョコボステルスごっこ、召喚獣音ゲー、バトルシミュレーター、チョコボ滑空ミニゲーム。こうした遊びの高難度が現れ、テンポをぐしゃっと崩してくる感じが、こうなんというか、重い。それぞれのアクティビティのコンセプトを考えれば、その難易度になるのは納得だし、クリアできるようになってるし救済措置もあるし。ただゲーム的にめちゃくちゃバランスもテンポもいいので、急にストップがかかる感じ。かつ上のイベントは必須系なものが多く、「この危機に自分は何をしているんだ」と真顔になる瞬間がある。

ただ温度感も難しくて、このレベルの大作ならこういうちょっとしんどいアクティビティもあっていいのかなと思ったり。すべて気持ちよく、テンポよく、というのも変だし、ここまでデカい規模なら枝先での綻びというか、歪なところがあっても愛してあげたいというか。なので上の箇所も不要なんていいたくないのですが、でもそれらのパートをやってるとモニョるんですよね。難しい。楽しいが80%ぐらいだからこそ。
by. Ayuo Kawase